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瑕疵保険の基準
住宅瑕疵担保責任保険法人が、設計施工基準を出
しているにも関わらず、基準以下の設計でも、図
面審査で指摘をしないようです。
基準以下の家を欠陥検査で指摘することが、たま
にあります。
裁判所も保険基準を重要視しないなど、何のため
の基準か前から疑問に思っております。
保険制度は良いことだと思いますが、それが欠陥
住宅の防止策になっていないのは明らかです。
安全できちんとした家を造るには、国の制度に
期待しない方がよいです。
出張WEEK終了
この1週間、遠方の検査が続き、夜遅く帰り、翌朝、
早出の繰り返し。飛行機、新幹線、車の全移動距離
を合計すると約8千キロになります。
ある程度、先送りも考えましたが、どの物件も急ぎで
検査が集中しました。
出張先の現場に行くと「遠方から来ていただいてあり
がたい」と感謝の言葉をよくかけられますが、反対に
遠方にも関わらず、呼んで頂いて光栄に思っております。
私自身、移動を苦にしていないため、どこであろうと、
依頼があれば伺います。
裁判所の判断
建て替え請求をしている裁判で、専門委員がおかしな
判断をしております。よくあることですが、今回のケ
ースは完全な誤り。構造に関する重大な基準法違反を
問題ないと判断してます。
この裁判、当初から、地方で行っているので、嫌な予感
がしてました。予想どおり、付いた専門委員(建築士)
がダメでした。
たまには良い判断もあるので、裁判を勧めるのをやめ
ませんが、こういった判断が続くと、裁判外で解決し
ていくしかありません。
20年くらい裁判サポートをしておりますが、
裁判所の判断は、今も昔もかわりません。
久しぶりのセミナー
今日、久しぶりに大勢の方の前で講演しました。
コロナ禍でセミナーとメディアの仕事が全てストップ。
また、SNSの投稿を控えているため、公表していない
有益な情報がたくさんあります。
そのため、話す内容を絞るのに苦労しました。
一気に元どおりとは、いきませんが、徐々にこれらの
仕事もやっていこうと思います。
事例1267 「壁断熱材未施工」
私にたどり着くまでに苦労しましたと、最近よく
言われます。
特にカビの原因調査は、頼んではみたものの、依
頼した先がそもそもカビの知識がなかったなどの
話を聞きます。
多くの人に必要とされる仕事ではないので、認知
度があがりません。
■(1)今回の事例_____________
「壁断熱材未施工」
______________________
◆写真解説
赤外線サーモグラフィーカメラで壁断熱材の有無を検査。
四角部は温度が他に比べ低く(室内の冷房の影響)、
断熱材が未施工だった。
◆内容説明
担当した大工の仕事が雑だったことから、断熱材の施工
不良も疑い、赤外線サーモグラフィーカメラ撮影を実施。
その結果、1階の壁の一部で、断熱材が未施工だった。
壁の断熱材を確認する方法としては、赤外線サーモグラ
フィーカメラは有効です。
ただし、下駄箱やユニットバスなどがある箇所は、孔を
あけて見たほうが確実です。
◆対策
施工途中に、断熱材の施工をチェックする。
===========================
■(2)編集後記
地盤沈下で建て替え、もしくは修理を求めてる家。
地盤調査、保証会社が沈下の計測、確認に来た時、
立会いをしました。
結果は1週間くらいで出ると思っていたら、2ケ月
ほど時間が経過し、ようやく、その結果が出てきた。
内容を見ると、傾斜は保証対象外。修理しません
と弁護士からの書面が付いていた。
書類をよく見ると、ベタ基礎が途中で折れていると
最初から主張しているにも関わらず、傾斜のほとん
どない箇所も含め、建物の端と端で傾斜角を出して
いる。こんな出し方をされると、途中で傾斜角が急
になる不同沈下は大半が保証対象から外れる。
別の現場でも同様にベタ基礎が途中で折れていて
同じような算定を別の会社がしてきた。
普通に考えてもおかしく、保険を下ろしたくないの
が見え見えです。
ダメ現場監督
現場監督が仕事ができる人かどうかは、検査の仕事で
かかわれば、すぐに分かります。
現場の点数も付けるよりも、現場監督の点数を付ける
方が簡単です。
最近も、数回やり取りしただけで、その現場監督の
性格や会社がどう評価しているかを当てました。
新築検査においてのデータですが、ダメな現場監督の
割合は7割くらいです。
人気が少なく、数年前より、希望すれば採用される
ため、誰でもOKの状況が原因だと思います。
働いてみたものの、仕事が嫌で、他業種へ転職する
人も多いです。厄介なのは、この業界にとどまり、
嫌々仕事をしている人です。
現場の責任者でありながら、自分のことしか考えず、
いろいろ気が配れません。
当然、品質をより良くしようとは思わず、楽に早く
仕事を済ませようとします。
この人が現場監督では不安と感じた場合は、早めに
遠慮なく、交代を希望しましょう。
専門家らしく見せる
建築士の資格がなく、無資格のため当然、建築士
事務所登録もしていない者が、欠陥住宅の調査鑑
定をしている例が2件ありました。
2つの例ともに、さほど詳しくないのに専門家を
装い、依頼者を信頼させ、業務を請け負う。
やっているうちに、依頼者も能力がないことに
気づきますが、紛争事は相手方がいるので、すぐ
に能力の無さを見抜かれます。
一つの例は、鑑定書類を見せていただきました。
相手側から素人だろうと突っ込まれるくらい、間
違いだらけで、ひどいものでした。
金儲けか、正義感からからは分かりませんが、専
門知識がないのに、専門知識が必要な仕事に参入
したことが間違いだと思います。
調査鑑定業務は、資格よりも経験が一番重要です。
それでも依頼する場合は、建築士資格の有無、
その会社の建築士事務所登録を確認しましょう。
NPOなどが発行している民間の検査員資格はあって
もなくてもどちらでも良いです。
業者選び(耐震、省エネ)
9月の後半ということもあり、スケジュールが
混み合っております。ただ、欠陥検査は一段落
し、精密検査機材を校正に出しました。
営業力の弱い工務店さんが、今、トレンドである
耐震等級3、省エネ、床下暖房仕様などを手掛け
るケースが増えています。高い技術力がなくても
、外部頼りでこの仕様を取り入れることができる
ため、注意が必要です。
耐震等級3,許容応力度計算においては、でたら
めな入力で、計算し直すと、等級1だった現場も
あります。
省エネなどに関しては、空調が効かない、カビ
だらけといった例が多いです。
仕様に飛びつき、依頼するのは大変危険です。
その会社、設計者の実績を確認しましょう。
中には、外部の専門家のサポートを強調している
会社もあります。それは、自社にノウハウがない
証拠であり、専門家のサポートが少なければ、自
己流の仕様になる可能性が高いです。
事例1266 「ほぼ全て、床タイルが剥離」
今回の台風、途中から速度が上がったため、
台風の影響による出張の変更はありませんでした。
予定が空けば、書類作成の仕事が進みますが、
どこかでスケジュールがきつくなります。
■(1)今回の事例_____________
「ほぼ全て、床タイルが剥離」
______________________
◆写真解説
床タイルが剥離し、業者がタイルを撤去。
その後、修理が中断し、下地のまま放置されている。
◆内容説明
RC造の家、施工不良で入居後からタイルが浮き、
最終的には全て浮いた。
浮くことで、段差が出来て、足を怪我する、タイルが
割れるなどの影響あり。
モルタルで貼りつけた場合、壁でも床でもタイルは
剥がれる事例が多い。今回も剥がれた面を見ると、
施工不良が疑われる。
木下地では、接着剤で貼りつけるため、剥離の可能性
は低い。
RC下地でも接着剤で貼るケースが増えています。
◆対策
完成時や初期の定期点検時にタイルの浮きのチェック
をする。
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■(2)編集後記
夏場の家に発生するカビ問題。
件数が多い割に、被害者以外、騒がれていません。
裁判所を含め、一般的にはシロアリ被害のような考えで、
設計や施工者の注意で100%防ぎきれるものではなく、
発生した場合は、程度に関係なく、自己対応。
今年もかなりの数のカビ被害情報が寄せられています。
今後、気象変動や家の気密化が進むと、被害は今より
増加していくと思います。
誤った計画により、カビが発生しているものは、告示
などである程度の規定を決めれば、被害は減らせると
思います。しかしながら、国が動くには、シックハウス
のような社会問題にならないと無理です。
マンションのケースで一度に百人単位で被害者が出れば
注目を受けますが、戸建ての場合は、集団被害は出にくい
ので注目されにくい。
集団被害が出ない=規格住宅を大量に供給している大手
では被害が少ないということです。
事例1265 「RC壁、ひび割れからの雨漏り」
愛知県は月曜日が最も台風の影響を受けそうです。
ニュースを見ると火曜日の午前中は、台風が過ぎても
交通機関に影響が出るようで、火曜日の出張予定を
変更する必要が出るかもしれません。
■(1)今回の事例_____________
「RC壁、ひび割れからの雨漏り」
______________________
◆写真解説
鉄筋コンクリート壁、ひび割れからの雨漏り。
修理を繰り返しているが、新たに入るひび割れもあり、
雨が漏り続けている。
(室内壁下の赤外線サーモグラフィーカメラ画像)
◆内容説明
コンクリートに発生する収縮ひび割れは、外壁や
木造基礎の立ち上がりなどに発生すると貫通する
ケースが多い。
貫通しても、ひび割れの幅が狭ければ、修理は
不要ですが、雨が当たる箇所では、軽微な幅でも
雨が入るため、巾が細くても修理が必要です。
紹介した現場は、家のあちこちのひび割れ部から
雨漏りが発生、修理しても、新たなひび割れが
発生し、雨漏りを繰り返している。
◆対策
設計や施工において、ひび割れの発生を抑える
対策が重要。
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■(2)編集後記
今の時代、パワハラ防止の意味で、部下を叱らない
会社が多いようです。
その影響があるのかどうか分かりませんが、
昔なら即、叱られるようなことを無意識でする監督
さんが増えているように思います。
先週だけで、2人の現場監督をきつく叱りました。
圧力をかけて私をコントロールしようとしたためです。
(指摘を見なかったことにするなど)
いくら威勢よく、圧力をかけてきても、しりごみする
タイプではありません。そんな気弱なことなら、欠陥
住宅紛争の仕事を長年やっておりません。
毎年40~50件、新たに欠陥検査に入り、裁判など
争いを仕掛けたり、複数の大手ハウスメーカーの商品
欠陥を追及中であったり、圧力に屈するようではでき
ない仕事です。
今年中には、業界の大問題となりうる、欠陥事例を公
表する予定です。
有限会社カノム 名古屋市守山区小幡南三丁目20-28 シャトー小幡駅前 303
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