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事例1283 「外壁上、気流止め未施工」
先週、マスクを付けずに1日外に居ましたら、
花粉症が重症化しました。
毎年、薬を飲むほどではない程度の花粉症の症状
はありますが、ひどくなったのは初めてです。
花粉の飛散が収まるまで、マスクは外せません。
■(1)今回の事例_____________
「外壁上、気流止め未施工」
______________________
◆写真解説
グラスウール壁断熱材の天井から上の部分、
気流止めが未施工。
本来、石膏ボードを貼り上げるか、気密テープを
貼るなどして、防湿材の端部をおさえる。
◆内容説明
気流止めというと、間仕切壁の上下端を思いつく
ことが多いと思います。
写真は、外壁部の天井上部分。
グラスウールやロックウールの場合は、この箇所
から気流が出入りするため、気流止めの施工を
する必要があります。
気流止めの施工は、石膏ボードを貼って押さえるか
端部を気密テープか木材で止めます。
◆対策
造作工事途中で、気流止めの施工を確認する。
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■(2)編集後記
耐震等級3仕様の増加に伴い、
耐震等級に関するトラブルが増えています。
具体的には、
1、計算せずに「等級3」と謳っている
2、計算をしているが、計算ミスがあり、実際は
等級3を満たしていない
(許容応力度計算のケースで多い)
3、計算はしているが、設計者判断で甘い計算と
なっていて、標準的な等級3を満たしていない
(計算方法が設計者のさじ加減で、どうにでも
なる部分がある)
4、計算は間違っていないが、施工不備があり、
等級3を満たしていない。
これら以外のケースもあり、しばらくはトラブルが
増えると予想しております。
重要な仕様だけに、図面や計算書、工事中の
チェックは重要です。
また、高い耐震性能をカタログで謳いながら実は、
そうでもない会社もあります。
業者選びも重要です。
施工マニュアルの開示を拒むメーカー
欠陥住宅検査で重大な施工不備が発覚。
その大手ハウスメーカーに対し、施工マニュアルの
開示を求めたが、拒否された。
その後、弁護士同士のやり取りに移行。
条件がかなり厳しい、秘密保持契約を交わした上で
部分的に開示するという条件を出してきた。
そこまでしないと、見せられないものか?
社員はもちろん、職人にも渡しているもので、特別
な機密情報でもないはず。
開示を渋るのは、情報漏れを恐れているのではなく、
何か、追加で不具合を指摘されるのを恐れている
からだと思います。
事例1282 「給気口から外気が入らない」
裁判で、いつも組んでいる弁護士さんは、建築
紛争のベテランで、私があまり関与しなくても、
事が進んでいきます。
そうでなく、お客さんが選んだ弁護士さんですと
書類を書いたり、意見を伝えたり、関わる頻度が
高くなります。
最近は、後者のパターンが多く、いろいろ忙しい
です。
■(1)今回の事例_____________
「給気口から外気が入らない」
______________________
◆写真解説
24H換気の給気口から外気が入っていない。原因は、
換気扇までの距離がある、家の気密が低いなど。
社内検査で確認しないため、知らずに住んでいる
ケースが多い。
◆内容説明
居室の給気口が機能していない。
設計上は問題なく、確認申請も下りているが、
換気扇までの距離が遠いのと、換気扇近くに別の
給気口が多くあるため、指摘した部屋の空気を引
っ張れない。
部屋の空気が入れ替わらないため、冬場でも部屋
が湿気ている。
◆対策
机上の計算だけでなく、確実に換気できるように
計画をする。
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■(2)編集後記
先日、ゲスト参加したYouTube。
前編は、今日時点で約8600再生。
後編は、昨日あたりにUPされ1400再生くらい。
普段100~200回再生くらいの番組で、
ここまで再生数が増えたのは、やや暴露系だった
ためだと思います。(大した事ないですが)
住宅においても、暴露系は再生回数が多いです。
いろいろ暴露している住宅系の番組がありますが、
私は、それ以上の情報をたくさん持っております。
やるとするなら、初回は、瑕疵保険会社の社会悪
の部分を暴露したいと思います。
YouTube ゲスト出演後編(カビバスターズ)
後編がアップされました。
最近、私がカビの原因調査、カビバスタ-ズさんが
菌の検査に入った裁判中の家の話は、是非聞いて
頂きたい内容でしたが、裁判を考慮し、全カット
でした。続編も計画中です。
脱法行為で金儲け
「悪いことをしている」という自覚がありながら、
金儲けのために、脱法行為や手抜きを行っている
業者が多く存在する。
そういう会社は、淘汰されそうですが、逆に効率
よく儲けているため、経営が順調だったりします。
素人では気づけない内容を、上手く隠し通したと
しても、他で目に見える不具合が発生し、それを
きっかけとして、私どものような建築士が調査に
入り、重大な不具合が発覚するパターンが多いで
す。
悪質な業者に対し、裁判で勝っても、その業者が
心を入れ替えない限り、新たな被害者が出ます。
施工業者に対する行政処分を厳しくする必要を
強く感じます。
YouTube ゲスト出演(カビバスターズ)
以前、告知しましたゲスト出演したYouTubeがアップされました。
事前打ち合わせ、台本無しのぶっつけ本番トークです。
2日で約4000再生と、なかなかの数字です。
今回は前編。チャンネル登録、「good」ボタンもお願いします。
事例1281 「基礎高さ不足」
一年で一番、検査がしやすい気候は5月。
昨日は、遠方への出張先で、5月のような気候の
中、快適に検査ができました。
■(1)今回の事例_____________
「基礎高さ不足」
______________________
◆写真解説
長期優良住宅の家。地面からの基礎の高さが低い。
本来、劣化対策の規定で400mm以上必要
(基準法は300mm以上)。
◆内容説明
周囲の地盤の埋め戻し土が高く、基礎の高さが確保
されていない。
原因は、外構工事との連携が悪い、元々のGL設定に
ミスがあるなど。
長期優良住宅などの適合に関係なく、400mmの高さ
を標準としている家が多く、400mmは一般的な高さ
です。
地面に近いほど、湿気や雨の跳ね返りの影響を受けや
すく、400mm以上確保することが重要です。
◆対策
設計時からGL設定に注意し、外構工事においては、
地盤高さを守らせる。
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■(2)編集後記
建てる前の個別相談に来れれる方が、よく口にする
のは、「もっと早く来ればよかった」
面談では、普通では知ることができない、メーカー
ごとの性能等の情報に加え、品質レベル、アフター
サービスの対応などの情報もお伝えします。
検査業務と、多くのハウスメーカー相手の争いに
おいて得た情報なので、他では聞けない話しばかり
です。
よくある反論内容
裁判中の物件。初回の反論が来ました。
毎度のこと、確認申請の中間検査に合格している
。検査済証が下りている。瑕疵保険の検査が合格
しているという内容が多い。
今の時代、これらに合格していることは、当たり
前で、合格していない家の方が珍しい。
ミスは明らかで、これ以外の反論が思いつかない
と思います。
お決まりの反論なので、これに対するこちらの
反論も決まっています。
希望した家でない
完成した家が、希望した仕様や性能と違うという
揉め事が多いです。
内容は、耐震性や省エネ性、バリアフリー等。
紛争になっている例のパターンは
1,建築主の要求に対し、営業や設計者が理解を
誤る。建築主の伝え方が悪いか、担当者が
無知で、違う理解をする。
2,建築主の要求内容を、図面化する途中で、
誤る。変更などに対応できていない等。
3,建築主の要求を理解し、図面は作成したが、
希望した性能が出ない。設計者や施工者の
技量不足。
完成してからでは、修理や解決は大変。また、
言った言わないになる例がほとんどのため、
希望する内容は、口頭ではなく、書面に書いて
渡しましょう。
図面を見ていると、情報が少ないものが多い。
家の仕様(長期優良住宅、フラット35S、
省令準耐火構造、住宅性能評価など)や床面積
などの情報も書かれていない図面も多いです。
建築主も、最終図面を確認する際は、希望した
内容が図面に書かれているか、確認すると良い
です。
事例1280 「鋼製束変形」
昨日の夕方、あるYouTubeチャンネルにゲスト
出演してきました。
雑談的な話を1時間弱しました。編集後に公開
される予定。公開されましたら、告知いたします。
先回、いろいろな秘密を知っているということを
書きました。今回はもちろん、きわどい話は、控
えたつもりです。
■(1)今回の事例_____________
「鋼製束変形」
______________________
◆写真解説
鋼製束の変形。工事中、重量物を落としたことが
原因。
曲がった分、床が下がり、そのまま完成した。
◆内容説明
完成検査で床下にもぐり、発見。
工事中、フローリングを貼る前に重量物が床に落下。
合板などに目立った損傷はなかったので、そのまま
仕上げた。
大引きなどに損傷はなく、鋼製束だけの被害。
床に傾斜があったため、束の交換と水平修理を指示
しました。
束は1階の積載荷重を支える材料。スチール製で
細いため、大きな衝撃があれば、曲がります。
(完成後、少しものを落としたくらいでは、曲がる
ものではありません。)
◆対策
完成時の床下検査を実施したか、施工会社に確認
しましょう。
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■(2)編集後記
これから、いくつか建て替え要求を出していきます。
適当に建て替えだと言っているのではなく、検査し、
その後、再計算など必要な検証も実施した上での
判断です。
それでも、相手が拒めば、設計性能を回復できない
補修で妥協するケースもあります。
かなりの頻度で建て替えが必要な現場が出てくる
ため、知らないだけで、同じような家が、かなり
あると思います。
先月検査した家は、建築基準法の耐震基準が全く
守られていなくても、確認申請が下りてました。
(構造審査省略物件のため、ノーチェック)
これに関しては法改正が控えているので、将来的
には無くなりますが、構造審査が必要になれば、
構造計画のミスが増えると予想しています。
有限会社カノム 名古屋市守山区小幡南三丁目20-28 シャトー小幡駅前 303
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