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一条工務店の省エネ性能

本日、一条工務店さんの現場の完成検査に行って
きました。

外気温がマイナス2℃。床暖房を入れてすぐでし
たが、一晩おいても、前日の暖かさが残っていて、
室内は検査スタート時から暖かかったです。

検査時も床暖房だけの稼働で十分暖かく、驚いた
のは、ユニットバスの床にも床暖房が入っている。
何度か検査に入ってますが、知らなかったです。
↓ユニットバスの床暖房、
赤外線サーモグラフィーカメラ撮影
ユニットバス床暖房
実績があるだけに、いろいろよく考えられています。
また、改良も頻繁に行われています。

他所の会社が真似しようとしても、床暖房はじめ、
独自の物が多いので、なかなか真似ができません。

 

事例1278 「先張りシート、施工不備」

来週は、猛烈な寒波の影響があるようです。
ちょうどその頃、出張を2件、組んでおり、
移動に影響があるかもしれません。

直前に延期するかどうかの判断をする予定です。

 

■(1)今回の事例_____________

「先張りシート、施工不備」
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先貼りシート

◆写真解説

あと張りの先張りシート。雨漏りしやすい取り合い
部の防水補強のためのシートで、文字通り、屋根組
より先に施工する。

施工手順が違うため、必要な箇所(赤丸部)がカバー
されていない。

 

◆内容説明

屋根の取り合いの端部は、雨が漏りやすく、その部分
に施工するには、屋根を組む時点でシートを入れない
といけない。
先に施工するため「先張りシート」という名称になっ
ていると思います。

必要性は知ってはいるものの、躯体組み立て中に施工
する習慣がなく、あとからの施工になる例が多い。

予防的に施工するもので、結果として雨漏りしなければ
シートが未施工でも問題はありませんが、雨漏りリスク
を回避したい施工者側にとっては、重要な施工です。

 

◆対策

施工手順を躯体組み立て前に確認する。

 

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■(2)編集後記

高気密、高断熱仕様で、不具合が生じている家のカビ、
室内環境の修理案を頼まれています。

できるだけ費用を抑えるため、既存のものを利用し
ようと考えていますが、熱交換など空調機械のメーカー
は「部品のみは売らない、他のメーカー品との組み合わ
せは保証しない」など協力する気がありません。

複数のメーカーに問い合わせしましたが、全て断られ
ました。

不具合の生じている家に関わりたくない、メーカーが
多すぎます。

 

 

 

建築工事標準仕様書・同解説 JASS5改定

昨年末、建築学会が著作、発行する建築工事
標準仕様書・同解説JASS5
(鉄筋コンクリート工事)が改訂された。

早速購入し、改定内容などを確認したところ、
「住宅基礎用コンクリート」が削除されてい
ることに気づいた。2009年改訂版で、「簡易
コンクリート」から名称変更になり、本改訂
前の2018年版までは記載があった。

記載がなくなったということは、住宅用と
して、分けなくなったと取れます。

今まで分けられていた意味は、ビルなどと
同等では、不経済であり合理的でないという
理由があったと思います。

監督が現場に常駐しない、また、人手不足に
加え、技術者教育も十分できていないケース
が多い現状の住宅業界で、今回の「住宅基礎
用コンクリート」の削除は、設計や施工に
どう影響していくでしょうか。

 

 

引き渡し拒否

建物が完成(実際は内部仕上げ工事の大半が未施工)。
確認申請の検査済証も下り、請負代金も払い、登記も
完了、それでも請負業者が建物を渡さない現場があり
ます。

渡さない理由は、追加代金の未払い。

追加代金と言っても、引き渡し間際に請求されたもの
で、金額も一千万超。
自社の打ち合わせ、設計ミスによるものの補修費用と
安請負した結果、下請けからの請求を締めると、利益
が無いことに気づき、利益分を請求していると思われ、
施主にとっては納得できる内容ではない。

正式な引き渡しがなくても、建物に住んだ上で、
追加代金の争いをすれば良いですが、住めないまま
争うと、家賃と住宅ローンの2重払いが続きます。

また、登記もされているので、住まないまま、築年数
が増え、家の価値が下がります。

話が進まないまま、すでに1年半経過。相手の出方に
よっては、さらに長期化する可能性もあります。

完成時の高額な追加請求は、過去に多くありましたが、
杜撰な業者は淘汰され、最近では珍しくなっています。

それでもある一定数は存在するので注意してください。


事例1277 「レベラー硬化不良」

エアコンへの強いこだわりはありませんが、事務所
のエアコンを交換しようと思い、エアコンに詳しい
方にメーカーごとの特徴を教えてもらいました。

基本的な性能の違いは少ないですが、送風方法や
掃除の面で特徴が分かれるようです。

 

■(1)今回の事例_____________

「レベラー硬化不良」
______________________ 

レベラー硬化不良

◆写真解説

基礎天端レベラーの硬化不良。
水を多く入れたため、硬化してもやわらかい。
基礎の一部で強度が求められる部分。

 

◆内容説明

レベラー材は粉状の材料と水を混ぜて作る。
セルフレベリング、つまり流すだけで水平になる
特性があり、水を多く入れるほど、施工しやすい。

本来、コンクリートより強度が高くなる材料、
強度不足は、施工不良です。

 

◆対策

基礎完成時に硬化不良の検査を行う。

 

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■(2)編集後記

昨年の長期優良住宅の省エネ基準の改定に続き、
今年はフラット35等の省エネ基準の改定があります。

基準が変わるときは、間違いが起きやすいため、今年、
省エネに関する内容は、検査の重要チェックポイント
になります。

 

 

事例1276 「外壁通気の詰まり」

事務所前の名鉄高架工事、名古屋市市道拡張工事は
今日も休み。昨年は土曜日の休みも多く、来年から
の働き方改革に向け準備が進んでいるようです。

公共的な工事以外では、住宅を含め、まだ、対策を
取れていない会社が多いです。

 

■(1)今回の事例_____________

「外壁通気の詰まり」
______________________

壁上部の湿気滞留

◆写真解説

外壁通気の上部が塞がれていたため、湿気が滞留。
躯体の腐朽までは至っていないが、一部でカビなど
が確認できた。

 

◆内容説明

木造住宅においては、ほとんどの家に外壁通気が
計画されています。

目的は外壁仕上げから入った雨水の排水と、通気
(壁内からの水蒸気の排出等)。

外壁が日射で温められると、通気層内の空気は
軽くなり、上方へ移動します。上部に空気の出口
がないと、水蒸気が滞留し、通気層内が湿気る。

軒ゼロの家が増えてから、通気層の上部が塞がれ
ているケースが増えました。
最近では、通気抜きの必要性の認識も高まり、
また、良い通気部材も増えたため、通気の不具合
は減少傾向にあります。

◆対策

図面もしくは、工事途中に通気層の出口を
チェックする。
雨漏り対策で、目視で通気部材が分かりにくい
ケースもあります。

 

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■(2)編集後記

年末、事務所で使用しているダイソンの掃除の電池が
ダメになりました。

現場ではマキタの掃除機を使用。
ダイソンはフル充電でも稼働時間が短く、
電池の点ではマキタが優れていると思います。

マキタの純正バッテリーは高価ですが、インパクトや
丸鋸などの工具にも使用できるため、利便性が高いです。

 

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

仕事初めは明日からですが、雑用処理のために出社。
今日まで休みの会社が多いため、連絡業務は控えてい
ます。

今年は、住宅の省エネ化が一段と進む年になるでしょう。
国の省エネ基準の改定の影響もありますが、
買う方も売る方も、省エネへの興味が高くなっています。
大手ハウスメーカー、分譲住宅においても、省エネ性能
を高めた商品が増加傾向にあります。

家の仕様が新しくなると、新たな不具合も起きやすい。
ここ最近増えている「夏場のカビ」も、気象変動だけで
なく、省エネ住宅の増加も影響しています。

依頼先を選ぶポイントとして、不具合が出やすい新商品
や、新仕様での設計、施工実績が少ない会社は避けた方
が無難です。

今から25年ほど前、ある大手メーカーが新工法の商品
を出しました。その商品の構造設計の欠陥が、10年以上
経過してから発覚。メーカーは即、設計改良したものの、
初期に建てた方は、保証切れを理由に対応を切られてい
ます。



事例1275 「気密パッキンの不備」

土曜日の朝の雪は、前日に予想できず、現場予定
は全て延期になりました。

事務所や自宅の近くでは、事故や車の乗り捨てを
多く見かけました。

 

■(1)今回の事例_____________

「気密パッキンの不備」
______________________ 

◆写真解説

玄関土間部分、気密パッキンを施工するところ、
一部、通気パッキンが施工されている。
気密切れの原因となる。

 

◆内容説明

最近、玄関土間まわりを気密化するのがあたり前
になってきました。
(仕様によっては、未だ気密化されていないケース
もあります)

ここが空いていると、床下の空気が室内に入り、
特に冬場、冷たさを感じます。

写真は、一部で通気パッキンが使用されている。
形状や色が似ているため、間違いやすい。
修理は、ウレタンで通気部を塞ぐケースが多い。

 

◆対策

間違いやすいため、工事途中にチェックする。

 

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■(2)編集後記

欠陥住宅紛争で、建築士への行政処分を期待する方
が多いです。

明快な建築基準法違反があったとしましても、役所
に話を聞いてもらうことも苦労するケースが多い中、
今日発表された、建築士の処分内容を見ていると、
そんなことで、というものがありました。

おそらく、担当者が良かったと思います。
大半は、たらいまわしになるか、話を聞いてもらう
だけで終わります。

今回の処分内容の中に裁判でよく問題ないと逃げら
れるものがありました。国土交通省が処分を下した
今回の内容は、裁判に利用できそうです。

 

事例1274 「バルコニー防水部の雨漏り」

今年も今日を入れて10日。
住宅業界の現場は比較的忙しく、休み前後の週の検査
予定が混み合っております。

 

■(1)今回の事例_____________

「バルコニー防水部の雨漏り」
______________________ 

バルコニーからの雨漏り

◆写真解説

バルコニー防水とサッシの取り合いからの漏水。
間に施工するシーリングの量が少なく、
雨が内部へ浸入した。

 

◆内容説明

窓台まで防水施工のあと、サッシ取り付け時、間に
シーリングを施工している現場。

このシーリング不良に疑いを付けて、サッシを撤去。
予想どおり、シーリングの量が少なく、防水とサッシ
間にすき間があり、そこから雨が内側に入っていた。

浸入ルートは、通気層内に入った雨がサッシ横を通り
、下部の角から回り込む。

 

◆対策

下地が凸凹しているため、多めにシーリングを施工
する。

 

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■(2)編集後記

今年、住宅の資材はいろいろなものが値上げ
されました。すでに来年の値上げを予告して
いる物もあり、しばらく値上げの傾向は続く
でしょう。

また、物の値上がりの次は、人手不足や労働
時間短縮の影響で人件費が上がってくると思
います。

そうなると、安価な外国人技能実習生に頼る
流れが増えそうですが、この制度自体に批判
が多く、この先、改善されていくと、人件費
を抑えることはできません。

こういった流れがあるため、3Dプリンター
への期待が高まっています。

 

 

 

 

 

公共工事の検査

行政発注工事の検査業務の打診を受けました。
税金を使っての事業で、特命で依頼をいただける
ものではなく、当然、所定の手続きが必要です。

検査対象は、災害時でも壊れない耐震性能が高い
建物。品質が確保されるよう、厳しい検査を期待
されています。

民間の仕事に比べ、手続きが複雑で手間も多そう
です。これ以上、仕事を増やしてはいけないと
思いますが、地域貢献活動の一つとして、登録等
を行う予定です。



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