事例337(勝手に基礎を省略された)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 岐阜の田舎に住む職人は、年始は10日くらいまで
 休む風習があるようです。
 
 私も今週は、現場の予定が少なく、
 昨年やり残した事務仕事を片付けています。
 
 チェックシートなどの改定も
 早々に終えています。
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「勝手に基礎を省略された」
 ________________________
 
 337

 

 
 
 ◆写真解説
 
 設計図に記載されていた基礎(赤部分)を
 現場で省略した。
 
 設計図どうりでない施工に問題があると共に、
 スラブ配筋を強くしないといけない。

 
 ◆内容説明
 
 通常、瑕疵担保責任保険ではベタ基礎の設計に
 ベタ基礎配筋表を用いる。
 
 ↓財団法人 住宅保証機構のベタ基礎配筋表
  ページの中間くらいにあります。
 http://www.how.or.jp/seinou/gijyutsu/shiyou16_6.html
 
 その配筋表に沿って設計された基礎が
 現場の判断で勝手に省略された。
 
 
 配筋表は基礎で囲まれたスパンの長さによって
 スラブの配筋を決めるもので
 基礎が省略されれば、当然スパンは長くなり
 スラブ配筋量は増える。
 
 
 無知な業者ほど
 ベタ基礎の意味を理解していなく
 柱や壁がない箇所の基礎を、省略することが多い。
 
 
 実は、瑕疵担保責任保険を使っても
 この表を使うことが、強制されているわけではない。
 
 設計者が判断すれば、表どうりでなくてもいいという
 業者にとって、都合のいい逃げが設けられている。
 
 つまり、基準法(H12告示1347号)を守っていれば
 写真の基礎でも問題はない。
 
 ただ、最初から図面に記載されていたり、
 長期優良住宅を選択すると
 配筋表を守らなければならない。
 
 
 ◆対策
 
 図面どうりに施工されていない、この写真の現場、
 何故か、瑕疵担保の基礎検査は合格している。
 
 ツイッターで、先月すこしつぶやいていますが
 保険法人7社中、
 きちんとした検査ができているのは1社だけ。
 
 それでも、何か問題があれば、業者の圧力には屈する。
 
 
 業者から入れる検査を絶対的に信用しないこと。
 
 間違いのない設計士、施工業者の選択と
 黒いものを黒と言える建築士に検査してもらうこと。
 
 
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■(2)編集後記
 
 
 業者とトラブルになるケースの相談を受けた時、
 その業者と、契約をした理由を聞く。
 
  答えで、一番多いのが
 
  「紹介」
 
 中には、中立な立場の業者が主催するセミナーで
 業者をあっせんされ、決めたケースも少なくない。
 
 
 
 「紹介者を信じ、自分では深く考えない」
 
 一生に一度。
 数千万円という高額な買い物。これでよいのか?
 
 厳しい言い方をすると、
 自己責任の意識が低く過ぎます。
 
 
 アーバンコーポレーション事件のような金銭問題。
 欠陥住宅の問題などのリスクを、どう排除するか。
 
 これらの問題において、保険がベストな解決方法というような
 記事が、本日の中日新聞に掲載されていました。
 
 業者の数が星の数ほどいる業界。
 また、無登録など抜け道がある中で、
 保険だけでは、完全な保護は難しいと思います。
 
 
 
 株式投資などで、損したら自己責任であるように
 
 家購入も、紹介や保険に頼らず、
 自分の頭で考えることが大切です。
 
 
 私のところに、いくつか候補をあげて、
 どの業者と契約したらいいか、相談に来る人がたまにいる。
 
 私は過去の検査実績の積み重ねから
 契約しないほうがいい、業者を教える。
 
 つまり候補から消去させるだけ。
 
 どの業者も一長一短あるし、100点満点の業者はいない。
 自己責任で最終判断してもらいます。
 
 
 情報収集は非常に大事ですが、
 中には、成約時の紹介料目当てで、データの積み重ねもなく、
 特定の業者を薦めてくる紹介者やセミナーもあります。
 
 くれぐれも注意してください。
 
 
 
 
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