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外壁合板の釘打ち

最近2×4のように在来工法でも外壁に構造用合板
を張る現場を見ます。
合板類を張ると強度的に強くなり良いですが
費用の面で家の大きさにもよりますが
だいたい50万円くらい追加になると思います

せっかく費用を出して追加しても
正規の釘、ピッチを守らないと規定の強度が出ません。

当社の検査でもよくこの釘の種類、ピッチを指摘
します。それだけ間違いやすく
現場では理解されていない項目です。

土曜日の検査でいいもの見つけました。
合板にテープで釘を打つ位置と釘の種類が明記されています。
「特許出願中」と書いてありました。

竹内邸

上記は150mmピッチが基準です。

間違い防止の材料はこれから増えるかもしれません
私も2年前くらいこの業界でいろいろ特許を取っている
工務店の経営者に会い、何か自分も1つと思いつつ
今まで過ぎました。

常に特許を意識しないと思いつかないのでしょうか?

昭和2年の建物

今週は特に相談メールが多いです。
全て返事を書くのに3時間かかった日がありました。

目は通しますが返事が若干遅れることが今後ありそうです。
優先する仕事がある事をご理解ください。

今月29日は今年から昭和の日と呼ぶそうです。
そのためか昭和ブームをマスコミなどが仕掛けています。

今日、昭和2年築の家の耐震改修計画の依頼を受けました。
内容が難しそうで気が進みませんでしたが
耐震診断を自分が行なったため他の人では余計にわからない
と思い引き受けました。

この当時の建物は今の木造とはまるで違います。
耐震診断も非常に苦労しました。

ただ、古いですが使っている木などは結構大丈夫なんです。
改修すれば大地震でも何とかなりそうな感じです。

最近広告などでうたってる100年住宅は「うそだ」という
評判もあります。この建物は80年近くになりますが
現在も住んでいまして地震さえ心配しなかったら100年は
優に持つでしょう。

木造住宅の強さを感じます

ただ、今の木造は工法により疑問な部分もあります。
特に壁内結露には注意です。

壁内結露については私も結構詳しい方だとは思いますが
説明しだすと長くなるのでわからない方は検索などで
探してください。断熱材メーカーなどが解説しています。

中古住宅検査

中古住宅の購入前の検査に本日行きました。

今日の家は不同沈下していましたが
傾いていることはレーザーでレベルを取るまでは
気が付きませんでした。

家の剛性が良いのか、壁に亀裂などが入っていないため
住んでいる売り主の人も知らなかったようです。
(家全体が損傷なく傾いている)

不動産屋さんでは瑕疵の発見は難しいです。
購入前に瑕疵の有無を調査すれば安心して購入できると
思います。
しかし、まだまだ中古住宅検査の需要は少ないです。

今日の現場は売主さんは快く検査を受け入れてくれました
なかなか住みながらとか何か見つかる心配から拒否される
事も多いです。
いい売主さんの場合、次に住むのにも何かいい感じがすると
思います。

このあと、午後に行きました新築の上棟検査。
構造金物がたくさん間違って付いていました。

大工さんの仕事は丁寧でしたが、やはり法律を理解していない
みたいです。会社の誰か一人が理解しチェックすれば良いと
思いますが現状は誰も確認していない会社が大半です。
木造で建てる方はこの点要注意です。

週末の予定は大変混みます。5月の3週目まで予定が入りつつ
あります。検査依頼は早めにお願いします。

公庫仕様

今日も欠陥住宅の調査に行ってきました。

大きな問題はなかったですが公庫仕様に
反するものは多くありました。

公庫仕様は建築基準法などと違い効力は弱いです。
ただ、細かい施工に関する記述が基準法にはなく
瑕疵の判断の参考にはなります。
当社のチェックシートも公庫仕様書を主に参照して
作りました。ハウスメーカーさんなどの施工マニュアル
なども参考にしている会社は多いです。

よく問題になるのが公庫融資を使っていない住宅は
守らなくていいという業者の勝手な解釈です。

軽微なものなら逃げる事できますが、構造上重要なもの
は基本的に逃げられません。

今日、気になる事があります。
先月調査に伺った、約7CMくらい家が傾いた方が
業者と話し合いをしています。
すんなり補修を受け入れてくれれば良いと思います。

いろいろな欠陥がある中で家が傾くという事は
その家に住んでいる事自体一番つらいと思います。

基礎の精度の重要性

最近、またブログの間隔が空いています。

メルマガに比べると書くのは時間があまりかからない
のですが、悪い事例はどこまで相手や現場が特定できない
ように書くのか難しいです。

つまり悪い現場が多くてもブログの間隔が開きます。

反対に良い現場は実名出しても構わないため書き易いです。

今日、上棟の検査に伺った「サーラ住宅」さん
床レベル、柱の垂直がものすごく良かったです。
(家全体でプラスマイナス2mm以内、柱の倒れは最大2mm)

これは基礎の水平が良く出ているからだと思います。

家全体で床のレベル差が5mm以上の家は当たり前のように
あります。ひどいと10mm程度もあります。

許容範囲は距離3mで9mm~15mm以上の傾斜
(ビー玉が転がる)ですからこれでも問題ないという
ことになってしまします。
(許容範囲の扱いは難しいためここでは詳細は省略します)

家の土台基礎が水平・・・基本中の基本です。
基礎が良ければ家は真っ直ぐに建ちます。

検査で「酸欠」

完成だけの検査では床下に入ります。
その際、埃対策で「防塵マスク」を使います。

今日の午後検査に伺った現場で床下にいて
体の異変を感じ完全な酸欠状態になってしまいました。
原因は防塵マスクのフィルターが汚れ息がしにくくなって
いたためでしょうか?

もう少し長く居たら気を失っていたかもしれません。
以後気をつけたいと思います。

6時間くらい経った今も頭が「ぼーっと」しています。
今日の検査報告書は書くのをやめました。

一晩寝れば体調戻るでしょう。

いい家を掴むのは「運」

昨日のニュースで

国土交通省が新築マンションの耐震調査を行い
10%ほど基準法を下回っているという報告が
ありました。

いくら規制を厳しくしても100%完璧は無理
という事がわかります。

住宅はまだ規制が厳しくなっておりません
もっといろいろあります。

話は変わりますが、
今日伺った戸建て完成検査は検査できる範囲で
ほぼ完璧に近い状態でした。

これは施主さんがきちんと業者を選んだ結果と
運が良かったためと思います。

最終金銭の決済が本日の検査前で何か欠陥があれば
どうしようと悩んでおられましたが

検査をして非常に安心されました。

地元の小さな業者が建てた家ですが本当に
丁寧な施工でした。

毎回、このような現場ばかりだといいです。

構造金物

「構造金物」・・今日行った現場でも間違った
取り付けをしてました。

阪神淡路大震災後の法改正(平成12年)で義務付け
られたもので、木造の在来工法に適用されます。

主にすじかいなど耐力壁(地震時などに突っ張る壁)
の柱の上下端部に付きます。金物を付ける目的は
柱が地震時に抜けないためです。

金物の選定方法は3種類ほどありますが、現状多くは
大工さんが適当につけている場合が多いです。
もちろん適当につけることは正しい選定方法では
ありません。

きちんと設計されていてもその図面を無視して施工
されるケースも珍しくありません。

大工さんに聞くと
「外周だけつければよい」
「1階の柱下だけに付ける」とか間違った認識をしています。

行政の中間検査があるから大丈夫という人もいますが
細かくは見られていません。現在有名な建築会社でも
最近見た3件中、きちんと付けれていた現場は0です。

完成後の検査でこれら金物の不備をよく発見します。
金物自体は安いものですが、完成した家に取り付けるのは
非常に困難です。

天井をめくる、壁を壊すなどしなければ付きません。

構造金物不備の家は50%以上はあると思います。
(99%そうだという他の建築士の意見もあります)
隠れ欠陥住宅(建築基準法違反)がたくさん出ている
ことが心配です。

この業界にリコールはありません。

住んでしまえば自分から気が付かないと違反は
わかりません。

当社の検査の重点ポイントの一つです。

欠陥住宅の見本?

3月は週末に完成検査が集中し
月、火曜日まで検査書類作成に追われるという
パターンになっています。

ですから今、ようやく書類が追いついた状況で
ほっとしています。

今日行った現場は「欠陥の見本」のような家でした
工事中の検査依頼のため直すのは容易で
完成後のように難しくありません。

morikawa ap

1つの例を紹介します。筋交いに穴を開けた写真です
節の下にあるのが穴で 節が抜けた訳ではありません
設備屋が間違えて開けました。

その他、構造金物が付いていない。釘が打たれていない。
梁は穴明けだらけなど

このまま建ってしまったら相当地震に弱い建物になります。

ホームページの欠陥写真は同じような例を載せないのに
結構追加しています。
本当に欠陥が多いのは確かです、そのあたり明後日の
メルマガで意見述べますのでお楽しみに。

事実のとらえ方

検査のジャッジは非常に事実のとらえ方が難しいです。

建築基準法であっても法律文の解釈はいろいろできる
ものもあります。ですからマニュアルだけに頼っては
プロの検査はできません。

今日、このことを書こうと思ったきっかけは
「床下木部の防蟻処理について」でした

bougi

防蟻処理は公庫仕様に記載がありますがあまり
明確ではありません。

写真のように木部の下が塗られてなくても
(オレンジ色が防蟻処理材、最近は透明が多い)

業者はOK・・職人には下は塗りにくいから塗らなくても
いいと指示しているそうです。顧客に対しては
5年保証しているから何かあれば保証するのでという
説明です。

これをお客様側が意見すると
シロアリは下から上がるし、湿気も下から上がるので
木部の下側が重要だと言うでしょう。

これを読んでいる方もきっと判断はすぐ付くと思います。
ただし、業者の言い分は違うのです。

事実は多面性があり見る立場が違えば見え方はかわります。
また、この件は事実というよりはそれぞれの「意見」であり
解決は容易ではなさそうです。

この件に限らずすべてほとんどこういう感じです。

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