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事例1279 「天井石膏ボード未施工(省令準耐火構造)」
先週、急カーブ、急勾配の山道を近道として選択。
平地は雨でしたが、標高の高い場所は雪で、15
CMほど積雪してました。
昨年3月も道の選択を間違え、大雪の中、高速
道路の通行止めぎりぎりで帰ってきたことがあり
ます。
雪の予報がある時は、近くても標高の高い道路を
選択してはいけないですね。
■(1)今回の事例_____________
「天井石膏ボード未施工(省令準耐火構造)」
______________________
◆写真解説
省令準耐火構造仕様の家。
ユニットバス部の天井石膏ボードが張られていない。
施工者の知識不足。
◆内容説明
最近、省令準耐火構造の施工不備は減っています。
それでも、第三者検査に入られたことが無い業者は
基準を理解しないまま施工しているケースが多い。
写真は、ユニットバス部の天井。石膏ボードの施工
がない状態は基準に適合しません。壁も同様です。
◆対策
省令準耐火構造は、役所や保険の検査ではチェック
してもらえません。
完成してから指摘をすると修理が大変なため、業者
に知識がない場合は、工事中にチェックを入れる。
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■(2)編集後記
有名なメーカーや設計事務所などの知られたくない
情報をたくさん知っています。
仕事上、情報を得る機会が多いためで、おそらく、
私以上に情報を持っている人は、少ないと思います。
これらの会社、事務所への依頼を検討している方に
とっては、ものすごく価値がある情報ですが、重大
な件は、「秘密保持契約」にサインさせられている
ため、公表することはできません。
最近、SNSでの情報拡散が早いため、企業側も不祥事
を隠すのに必死になっています。
住宅瑕疵担保責任保険
欠陥検査で構造瑕疵が発覚。
施工者が廃業しているため、保険会社へ弁護士から
保険適用になるか問い合わせをしたところ、
「実際に何か現象が起きていなければ対象外」との
返事が来た。
構造耐力に関しては、大地震などが来て壊れないと
保険の対象にならないようです。
それでも、大地震時に破壊した場合は、住宅瑕疵担
保責任保険ではなく、任意で契約する「地震保険」
を使うことになります。
構造でも、耐力壁が雨漏りで腐朽するなどのケース
は、雨漏り被害の現象が起きているので、保険適用
になります。
構造に関して、保険でのバックアップは期待しない
方が良いです。
耐震等級3
トルコ地震の被害状況を、昨日TVで見ました。
想像していたより、建物がひどく崩壊しています。
倒壊の原因は、おおよそ予想が付きますが、詳し
い情報を拾っていきたいと思います。
日本の住宅においては最近、SNS等の影響で、
耐震等級3の仕様が増えています。
等級3は最高等級。同じ等級3でもぎりぎりの家
、5割増し強い家など、耐力に幅があります。
大手メーカーは、耐震等級3が標準仕様になって
いる会社が多いですが、大半は、ぎりぎりで設計
されています。(何社か、計算書の結果を確認し
てます)
別の言い方をすれば「経済設計」。売値、原価を
抑えるため、そのようなシステムになっている
ようです。
ぎりぎりの設計は、構造部材の耐力が机上の数値
より劣る場合や施工不良、計算や構造図と現場の
不整合等による耐力低下をカバーできません。
(実質、耐震等級3の性能がない懸念があります)
1,2割くらいの安全率を見込むべきだと思います
が、そのような考えはないようです。
既存住宅の耐震改修工事計画では、どのくらいまで
耐震性を上げるか、数字で示すことが多いです。
(基準の3割増しなど)
安全率を上げるほど、コストがかかりますが、選択
ができるので、建築主も納得できます。新築におい
ても、建築主が構造耐力の安全率を選択できると良
いですね。
紛争処理
今現在、紛争処理をサポートしている物件のうち、
一昨年、検査した現場にたくさん動きがあります。
話し合いの最中、これから裁判、裁判途中と状況
は、いろいろです。
指摘内容にもよりますが、住宅紛争は、解決までに
時間を要します。最近、話し合いに参加した現場も、
検査してから2年。未だ、合意に至っておりません。
同じく2年前に検査した現場の裁判が、延期になり
ました。
裁判所の判断がかなり偏っているため、延期を期に
状況が変われば良いと願っています。
15年ほど前も、今回と同じ理由で、裁判が延期に
なった現場があります。判決をもらう直前、家自体
に明らかな異変が生じ、それを追加主張したところ、
裁判所の判断が覆りました。
延期がなかったら、裁判で負けていた可能性が高く
依頼者の運を強く感じました。
冬の備え
今日の欠陥住宅検査の場所は、山中の現場と認識
していましたが、その地域は、あまり雪が降る印象
がなく、天気予報も3月上旬の気温と言っていたの
で、雪の警戒をしていませんでした。
現場に近づくにつれ、積雪しているところが増え、
現場へ上がる細い山道は、アスファルトが完全に
雪で覆われていました。
スタッドレスタイヤが役立ったのは今季2回目。
豪雪地帯に呼ばれても、行けるような装備をして
おります。
現場は、ほぼ終日、弱い雪が降っていました。
最高気温は2度。広い床下を動き回っても、汗を
かかない、非常に寒い一日でした。
品質管理の実施具合
先週、完成検査で伺った現場。明らかに床下含め
社内検査を細かくしていることが現場を見て分か
りました。
良い例なので施工者名を出すと「秀光ビルド」
支店や担当者、職人によって、ばらつきがありま
すが、会社として、品質管理に力を入れている
ようです。(昔、マスコミに欠陥住宅で叩かれた
ことで、再発防止策を講じていると思います)
その一方で、ある躍進中の会社は、社内検査が
行われていません。監督が忙しいため、検査を
する時間がないようです。
今、品質管理ができていない会社は、来年、残業
規制が開始されると、より品質が疎かになるので
はないかと懸念しています。
一条工務店の省エネ性能
本日、一条工務店さんの現場の完成検査に行って
きました。
外気温がマイナス2℃。床暖房を入れてすぐでし
たが、一晩おいても、前日の暖かさが残っていて、
室内は検査スタート時から暖かかったです。
検査時も床暖房だけの稼働で十分暖かく、驚いた
のは、ユニットバスの床にも床暖房が入っている。
何度か検査に入ってますが、知らなかったです。
↓ユニットバスの床暖房、
赤外線サーモグラフィーカメラ撮影
実績があるだけに、いろいろよく考えられています。
また、改良も頻繁に行われています。
他所の会社が真似しようとしても、床暖房はじめ、
独自の物が多いので、なかなか真似ができません。
事例1278 「先張りシート、施工不備」
来週は、猛烈な寒波の影響があるようです。
ちょうどその頃、出張を2件、組んでおり、
移動に影響があるかもしれません。
直前に延期するかどうかの判断をする予定です。
■(1)今回の事例_____________
「先張りシート、施工不備」
______________________
◆写真解説
あと張りの先張りシート。雨漏りしやすい取り合い
部の防水補強のためのシートで、文字通り、屋根組
より先に施工する。
施工手順が違うため、必要な箇所(赤丸部)がカバー
されていない。
◆内容説明
屋根の取り合いの端部は、雨が漏りやすく、その部分
に施工するには、屋根を組む時点でシートを入れない
といけない。
先に施工するため「先張りシート」という名称になっ
ていると思います。
必要性は知ってはいるものの、躯体組み立て中に施工
する習慣がなく、あとからの施工になる例が多い。
予防的に施工するもので、結果として雨漏りしなければ
シートが未施工でも問題はありませんが、雨漏りリスク
を回避したい施工者側にとっては、重要な施工です。
◆対策
施工手順を躯体組み立て前に確認する。
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■(2)編集後記
高気密、高断熱仕様で、不具合が生じている家のカビ、
室内環境の修理案を頼まれています。
できるだけ費用を抑えるため、既存のものを利用し
ようと考えていますが、熱交換など空調機械のメーカー
は「部品のみは売らない、他のメーカー品との組み合わ
せは保証しない」など協力する気がありません。
複数のメーカーに問い合わせしましたが、全て断られ
ました。
不具合の生じている家に関わりたくない、メーカーが
多すぎます。
建築工事標準仕様書・同解説 JASS5改定
昨年末、建築学会が著作、発行する建築工事
標準仕様書・同解説JASS5
(鉄筋コンクリート工事)が改訂された。
早速購入し、改定内容などを確認したところ、
「住宅基礎用コンクリート」が削除されてい
ることに気づいた。2009年改訂版で、「簡易
コンクリート」から名称変更になり、本改訂
前の2018年版までは記載があった。
記載がなくなったということは、住宅用と
して、分けなくなったと取れます。
今まで分けられていた意味は、ビルなどと
同等では、不経済であり合理的でないという
理由があったと思います。
監督が現場に常駐しない、また、人手不足に
加え、技術者教育も十分できていないケース
が多い現状の住宅業界で、今回の「住宅基礎
用コンクリート」の削除は、設計や施工に
どう影響していくでしょうか。
引き渡し拒否
建物が完成(実際は内部仕上げ工事の大半が未施工)。
確認申請の検査済証も下り、請負代金も払い、登記も
完了、それでも請負業者が建物を渡さない現場があり
ます。
渡さない理由は、追加代金の未払い。
追加代金と言っても、引き渡し間際に請求されたもの
で、金額も一千万超。
自社の打ち合わせ、設計ミスによるものの補修費用と
安請負した結果、下請けからの請求を締めると、利益
が無いことに気づき、利益分を請求していると思われ、
施主にとっては納得できる内容ではない。
正式な引き渡しがなくても、建物に住んだ上で、
追加代金の争いをすれば良いですが、住めないまま
争うと、家賃と住宅ローンの2重払いが続きます。
また、登記もされているので、住まないまま、築年数
が増え、家の価値が下がります。
話が進まないまま、すでに1年半経過。相手の出方に
よっては、さらに長期化する可能性もあります。
完成時の高額な追加請求は、過去に多くありましたが、
杜撰な業者は淘汰され、最近では珍しくなっています。
それでもある一定数は存在するので注意してください。
有限会社カノム 名古屋市守山区小幡南三丁目20-28 シャトー小幡駅前 303
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