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事例827「床下断熱材、割れ、落下」
今日のお昼は1時間の講演。
少人数向けの場合、つい業者の実名をしゃべってしまいます。
事実なので問題はないと思いますが。
■(1)今回の事例______________
「床下断熱材、割れ、落下」
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床下の断熱材。
トイレ配管施工時に割られ、下がっている。
◆内容説明
瑕疵検査の時、床下に入り発見。
職人が上から配管で断熱材を押したために割れた。
配管をつなぐ際、床下に職人はもぐっているはず。
この状態を見落とすことはないため、
故意に修理をせず放置した。
断熱材が床から浮いてしまうと、間に床下の空気が入る。
その状態では断熱材の効果がない。
◆対策
床下断熱材は、歩く振動などでも落ちることがある。
完成時や1,2年目の点検で床下を確認する。
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■(2)編集後記
シルバーウイークで道路はあちこち渋滞。
ゴールデンウイークは、休みを取るのに
今回は仕事を入れてしまいました。
休みのため連絡が少なく、書類仕事などが、はかどります。
事例821「床下の空気」
先週、阿蘇山の近くを通ったばかり。
阿蘇山周辺は過去の大爆発で地面が大きく沈下、
そのカルデラは有名です。
相次ぐ火山の噴火は、これで収まっていくのか
予見ができないだけに心配です。
■(1)今回の事例______________
「床下の空気」
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◆写真解説
床ガラリから入ってくる床下の空気が臭く、湿気ている。
基礎断熱工法の家。
◆内容説明
床下を換気しない基礎断熱工法が増えています。
自然換気がない分、湿気対策で
機械換気を床下に入れるケースや
部屋と床下の空気を循環させる工法などがある。
きれいな空気を循環させるなら良いが、
部屋より倍の湿度がある湿気た空気で、さらに
防蟻処理の薬剤、カビ臭い空気が入ってくる。
省エネ性能を高めるのに基礎断熱工法は有効です。
ただし、通気をしないデメリットをきちんと克服しないと
カビなどで不健康になっては意味がありません。
◆対策
乾燥対策をきちんと計画し、工事中から床下の状況を確認する。
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■(2)編集後記
今回の関東地方での浸水被害。
住宅が水に濡れるとどうなるか。
グラスウールなどの繊維系断熱材は一旦濡れると
自然に乾くことはない。
グラスウール自体は吸水しませんが、繊維の間に入り込んだ
水分はなかなか抜けません。放置すればカビの原因になります。
交換しかないです。
床合板やフローリングは乾きますが、大量に水を含んだ後は
反りなど変形する可能性があります。
また、壁との取り合いなど、木と木とが接している箇所は
なかなか乾きません。
徹底的に修理をするには、ある程度めくっていく必要があります。
事例816「床下断熱材の落下」
レンタカーのタイヤに釘が2本も刺さっていた。
途中でパンクすると嫌なので、ガソリンスタンドでタイヤ交換。
結構時間を取られましたが、安心して移動できました。
■(1)今回の事例______________
「床下断熱材の落下」
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◆写真解説
床下断熱材、振動によって落下。
ぶ厚い断熱材を入れた意味がない。
◆内容説明
床下断熱材は、大引き間に挟んであるだけの固定が多い。
そのため大引きがやせると挟み込みが甘くなり落ちやすい。
断熱材の種類によっては、受け金具があるが、
金具が下に落ちているケースをよく見かける。
断熱材が落ちていても、そこの床だけ特別寒いと
感じることはないため、
床下をのぞかないと落ちていることに気づかない。
◆対策
ウレタン吹き付け以外の断熱材は、落ちるリスクがある。
落ちにくい材料を選ぶことも重要です。
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■(2)編集後記
今回の例のように、床下などの普段見えない箇所では
いい加減な施工が多い。
今日検査した家も、ずさんな工事を発見。
隠さず施工時に直しておけば、補修費用は10分の1以下
で済んだと思います。
事例808「基礎断熱の欠損」
今月中旬、久しぶりに施主向けのセミナーを行います。
主催は何度か新築検査に入ったことがある名古屋の工務店さん。
契約前後のお客さんに欠陥や品質に関する話は、
普通の業者だったら嫌なはず。
設計や現場に自信がないとできません。
■(1)今回の事例______________
「基礎断熱の欠損」
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◆写真解説
基礎断熱の欠損。
配管貫通部を処理していないため、コンクリートがむき出し。
また穴も貫通している。気密欠損、結露の原因となる。
◆内容説明
家の省エネ化が進む中、基礎断熱にする家が増えています。
工法が変わる時にはミスが起きやすい。
日本中のあちこちの基礎断熱の現場で結露、カビ
などの問題が起きています。
今回紹介した例も、ずさんな基礎断熱の施工。
開口処理などが一切行われていない。
基礎断熱にすると床下が密閉されます。
そのため、ちょっとした施工ミス、設計ミスが
カビなどの原因になります。
◆対策
隠れてしまう前に、断熱材の施工を確認する。
入居後は、定期的に床下の点検を行う。
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■(2)編集後記
ほぼ毎日と言っていいほど、欠陥住宅の件で電話がある。
話の中で、「きちんとした建築士に検査を頼みたい」
と言われることが多い。
自分から「私はきちんとしています」なんて言えません。
自分が思っていても、他人から見たらいい加減な奴かもしれません。
「検査する建築士を選ぶポイント」
・インスペクターの資格がある。・・これは×です。
現在国家資格はありません。民間認定の資格です。
この団体の運営、考え方に違和感があるため、
私はあえて関わらないようにしています。
やはり検査や紛争、裁判の経験数で判断するのが一番かと思います。
有名な外科医の多くが、手術の質を上げるには数をこなすことだと
言っております。検査も同様です。
電話は多いですが、業務に至るのはごくわずかです。
やはり、費用がネックになると思います。
工事中に検査をしておけば、費用は安くあがります。
事例794『断熱材施工忘れ』
朝2番目の便で名古屋に戻りました。
セントレア行だけ、どの便も満席。
何とかチケットが取れて良かったです。
■(1)今回の事例______________
「断熱材施工忘れ」
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◆写真解説
天井上から屋根断熱間の壁断熱材を入れ忘れた。
大きな断熱欠損。
◆内容説明
天井面に断熱材を敷くのと勘違いしたのか
壁の断熱材を天井下までしか施工していない。
断熱材は家をすっぽり覆うように施工しないといけません。
屋根裏で断熱する場合は、居室でない屋根裏の外壁面にも
断熱材が必要です。
断熱欠損が多いと、省エネ性能が落ちる。
◆対策
仕上がってしまうと断熱材は見えません。
施工中にチェックをする。
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■(2)編集後記
現在、欠陥事例を連載中の「日経ホームビルダー」。
今月20日発売の8月号、私の連載は1回休み。
締め切りを守らなかったためではなく、誌面の都合です。
毎月、締切が近くなるとプレッシャーがかかるため
今月だけ、気分が楽でした。
事例791『遮熱材の落下』
1日瑕疵検査でした。終わるころには、
いろいろ考えることがあり、頭の中が一杯。
また、帰りの車中で、検査中に連絡を頂いた方へ
電話をしていたため、この現場のあと、帰る途中で
立ち寄る現場があったのをすっかり忘れてしまい、
事務所まで戻ってきてしまいました。
先方にはお詫びを入れ、明日伺うことになりました。
■(1)今回の事例______________
「遮熱材の落下」
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◆写真解説
屋根の遮熱部材の落下。これでは効果がない。
固定不良が原因。
◆内容説明
夏の暑さ対策として、遮熱シートが数年前から
使われるようになった。
自動車や家のガラスに付ける、シェードのようなものです。
所定の位置にきちんと付けないと、効果がありません。
◆対策
壁内や小屋裏など見えない箇所に施工するものなので、
工事中に確認することが重要です。
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■(2)編集後記
大分県杵築市での住宅火災のニュースで焼け跡をみると、
木造住宅の防耐火性能を上げるべきだと思います。
スプリンクラーの設置は現実的ではないため、
最低、省令準耐火構造にして、きちんと施工をすれば
延焼を遅らせることができます。
延焼を遅らせれば、命が助かる可能性が上がります。
「省令準耐火構造」は、希望すれば、どこの工務店でも施工してくれます。
ただし、規定が細かいため、無知な業者にやらせると
所定の防耐火性能は確保できません。
事例790『屋根断熱の手抜き』
今日は、時間に全く余裕が無い1日でした。
特に午後は裁判の現場確認に立ち会い、
事前準備など含めると長時間、現場に居ました。
■(1)今回の事例______________
「屋根断熱の手抜き」
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◆写真解説
マンション最上階、屋根断熱材の厚さ。
図面は25mm、現場は6mmしか吹かれていない。
◆内容説明
断熱材の種類はウレタン吹付。
コンクリートに直に吹付をしています。
コンクリート面を覆えば、厚さはどうであれ、
施工してあるように見えます。
そのため、手抜きがされやすい。
それにしても設計25mmに対し、施工6mmは手抜きのしすぎです。
夏は暑く、冬は屋根面で結露を起こしやすい。
◆対策
マンションは施工時に現場チェックすることは不可能。
購入時か入居後すぐに、断熱材の厚みを確かめる。
天井はユニットバスの点検口から、
壁はコンセントBOXを外して検査します。
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■(2)編集後記
今日立ち合いをした裁判。業者側にとっては
現場へ入れるチャンスであり、床の水平の再測定を希望してきた。
裁判官が帰ったあと、その測定に立ち会った。
測定したのは、業者が手配をした測量業者。
室内には不向きな、外の測量で使う大きな機械を持ってきた。
その機械は現場監督時代に何度か使ったことがあり
原理などは分かっていました。
ごまかしがあるといけないので、私が立会人となり
測定数字を確認していると、弊社が計測した数字より
大きな数字が読まれていく。
測量していた人がおかしいと思い、途中で測り直したい
と申し出ましたが、建築主側の弁護士が拒否。計測が完了しました。
もめる前に業者は3回ほど床レベルを測定している。
なぜ今回、再計測したのか最後まで意味が分からなかったです。
省エネ住宅の知識
省エネ最高ランクの家だと言う割に、賃貸マンションと変わらない、
それほど省エネでないと感じる方が多い。
多くのハウスメーカーが高断熱をうたっているが、
インチキ物も相当あります。
「燃費半分で暮らす家」
鎌田紀彦 室蘭工業大学名誉教授 監修
(↑画像をクリックするとアマゾンのページへリンクします)
ヨーロッパではEUの建材の燃焼性の基準から、発砲プラスティック
断熱材は、住宅では使うべきではない建材として分類されている。
エコな住宅であることをうたう、いろいろな「○○工法住宅」があふれていますが、
そのうたい文句にふさわしい快適性と省エネ性を備えているかは大いに疑問です。
など、ある材料、工法を批判する一方。
夏の上下換気や、方位に応じた窓の選択方法など
どうしたら夏涼しく、冬暖かい家になるか書かれています。
自分たちで手掛けてる家の宣伝本でもありますが
省エネ住宅を建てたい方、知識を得たい業界の人にはおすすめです。
有限会社カノム 名古屋市守山区小幡南三丁目20-28 シャトー小幡駅前 303
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