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欠陥住宅被害者の意見

住宅紛争を経験した施主さんが、業者との契約から
不具合発生、話し合い、調停、その後の修理までの
経緯を振り返り、自身の反省と業界の改善すべき点
について書面を作成しました。

これを自身でマスコミに送りましたが、取り合って
もらえず、私の方にも書面が送られてきました。
書面を作成した方は、知らない方ではなく、欠陥検
査に入り、その後サポートもしています。

ご本人に紹介する承諾を得たので、内容を公開でき
ますが、ページ数が多いので全部を紹介するのは、
難しいです。

今回は、1点だけ紹介すると、
住宅瑕疵担保保険会社を痛烈に批判しています。
ひどい内情が当事者になって分かり、社会悪となっ
ている現状を改善したいという内容。

事例1284 「断熱材の厚み不整合」

コロナ過で控えていたTV撮影再開の打診が来て
います。今現在、建て替えや契約解除を求めている
ひどい事例の家が多いので、撮影対象はたくさん
あります。

 

■(1)今回の事例_____________

「断熱材の厚み不整合」
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断熱材の厚み

◆写真解説

厚さ120mmの壁に155mmのロックウールを施工。
厚ければよいというものではなく、壁厚に適した
厚みの選択が必要。

 

◆内容説明

壁厚より厚いロックウールを施工しているため、
壁表面から断熱材がはみ出し、膨れている。

繊維系の断熱材のため、石膏ボードで押さえれば
収まると思ったのでしょう。

無理に押しこむことで、断熱材がよじれたり、
石膏ボードが膨らむ可能性があり、壁厚以下の
厚さの断熱材に入れ替える指示を出しました。

 

◆対策

厚み不足が問題になることが多いので、珍しい
パターンです。

厚いほど、省エネ性能が増しますが、壁厚に適
した厚さを選択する。

 

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■(2)編集後記

昨日の夕方、ユーチューブ撮影をしてきました。
先日、ゲスト参加しました「カビバスターズ」さん
のチャンネルで、今回は、カビの内容ではなく、
欠陥住宅被害者が自身の被害内容を話しています。

相手業者と設計者以外、行政の対応の悪さや、紛争
解決を依頼した偽建築士、悪徳弁護士被害などの話
がアップされる予定です。

来週あたり、公開予定です。

ゲスト参加、第1回、2回目は以下です。

職人の腕

施工した職人に不具合箇所をやり替えさせ、再検査。
その結果は、前の状態とほとんど変わらない。

腕の問題もありますが、不具合になる原因がわかって
ないため、気を付けるポイントがずれているようです。

今回、再度、修理を求めた所、職人から
「ベストを尽くしてもこのレベルだから勘弁して」
と言われました。

監督は、二度と使わないと言っておりましたが、
人手不足の業種のため、仕事には困らず、他所の現場
に入るでしょう。

建築プロデューサー

昔ほどではないですが、3月末は完成が集中します。
先週が検査のピークで、ブログの更新が空きました。

家など建築の際、設計事務所や工務店でない会社、
又は個人が、プロデュース等の名目で関わるケース
があります(フリーの住宅営業マンと言った方が
分かりやすいでしょうか)。

施主と設計、施工者間に入り、うまく調整できれば
よいですが、それが本業ではなく、不慣れで知識が
ないことまで首を突っ込み、足を引っ張るケースに
なっている例を見ます。

某業者紹介会社のように、紹介手数料をもらい、
あとは設計や施工者に任せれば良いですが、何も
しないと報酬を請求しにくいため、あれこれ、関わ
ってしまうと思います。

人との相性も重要ですが、実際に設計、施工する方
たちと、直接、打ち合わせをしていくことが、
ミスやトラブルの軽減になります。




事例1283 「外壁上、気流止め未施工」

先週、マスクを付けずに1日外に居ましたら、
花粉症が重症化しました。
毎年、薬を飲むほどではない程度の花粉症の症状
はありますが、ひどくなったのは初めてです。

花粉の飛散が収まるまで、マスクは外せません。

 

■(1)今回の事例_____________

「外壁上、気流止め未施工」
______________________ 

気流止め未施工

◆写真解説

グラスウール壁断熱材の天井から上の部分、
気流止めが未施工。

本来、石膏ボードを貼り上げるか、気密テープを
貼るなどして、防湿材の端部をおさえる。

 

◆内容説明

気流止めというと、間仕切壁の上下端を思いつく
ことが多いと思います。

写真は、外壁部の天井上部分。
グラスウールやロックウールの場合は、この箇所
から気流が出入りするため、気流止めの施工を
する必要があります。

気流止めの施工は、石膏ボードを貼って押さえるか
端部を気密テープか木材で止めます。

 

◆対策

造作工事途中で、気流止めの施工を確認する。

 

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■(2)編集後記

耐震等級3仕様の増加に伴い、
耐震等級に関するトラブルが増えています。

具体的には、
1、計算せずに「等級3」と謳っている
2、計算をしているが、計算ミスがあり、実際は
  等級3を満たしていない
  (許容応力度計算のケースで多い)
3、計算はしているが、設計者判断で甘い計算と
  なっていて、標準的な等級3を満たしていない
  (計算方法が設計者のさじ加減で、どうにでも
   なる部分がある)
4、計算は間違っていないが、施工不備があり、
  等級3を満たしていない。

これら以外のケースもあり、しばらくはトラブルが
増えると予想しております。

重要な仕様だけに、図面や計算書、工事中の
チェックは重要です。
また、高い耐震性能をカタログで謳いながら実は、
そうでもない会社もあります。
業者選びも重要です。

 

 

施工マニュアルの開示を拒むメーカー

欠陥住宅検査で重大な施工不備が発覚。
その大手ハウスメーカーに対し、施工マニュアルの
開示を求めたが、拒否された。

その後、弁護士同士のやり取りに移行。
条件がかなり厳しい、秘密保持契約を交わした上で
部分的に開示するという条件を出してきた。

そこまでしないと、見せられないものか?
社員はもちろん、職人にも渡しているもので、特別
な機密情報でもないはず。

開示を渋るのは、情報漏れを恐れているのではなく、
何か、追加で不具合を指摘されるのを恐れている
からだと思います。


事例1282 「給気口から外気が入らない」

裁判で、いつも組んでいる弁護士さんは、建築
紛争のベテランで、私があまり関与しなくても、
事が進んでいきます。

そうでなく、お客さんが選んだ弁護士さんですと
書類を書いたり、意見を伝えたり、関わる頻度が
高くなります。
最近は、後者のパターンが多く、いろいろ忙しい
です。

 

■(1)今回の事例_____________

「給気口から外気が入らない」
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給気口から給気しない

◆写真解説

24H換気の給気口から外気が入っていない。原因は、
換気扇までの距離がある、家の気密が低いなど。
社内検査で確認しないため、知らずに住んでいる
ケースが多い。

 

◆内容説明

居室の給気口が機能していない。
設計上は問題なく、確認申請も下りているが、
換気扇までの距離が遠いのと、換気扇近くに別の
給気口が多くあるため、指摘した部屋の空気を引
っ張れない。
部屋の空気が入れ替わらないため、冬場でも部屋
が湿気ている。

 

◆対策 

机上の計算だけでなく、確実に換気できるように
計画をする。

 

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■(2)編集後記

先日、ゲスト参加したYouTube。
前編は、今日時点で約8600再生。
後編は、昨日あたりにUPされ1400再生くらい。

普段100~200回再生くらいの番組で、
ここまで再生数が増えたのは、やや暴露系だった
ためだと思います。(大した事ないですが)

住宅においても、暴露系は再生回数が多いです。
いろいろ暴露している住宅系の番組がありますが、
私は、それ以上の情報をたくさん持っております。

やるとするなら、初回は、瑕疵保険会社の社会悪
の部分を暴露したいと思います。

 

YouTube ゲスト出演後編(カビバスターズ)

後編がアップされました。
最近、私がカビの原因調査、カビバスタ-ズさんが
菌の検査に入った裁判中の家の話は、是非聞いて
頂きたい内容でしたが、裁判を考慮し、全カット
でした。続編も計画中です。

脱法行為で金儲け

「悪いことをしている」という自覚がありながら、
金儲けのために、脱法行為や手抜きを行っている
業者が多く存在する。

そういう会社は、淘汰されそうですが、逆に効率
よく儲けているため、経営が順調だったりします。

素人では気づけない内容を、上手く隠し通したと
しても、他で目に見える不具合が発生し、それを
きっかけとして、私どものような建築士が調査に
入り、重大な不具合が発覚するパターンが多いで
す。

悪質な業者に対し、裁判で勝っても、その業者が
心を入れ替えない限り、新たな被害者が出ます。
施工業者に対する行政処分を厳しくする必要を
強く感じます。



YouTube ゲスト出演(カビバスターズ)

以前、告知しましたゲスト出演したYouTubeがアップされました。
事前打ち合わせ、台本無しのぶっつけ本番トークです。

2日で約4000再生と、なかなかの数字です。

今回は前編。チャンネル登録、「good」ボタンもお願いします。

https://www.youtube.com/watch?v=BYstmj_uQsg

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