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話し合いによる解決

欠陥検査から2年。
弁護士を入れて話し合いを続けていた紛争が和解できそうです。

家の不具合の内容はひどく、請求金額も大きい。なのに、当初より、
相手側からの強い反論はなく、激しい争いではありませんでした。
おそらく、建築業者側も裁判での解決を望んでいなかったと思います。

時間はかかりましたが、裁判を選択していたら、解決はさらで先で、
金額もかなり低くなる判断だったと思います。

依頼者は、弁護士と私にほぼお任せで、自己主張を控え、
決して焦らなかったことが、結果としてよかったと思います。
新たな紛争依頼が多い中、解決する現場が出るとホッとします。

適正な検査料金

ここ最近、数名のお客さんから、
他社に比べ検査料が安いですねと言われました。

普段、気にしていないため、どのくらい違いうのか、
検査会社としては大手の会社と、創業して間もない、
個人経営のところを見てみました。

大手は、会社の経費、広告代を考えれば妥当で、
基本的な料金算定は、弊社とあまり変わらないと思います。

弊社は3年くらい前から、ネット広告をやめています。
開業した当初(2000年前半)は、ネット広告に費用をかけていました。
近年の価格の高騰傾向でネット広告をやめたのではなく、
広告を出さなくても、紹介などで依頼が十分来るようになったため
広告の配信を止めています。

後者の方の料金設定は、全体的に高く、オプション検査の
いくつかは、私の考えでは、ぼったくりレベル。
同業他社の値段を参考にしていると思いますが、
初めの頃は、不慣れなため、検査の質が高いとは思えません。
安く始めて、質の向上の応じて、値段を上げていくことが
値付けの基本だと思います。
とは言え、値付けは自由なので、本人の考えで良いと思います。

安いと検査の質が低いと思われることもあります。
材料費のかからないこの仕事は、食事や製品などと違い、
価格の判断が難しいです。

検査内容、項目、使用機材などで比べることはもちろん。
誰が検査に来るのか、業者に対し言いたいことが言えるかが重要です。
きちんと検査ができても、業者の顔色をうかがい、また、反論を恐れ
指摘をなかったことにしては意味がありません。

この業界もDXへの取り組みが進んでいます。
AIによる判断、5Gの普及、スマートグラスの性能向上による遠隔検査で
価格は下がり、検査会社選びの基準もかわるでしょう。

ただ、全てが置き換わるのではなく、欠陥住宅検査など
一部は、今までどおりだと思います。

弊社としては、遠隔検査の体制を可能であれば、
早めに取り入れたいと考えております。

事例1239 「基礎梁未施工」

書類作成、事務作業のため、週に1日か半日は、
事務所にいる時間を確保するようにしています。
とはいえ、なかなか実行できず、ここ2週間ほどは、
出張なども多く、事務所にいる時間がかなり少なかったです。

今年もあと残り1ケ月ほど、来月もこのペースが続きそうです。

 

■(1)今回の事例_____________

「基礎梁未施工」
______________________ 

◆写真解説

1階耐力壁下(赤囲い部)に基礎梁(基礎の立ち上がり)がない。
図面どおりの施工でもなく、瑕疵保険などの検査で指摘を受けないのが不思議。

 

◆内容説明

1階の土台下には、連続した基礎の立ち上がりを設ける必要がある。
木造住宅の基本的な構造規定であるにもかかわらず、1年に1,2件
このような、おかしな基礎を検査で見る。

2階建ての住宅のため、確認申請で構造はチェックされません。
けれども、瑕疵保険の方で、基礎のチェックが入っているはず。
これで合格を出しているとすれば、検査に問題があります。

 

◆対策

2階建て住宅の構造審査省略を無くす動きも出ていますが、
いつになるかは、現時点では分かりません。

住宅の場合、設計事務所に依頼したとしても
構造担当は外注になるケースが多い。

外注先を自ら見極めるか、第三者に構造図面をチェックしてもらう。

 

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■(2)編集後記

今月は完成検査が多く、多くの現場で指摘に対する是正写真を求めています。
しかしながら、半数以上の現場で写真がなかなか出てきません。

対応が遅い理由は、最終代金を回収したので
対応が後回しになっている。

 

最終代金を払わないとカギをもらえないため、
渋々払うと、いろいろ対応をしなくなる。

対応をしないことを懸念し、最終代金を止めると
弁護士から内容証明が来る。

払っても、払わなくても施主側のリスクが高い。

業者選びを適正に行えば、こういった懸念はありません。

 

 

完成時の指摘

先週あたりから完成物件が多いです。
昔は、12月、3月、9月などが完成の多い時期でしたが
最近は1ケ月早くなっている印象です。

完成検査で指摘の多いもの(最近のデータ)
1,床下断熱材のたれ
2,ユニットバス区画だけ基礎断熱仕様のケースで
  配管貫通部、人通口の蓋の隙間処理ができていない
3,省令準耐火構造の仕様の場合の施工不備
4,床下点検口まわりの断熱材未施工
5,鋼製束のナット締め未施工

1の断熱材のたれは、4件連続で指摘しています。
また、指摘の数も今月は、全ての現場で多めです。

引き渡し時に申し出ないと、修理対応しないといった
契約内容になっているケースもある。

大半の会社は、社内検査で床下に入らないため、
完成時に床下など見えない箇所を点検することが重要です。

木造建築物の高層化

日本で木造建築と言えば、3階建てまでが一般的でした。
最近は、4階以上も珍しくなく、木造のビルも注目されています。

一昨日、TVニュースで木造のマンション、ビルが取り上げられていました。
懸念される強度、防火性、防音性について、
あるメーカーが十分クリアしていると説明していました。

確かに正しく施工をすれば、そのとおりだと思います。
ただ、性能を確保するには、丁寧で細かな作業が必要で、
きちんとした現場管理が重要になります。

このメーカーの現場で、手抜きにより耐震強度、防火、防音性能が
確保できていない現場があります。
不具合の検証の結果、職人任せで管理されていないのが明らかになっていて、
この会社の施工不良率は相当高いと思います。

CO2削減などをうたい文句に、今後、木造の構造建築物が
確実に増えていきます。

供給が増えれば、欠陥問題がいろいろ出てくると予想しております。


事例1238 「構造金物のビスが効かない」

明日から出張が続きます。
行きっ放しではなく、行って帰っての繰り返し。

長距離移動が大変ですが、名古屋に戻った時のスケジュールが
よりきつくなるので、しばらく時間の余裕がなくなります。

 

■(1)今回の事例_____________

「構造金物のビスが効かない」
______________________

◆写真解説

柱脚の構造金物のビスが、梁の座彫り部を貫通。
ビスの効きが悪く、耐力不足

 

◆内容説明

大地震時に柱の引き抜きを防止する金物。
大きな力がかかる箇所は、ビスの長さが長い。

写真は、梁の座彫りの空洞にビスを施工している。
施工する大工さんは気づくはずですが、
指摘をしないと直さない。

このような施工不良があれば、大地震時に柱が抜ける恐れがある。
柱が抜けると、家が倒壊する。

 

◆対策

外部に構造用面材や防水紙が貼られると、確認が難しい。
座彫りがない、ピン接合などを選ぶか、
金物取付位置を、図面に記入する。

 

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■(2)編集後記

完成してから、家が希望した性能になっていないという事例が多いです。
原因としては、設計者、施工者の知識不足と図面情報不足。

弊社の個別相談では、希望をヒアリングをする中で
図面などをチェックし、希望と違う場合は、指示を出せます。

最近はコロナ過の影響で、面談が減っているため、
ヒアリングシートを作成し、希望が反映されているか
チェックできるようにしようかと思います。

契約書も、民法改正前の約款を使っている会社があるので
チェックした方が良いかもしれません。

 

 

 

間違った情報

検査に伺った際など、お客さんが持っているネット情報の資料を見ると
その情報は間違っていますよというものがある。

ネット上での情報は日々、増え続け、今では文章に加え
動画まであります。

実は、TVでも内容が正確でないことが、多々あります。
(放送前にチェックを求めてきますが、
局の都合のよい表現になることがあります)

ネットの場合は、私も含め、私的な発信のため、
当然、情報の信憑性はさまざま。

どの情報を選ぶかが、今の時代、とても重要です。


事例1237 「外壁通気層の結露」

本日検査に行った現場。
アキュラホームの基礎屋さんとタマホームの大工さんの仕事が
エクセレント(超優良)でした。

優秀な職人さんに当たった施主さんは幸せです。

 

■(1)今回の事例_____________

「外壁通気層の結露」
_______________________

◆写真解説

天気が続いているにも関わらず、外壁下から水が出てくる。
原因は、通気層内で結露が発生している。

 

◆内容説明

気候は秋ですが、夏のような暑さの朝9時頃に撮影した写真。
防水紙やサイディング裏面で結露した水が下に落ちている。

外壁通気層の上部が閉ざされていて、水蒸気が溜まる構造。
外壁通気層内は日射の影響で、気温の変動が大きい。
空気が乾いていれば良いが、湿っている場合、
大きな温度変化で結露が起きやすくなる。

湿った状態が続けば、木躯体の腐朽の原因となる。

 

◆対策

通気層の上部に空気の出口を確実に設ける。
(通気層内は換気ができていたとしても、
夏場は湿った外気を入れるため湿気やすい)

 

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■(2)編集後記

先月あたり、休日や時間外にメールを送信すると、
時間外労働を強要するみたいな記事を読みました。

パソコンだけでメールをやっていれば、問題ありませんが、
最近は、メールをスマホへ転送している人が多いと思います。

それを考えますと、いくらメールといえども、
送信する時間帯を考えるようになりました。

 

事例1236 「土台施工不良」

朝一番で投票に行ってきました。

支持政党は特になく、主に新聞からの情報で
誰に、どこの政党に入れるか判断しました。

 

■(1)今回の事例_____________

「土台施工不良」
_______________________ 

◆写真解説

基礎の水平精度が悪く、基礎パッキンの調整板だけを複数重ね
(写真は7枚)水平を調整し、土台を載せている。
正しい施工方法ではなく、構造耐力的に問題がある。

 

◆内容説明

基礎断熱の高気密仕様の家。
基礎の天端の水平精度を出さずに土台を敷くことはあり得ない。
もともとの施工計画がこれなら、知識があまりに無さすぎる。

正規のやり方で基礎パッキンを用いる場合においても
調整板は2枚までとなっている。したがって、
単体で複数枚の使用は、構造的に問題があるのは明らか。

また、高気密を目標にするなら、
土台と基礎間は気密漏れがないように、気密パッキンなどを入れる。
すき間をウレタンで塞いだだけのため、気密も低い。

土台部分であり、あとから修理が実質不可能。
検査書類には、基礎の重大瑕疵もあり
修理方法は「建て替え」と書きました。

 

◆対策

この方法が誰もダメだと気付かなかったのが不思議。
無知な業者に依頼しない。

 

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■(2)編集後記

関東の〇〇県での裁判。
調停委員が選任され、いきなり、明らかに間違った持論を言い出し、
とても驚きました。

私の想像ですが、実務を30年ほどやっていないか、
住宅の現場を全く知らない。

この方に住宅の建て替え裁判の判断を任せても良いわけがありません。
このようなことが珍しいかと言えば、そうではなく
私から見て、まともだと思える方の方が少ないです。

実務に精通し、知識の豊富な方は、本業が忙しく、
引退か、ゼミリタイアしないと
わざわざ裁判所の仕事をやらないと思います。

調停委員の交代、もしくは1名追加を弁護士から求める予定です。

 

今年何度目かの建て替え要求

結構な手間をかけ、欠陥住宅検査の書類を一つ完成させました。

RCレーダー検査の結果、基礎の鉄筋は図面より少なく、
また、基礎の設計が規定どおりでない。
その他に、基礎梁の欠落、土台緊結不良、構造材の木部の湿り、
カビ発生などもあり、建て替えが必要なレベルの家。

今年に入り、確か4件目の建て替え要求です。

多くの欠陥住宅を見てきて、その根本の原因を考えると、
設計者や施工者が、基本的な規定などを理解していないケースが多い。
つまり、規定を十分に知らないまま、仕事をしている人が大半だと思います。
大手のように専門部署を作るか、仕事の数を大量にこなし、仕事しながら
覚えていくか、もしくは、自分から勉強しないと知識は習得できない。

そんな状態でも商売として成り立つので、消費者にとっては恐ろしいです。

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2015年4月号~2021年4月号連載
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