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雨漏りか結露か

今週初め、何度かご依頼頂いている施工業者さんから
雨漏り検査の依頼を受けて、現場に行きました。

簡単な雨漏り検査の依頼は来ません。
今回も以下のような事前情報でした。
・雨漏りしたのは、今年の冬に1回だけ。
・6,7月の大雨、8月の長雨などでも雨漏りしていない。
・施工業者さんの方でも水かけ試験を2日間実施、雨漏りの再現ができていない。

現場で状況を確認。原因の予想をして、水かけ開始。
午前中に漏水を確認できなかったため、内部の壁、天井の一部をあけ
原因を探りましたが、木部や断熱材が濡れた形跡がない。

午後からは、水かけ箇所を変えながら、水をかけ続けましたが
夕方まで内部への漏水が確認できませんでした。

昼に壁などを開口した際、これを取れば原因が分かるが、
作業が困難で、撤去をあきらめた部材がありました。
原因を特定するため、最後に無理してその部材を外し、
濡れたあとがないことから、外から雨が入った可能性が無くなりました。

雨漏りでないとすると結露だった可能性が高くなります。
もし、結露が起きていたとしたら、珍しい結露の事例です。

検査の経験数は多い方だと思いますが、
未だ、過去に例がない不具合事例が出てきます。
難しい現場は、手間もかかりますが、
レベルアップしていくには必要だと思います。

事例1232 「柱の割れ」

明日の昼くらいから、愛知県も台風の影響が出そうです。

明日も朝から夕方まで現場予定を組んでいるため、
影響がないと良いですが。

 

■(1)今回の事例_____________

「柱の割れ」
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◆写真解説

集成材柱の割れ。
変位が少ないはずの集成材にも関わらず、完成後に太いひび割れが生じた。
壁の仕上げに影響する。

 

◆内容説明

貫通はしていませんが、最大幅は3mm。
反りも出て、石膏ボードの継ぎ目も開きます。

何らかの要因で水分を含み、その後乾燥したため、
大きなひび割れが発生したと思います。

無垢材を貼り合わせているため、
集成材でも、ひびが入ることがあります。
ただし、強度に影響が出るまでのひび割れの発生は稀で、
美観的な影響が多いです。

 

◆対策

特に夏場は、壁内の温湿度が高くなる。
外壁通気層の通気の確保、室内側の防湿材を確実に施工する。

 

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■(2)編集後記

今朝、チェックした新聞のニュース。
「長期優良住宅の省エネ性能を上げる」

地球環境を考慮してですが、新築住宅価格の上昇に拍車をかけそうです。

昨日の新聞では、中古住宅、マンションの価格高騰が書かれていました。
新築が値上がりして、中古住宅に人気が出ているが、
売りに出る物件が少なく、価格を押し上げている。

リフォームして売るケースも人気のようで
工事費、業者の経費分、値段は高くなります。

今までにない動きで、今後どうなっていくか注目しています。

 

 

 

検査の出戻り

先週、今週だけで新築検査の出戻りが2回ありました。
(出戻りとは、工事の遅れなどで検査できずに帰ったこと)

原因は、工程に余裕がなさすぎるのと、
現場の進行状況を監督が把握していない。

最近では、アプリで現場の進捗が共有できますが、
遅延を職人がチャットで報告せず、
情報自体がアップデートできていなかったりします。

現時点では、デジタルツールよりは、現場監督さんの能力が重要。
デジタル化に予算を掛けると同時に、監督さんの教育も行って欲しいと思います。

最近の話ですが、新築検査の現場で、図面に記載がなかった
断熱材の種類を監督さんに聞いた。
答えは、グラスウールでしたが、
後日、現場に行ったらウレタンが施工されていました。

新卒でこの業界に入った監督さん、
断熱材の種類をよく分かっていないようです。

私が社会に出た頃でも、専門知識の研修はほとんどなく、
仕事をしながら覚える方針でした。
自分から勉強する気がないと、無知なままです。


新築検査の必要性

合板などは価格の高騰が続いているようですが、
先行きを予想できるようになったためか、
ウッドショックの不安はやや緩和されているように思います。

先日、読んだデータによりますと、ここ10年で住宅価格は
平均20%ほど上昇しているようです。
さらにウッドショックによる追加費用もあります。

住宅購入者が費用を削減するため、何を削るかの選択で、
私共が行っている施主依頼の新築検査が対象になりやすいようです。
ウッドショックの影響による工務店からの追加請求額が安くないため、
金額的には対象になりやすいかと思います。

検査を提供する側から勧めると営業的に聞こえてしまいますが、
検査の必要性に関しましては、入れないよりは入れたほうが良いです。

施工品質に関し、品質を意識している会社と
そうでない会社に2分されます。

品質を軽視している会社の現場に入ると、
検査の手間が3倍くらいかかります。


事例1231 「躯体腐朽」

このところ、急な予定変更、確定が多く
施工会社に振り回されています。

雨が多いので仕方ないですね。

 

■(1)今回の事例_____________

「躯体腐朽」
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◆写真解説

雨漏りによる躯体(柱、土台、筋交い)の腐朽。
室内側に気密シートの施工があると発覚が遅れることがある。

 

◆内容説明

最近は、5年以上経過してから雨漏りが発覚する例が増えています。

ウレタン吹付のケースや、室内側に気密シートの施工があると
雨漏りの発覚が遅れることがあります。

通常、雨漏りは室内に水滴が落ちるなど、目視で気づくものですが、
ウレタンが雨水を吸い込んだり、気密シートで水滴が
室内へ出てくるのを止められしまうと、発見が遅れます。

発見が遅れるほど、木が水に接する時間が長くなり、腐朽が進む。

この状態になると、修理が大変。
腐った部分を撤去し、入れ替えたり、補強します。

 

◆対策

ちょっとした異変を感じ、施工業者へ申し出ても、
たいていは、問題ないですと言われる。

何かあるかもと、納得するまで調べることが重要です。

 

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■(2)編集後記

建築知識のムック本、「ビルダーズ」
今回のテーマは「断熱・気密」

昨日、知人が売り切れで買えなかったと言ってました。
調べたところ、確かにアマゾンなど、どこも売り切れ。

設計者、工務店、施主さんの最近の興味NO1は、このテーマなんでしょう。

もちろん私は、すでに入手し、読みました。

 

不同沈下

欠陥住宅検査に行った家。床の水平を測ると、不同沈下していました。
杭が施工してあるのに沈下。
地盤調査か、杭の設計もしくは施工に不備があったと思います。

不同沈下の修理について、保証書の記載は、
5/1000未満の傾斜は、保証対象外。

最近では、地盤は必須なため、沈下するにしても
それほど大きくは下がりません。家全体で1,2CM下がる事例がほどんどです。
今回、杭の施工もあり、最大の傾斜は4,4/1000。
数字だけで判断すれば、保証対象外です。

5/1000という数字、10Mの長さの家なら5CMの沈下。
そう思うと大きな数字です。

近年、マンションの不同沈下のニュースがいくつかありました。
5/1000まで達してなくても、報道されたことで建て替えになっている例がほとんど。

施工などに過失があれば、3/1000程度でも保証すべきだと思います。

建築時にすでに傾斜していて、その内容を隠蔽していたこと、
あと1mmの沈下で5/1000になる状態で、沈下以外にも家の不具合が多く、
補修費用が建て替え費用を上回りそうなため、
建て替えを要求していく予定です。

事例1230 「漆喰のかび(外壁)」

お盆休み明けから、かなりスケジュールが混んでおりました。
1日の予定の上限を決めているものの
やむを得ず、それ以上に入れてしまう日が多かったです。

気温の高さもあり、この時期に現場予定が多いのは厳しいです。

 

■(1)今回の事例_____________

「漆喰のかび(外壁)」
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◆写真解説

これは何の写真かわかりますか?漆喰の外壁に発生したカビです。
ひび割れも全般的に発生している。

 

◆内容説明

新築してすぐ、外壁が黒くなり出し、
施工業者が原因を解明しないため、検査依頼を受けました。

同時例で裁判中の現場もあり、原因は同じかと思いましたが、
根本の原因は、下地のモルタルが薄いことで、全般的にひび割れ、
雨が内部へ浸入するためと判断しました。

外壁以外に重大な設計、施工不良が多い家です。

 

◆対策

モルタルの厚さは、防火基準にも関係する。
職人への指示の徹底と施工中に厚さなどをチェックする。

 

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■(2)編集後記

欠陥住宅検査を実施した家、
3件続けて、ひどい欠陥住宅でした。

この仕事を20年ほど行ってきて、
未だ、このような現場が無くならないのは、残念に思います。

検査で私の指摘を受け、会社ぐるみで品質改善するのは10社中1,2社。
残りは、その時だけ対応し、元通り。

6年ほど建築専門誌で施工ミスなどについて連載もしましたが、
そもそも、雑誌を読んでいるのはごく一部で、
さらに発行部数減で休刊になってしまいました。

向上心もなく、勉強もしない業者がほとんど。
最近ではSNSの影響で素人の施主の方が知識が豊富だったりします。

この状況を改善するには、行政に期待できない分、
業者自体をかえていくしかありません。

最近では、SNS上で情報がいろいろ出ています。
これらが脅威となり、品質が上がていけば良いと思います。

SNSだけでなく、TVの影響も見るようにしています。
以前告知したフジテレビの報道番組のロケ、
来月には放送予定です。

 

 

 

 

検査妨害

このところ検査妨害が相次いでおります。
7,8月で5件もありました。

20年ほど、この仕事をしてきて、初めてではありませんが、
今までは、数年に1回、あるかないかの頻度です。

事前に検査に入ることは、お客様を通じて許可を取っております。
また、着手前に現場監督へ検査の概要などを伝えてあります。
現場監督が、検査に入られると鬱陶しいと思い、
現場に来れないように、わざと工程を教えない行動に出ることが多いです。

工事中の検査は、監督の協力なしでは検査ができません。
監督の言い訳として「現場は職人任せだから工程は分からない、
現場にはめったに行かない」という回答もありました。

また、当初は検査に入ることを了解しておきながら、直前になり
「カノムの検査を受ける自信がない」と申し出た業者もいました。

現場の品質において、現場監督の質も関係してきます。
現場監督は人気がない職業で、有名メーカーを除けば
来るもの拒まずで採用しているケースが多い。

また、人材育成にお金をかけられない会社も多く、
そのあたりが現場監督の質の低下を招いていると思います。



ブラックボックス

ある大手ハウスメーカーの構造設計ミスの解明に苦労しております。

障害になっているのは「型式適合認定」。
1棟ごとに構造検査する必要がなく、確認申請が容易になるシステム。

認定の内容は、メーカーに資料開示をしてもらわない限り分からず、
おかしいだろうと思う設計がされていても、
部外者の私が根拠を示すことができません。

先日、伺った現場は、木造3階で「型式適合認定」を採用。
工事中に構造の設計変更をしており、その理由を開示してくれません。

おそらく、間違った構造計画をして、途中で気づき変更。

このケースでも、間違っているかどうかは、そこの会社しか気づけない。
確認検査機関も、認定内容を知りません。

設計する側からすれば、非常に便利なシステムですが、
ブラックボックス化されているのは、どうかと思います。

自社商品のノウハウが詰まっているため、開示が難しいかもしれませんが、
外部のチェック機能が一切働かないシステムの改善は、必要だと思います。

中間検査飛ばし

昨日、欠陥検査に行った家。中間検査が建物完成後に実施されていた。

木造住宅の中間検査のタイミングは、建て方工事後、屋根工事完了時あたり。
おそらく設計者が、完成検査申請時に中間検査を飛ばしたことに気づき
慌てて検査依頼したと思われる。
ほぼ同時期に実施する瑕疵保険の構造検査はどうなっているか、
これから調べるところです。

不思議なのは、完成後で仕上がっているため、検査不可能だと思われるが、
「中間検査合格証」が民間の確認検査機関から発行されてる。

依頼者が直接、どのような確認をして合格証を発行したのか
確認検査機関に問い合わせをしましたが、詳細についての回答はありませんでした。

もともと、あまり細かく現場を見ない中間検査。
形式的にやっている感が、確認検査機関側にもあるように思います。


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