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事例1287 「基礎立ち上がりかぶり不足」

今年のGWは、久しぶりに出かける人が多かった
ようです。

名古屋からどの方面に行くにも、高速が大渋滞する
ため、1,2日以外は検査予定を組みませんでした。

 

■(1)今回の事例_____________

「基礎立ち上がりかぶり不足」
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かぶり不足

◆写真解説

ベタ基礎立ち上がり、かぶり不足。
基礎幅が150mmでも、フック(縦の鉄筋上部の折り曲げ)
があると、かぶり不足になりやすい。

 

◆内容説明

ベタ基礎の立ち上がりのかぶり不足は、普通の配筋仕様で
あれば、起きる確率は少ないです。

写真のようにフック付きであったり、フックがなくても
幅が120mmですと、かぶり不足が起きやすくなります。
また、鉄骨系ハウスメーカーは、木造に比べ、かぶり
不足の指摘率は高い傾向にあります。(弊社のデータ)

設計図書にかぶり厚の記載がある場合は、その数値以上。
記載がない場合は、建築基準法施行令の数値以上必要。

 

◆対策

かぶり不足は主に耐久性に影響します。あとからでも
非破壊試験で確認できますが、コンクリ―トを打設する
前にチェックする。

 

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■(2)編集後記

ハウスメーカーのイメージランキングの記事を
連休中に読みました。
(参考にならないデータなのでリンクをやめます)

順位は、現実との差が非常に大きいです。
アンケート対象者は、家を検討中の方に絞ってなく、
大半は、TVCMなどのイメージで答えていると
思われる結果です。

この結果から分かることは、ハウスメーカーに関心
がなく、家購入の際、TVCMのイメージだけで
決めてしまうと、住んでからの後悔が大きくなる。

今の時代、SNSなどをチェックするだけで、
TVCM等の嘘を見抜けるようになります。

業者選びは重要です。失敗しないため、情報収集に
努めましょう。

 

 

TVのロケ

今週初め、TVのロケを行いました。
番組名はCBCテレビのチャント。
放送は今月中旬の予定です。
(ゴゴスマでも放送される可能性があります)

今回、私の撮影時間は約2時間。
ブランクがありましたが、手際よく進みました。

コロナでの中断期間が長かったため、来月も
1本撮ることが決まりました。

今回は、名古屋の工務店。次回は、有名メーカー
が撮影対象です。

重大な過失を犯しておきながら、逃げ切ろうと
する業者を、今後も撮影対象としています。


YKK APW 下枠のたれ

大人気のYKKの樹脂サッシAPW。
引き違いタイプの網戸と外側の障子の枠は、壁から
持ち出された位置にあるため、自重で下枠が垂れ
やすい。(内側の障子は土台、窓台の上)

そのため、下枠には垂れを防止するブラケットが
付きますが、施工不良があると意味がありません。

この下枠の垂れによる建付け不良で紛争になっている
現場の立ち合いをしてきました。

当初、YKKは枠の垂れを認め、サッシを交換しますと
言ったにも関わらず、大手ハウスメーカー側の圧力で、
問題ないという回答に変わりました。
明らかな施工ミスがあるにも関わらず、交換となると
修理が大変なため、代理人を立て、逃げています。

YKKが自ら計測するというので、精密な専用の計測
機械が出てくると思いましたが、一般的な機材での
計測でした。

測り方を見ていると、計測自体に不慣れな感じで、
機材の取り扱いも雑。メーカーとして品質管理専用
の計測機材を開発すべきだと思いました。

YKKの社員は、お客様の家に上がるのに、名刺もない
社員証も持ってこない(ないと言うように指示されて
いたかもしれません)。計測する人は、数字を何度言
っても小さな声でしか読まないですし、私が質問や
指摘をすれば、イライラする態度を見せるなど、
敵対心むき出しでした。

樹脂サッシブームで、取り付けは慣れてきていますが、
慣れない人が付けると、未だ不具合が起きることが
多いです。施工で気を付けるのではなく、メーカー側
も商品改良をして欲しいと思います。

事例1286 「気密点検口上の隙間」

この連休中に、TVのロケを入れました。
時間がかかり過ぎるロケは、基本NGとしてますが
今回は、慣れたディレクターさんが担当するので
OKです。

今回も、かなりひどい欠陥住宅の家を撮影予定です。

 

■(1)今回の事例_____________

「気密点検口上の隙間」
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気密断熱点検口

◆写真解説

ユニットバス基礎断熱部の断熱気密点検口。
上部に隙間があり、気密部材としての役割を
果たしていない。

 

◆内容説明

ユニットバス部のみ基礎断熱のケースで
人通口に取りつける点検用部材。

基礎の天端と合わせるため、現場で天端をカット。
丁寧にカットしていないため、斜めになり、隙間が
空いた。

部材自体は、最近モデルチェンジし、気密性能も
高まりましたが、今回のように施工不良があれば、
気密性能を悪くします。

 

◆対策

完成時までに、取り合いの隙間を確認する。

 

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■(2)編集後記

この年齢で、最後の1本の親知らずを抜歯しました。
歯周病予防のため、定期的に歯医者さんに通院して
いて、今回、そろそろ抜いた方が良いと言われ、
抜歯しました。

歯が外に出てなく、歯茎内に埋まっていたため、
抜歯は、かなり歯科医の手を煩わせました。

そのため術後は、顔が結構腫れて、その日の夕方
のリモート打ち合わせは、マスクで顔を隠しました。

その後、腫れの範囲がのどまで達し、歯茎の痛み
より、のどの痛みに数日間、苦しみました。

 

 

検査機材、バージョンアップ

基礎の鉄筋を調べる電磁波レーダのバージョンアップ
をしました。

最先端技術を搭載し、探査の性能が大幅アップ、
従来機に比べ、高度な解析ができるようになりました。

価格は高額ですが、当面は検査料金を据え置く予定
です。(欠陥住宅検査、完成検査のオプションなど)

非破壊試験に対し、相手側から、信頼がないとよく反論
されますが、国土交通省への登録や日本非破壊検査協会
規格等も取得している正確な測定ができる機材です。


第三者検査拒否

一部の大手メーカーを中心に、工事中の第三者検査を
拒否する動きがあります。

メーカー側の話を聞くと、「レベルの低い検査員が
増えた」ということが主な理由です。

検査員歴20年超の私が、情報をまとめ、推測した
原因は以下です。
検査員(インスペクター)の民間資格を出している
組織があり、そこの資格を取ったあと、検査業務を
副業として、始める人が増えていることが原因だと
思います。

建築士であれば、誰でも取れるような民間資格。
座学を中心に学んだ知識で、いきなり質の高い検査は
不可能です。

おそらく今後、検査を禁止、もしくは、対応費用を
請求されるケースが拡大し、新築工事の検査が激減
していくと思います。

このことにより、欠陥住宅が増加すれば、
資格を出している会社の目的がずれてしまいます。

 

 

無責任

最近2件ほど、相手側から指摘内容を全否定する
準備書面が出てきた。相手が徹底的に裁判で争う
姿勢の場合は、このパターンです。

業者は、欠陥住宅を建てておきながら、反省はなく
施主さんを憎んでいるようです。
責任を全く取らない会社に、家を建ててもらいたく
ないですね。

責任を取らないと言えば、役所も同じ。
民間検査機関のミス判断を相談したところ、
行政は、民間検査機関のジャッジに関与しないと
いう回答でした。

ちなみにミスかどうか尋ねたところ、間違いですね
と行政の担当者は回答しました。


セミナーのご案内

石川県白山市の福田温熱空調さん。
https://fokk.jp/
石川県だけでなく、過去、東京や長野、最近では
岐阜の現場でお会いしてます。

数字が分かれば良い気密測定に、施主さんが交通費を
出しまで福田さんを呼ぶのは、普通の気密測定業者と
大きな違いがあるからです。

その福田温熱空調さんと私のセミナーが開催されます。
5月14日(日)13:15~16:30 石川県野々市市交遊舎
入場無料 収容人数は200人です。

今、流行りの省エネ、耐震に関することやカビ、欠陥
住宅のことなど、これから家を建てる方にとっては、
是非、知っておきたい情報ばかりです。

特に私の話は、拡散されると問題になる内容もあり
リモートは行いません。

主催は、石川県で高気密高断熱の家を設計、施工する
株式会社CONCEPT建築設計 一級建築士事務所
https://hashi-net.com/

気密0.5c㎡/㎡を目標とする業者が多い中、0.2c㎡/㎡
以下を標準としている会社です。

お問い合わせ先 076-240-8491 
(株式会社CONCEPT建築設計)

動画公開

先日、撮影しました動画が公開されました。
弊社の宣伝は一切、要らないと伝えましたが、気を
利かせて宣伝していただいています。

内容の補足
建築条件付きの契約のため、金額は、土地込みの値段。
愛知県でも人気がある市で、地価が比較的高い場所。
土地代の割合が高いです。
1棟は自宅、もう1棟は収益用の建物です。

構造計算ミスの話をしています。
2棟共、木造3階。構造計算が必要で、耐震等級3の
ミスだらけの計算書が確認申請に添付されている。

当初、行政から紹介された弁護士とトラブルになった。
その弁護士から紹介された建築士は、現場を見て問題
ないと判断した。

次に、頼った偽建築士は、そもそも知識が少ないため、
現場を検査して、瑕疵はないと判断している。

業者以外ともトラブルになり、無駄な時間と費用を
使ってしまった。

現在、ようやく裁判が始まるところまで来れました。

事例1285 「天井断熱材の裏表が反対」

お客さんの代わりに業者が検査代を払うケースで、
担当者によっては、弊社を下請け扱し、上から物
言ってくる偉そうな態度の人もいます。

おそらく下請けにも同じ態度で接し、下請けが
反発し、品質も良くならないと思います。

 

 ■(1)今回の事例_____________

「天井断熱材の裏表が反対」
______________________ 

天井断熱材

◆写真解説

天井に施工した断熱材(グラスウール)の向きが逆。
本来は文字の記載がある防湿材側を室内へ向ける。
(写真は小屋裏から撮影)

 

◆内容説明

防湿材付のロックウールで、裏表の区別が理解でき
ていないケースが未だあります。

断熱材は全周、ビニールシートに覆われていますが、
防湿層の役割をしない表以外は、
小さな穴があいています。

通常、文字がある方が防湿材(表)で、壁、天井とも
室内側に向ける。

 

◆対策 

石膏ボードを貼る前に断熱材の施工状況をチェック
する。天井面は、屋根裏に入ることが可能であれば、
いつでも確認できます。

 

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■(2)編集後記

先回紹介しました欠陥住宅被害者の意見。
具体的な内容を紹介します。

一つは、住宅瑕疵担保保険会社に関することで
保険会社に対する情報開示、施主への説明義務の
強化を求めています。

業者が保険を使って直すと言っても、保険会社が
思うような対応をしてくれないケースが多いです。

二つ目は、住宅メーカー選びの注意点。営業を信用
してはいけない。施工基準をあらかじめ明快にして
おくなど。これは、分かっていても、相手のペース
にはまり、なかなか出来ることではありません。

三つ目は、自分でも現場をチェックし、必要に応じ
て第三者に検査を依頼する。

その他、建材の乾燥を徹底、裁判は施主側に不利
などの内容です。

家を建てて、100%満足するのは難しいとしても
事前の対策を講じることで、
不満の割合をできるだけ少なくすることは可能です。

 

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