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欠陥検査のお勧め

一時、依頼が集中した欠陥住宅検査の書類作成が
ようやくひと段落しました。

各現場の内容を振り返ってみると、
「カビ、雨漏り、ひび割れ」などの解決が目的で検査を依頼。
検査をしたら、不同沈下、構造躯体の強度不足など、
建築主自身では気が付かなかった重大な不具合が発覚する
パターン。

そもそも、地盤や躯体等、重要なところがきちんとできて
いないので、雨漏りなどの目に見える不具合が発生する
確率が高い。

何か家に異常を感じたら、家全体の検査をしてみることを
お勧めします。修理請求ができる瑕疵担保責任期間中の
築10年以内にできるだけ検査をしましょう。

反論がとてもおもしろい

指摘などに対する反論。会社の規模が大きいほど面白い。
内容を認めたくない場合、何等か反論しないと認めた
ことになるため、おかしなことを書いてくる。

紛争中なので、公表はできませんが、今週だけで2社、
面白い反論がきました。

反論の内容から、相手の状況が不利なのが分かります。
早めに不備を認めればよいですが、大手ほど知恵がある
分、しぶといです。


職人の反論

新築工事中の検査。2つ前のブログに書いた「保証検査会社」が
検査したあとに私が1日遅れで検査に入った。

指摘を出すと、職人からこんな反論がありました。
「○○○(保証検査会社の名前)」の検査に合格したので、
問題はない。

指摘内容は明らかな施工不良で、告示に違反しているため、
「そうですか、では問題ないですね」とはなりません。

昔から、この手の反論は裁判でも、よくあります。
私からすれば、聞き慣れた内容です。

それでも、検査自体はやらないよりはましです。
重大なものは見逃さないと思いますし、
複数の目で見ることは非常に重要です。

事例1260 「食洗機配管不備」

地価の分かる場所であれば、分譲住宅の値段を
以前は、ほぼ当てていましたが、
最近は、予想より高いことが多いです。

今日、伺った現場は予想より300万円も高かった。
資材高騰以上に値段が上がっている印象です。

 

■(1)今回の事例_____________

「食洗機配管不備」
______________________

食洗機排水

◆写真解説

食洗機の排水管、HT管未使用。食洗機の排水温度は最高で約70℃。
そのためメーカーは、耐熱温度が90℃のHT(耐熱塩化ビニル)管
の使用を施工マニュアルに記載しています。
HT管は色が赤いので、見分けがつきやすい。

 

◆内容説明

重大なものではありませんが、半年に1件くらいのペースで指摘
している内容。

指摘をすると「問題ない」という返事が来ることが多い。
おそらく、水道業者が規定があることを知らない。

写真の丸印から先は、熱湯も冷めるため、普通のVU,VP管
(グレー色)でOK。

流し台の排水は、耐熱管ではないので、熱湯を流さないように
気をつけてください。

 

◆対策

完成時にキッチンの配管を確認する。

 

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■(2)編集後記

海外からの木材の在庫が増えているというニュースを読みました。
一部、合板材料などはまだ品薄のようですが、国内産も増産され、
ウッドショックが終わるのではという予想も出ています。

それでも、木材以外の価格は下がる気配がないため、
家の値段は以前のような水準には戻らないでしょう。

 

保証、検査をしない保証検査会社

法律の規定に基づき、国土交通大臣に指定された住宅
瑕疵担保責任保険法人。

ある会社は、検査ミスを追求すれば、
「検査していません」といい。

保険を請求すれば、「支払いできません」と拒否する。

大口の取引がある会社には、契約を打ち切られないよう
保険の支払いがよいなど、対応はいろいろ。
結局は、利益確保が第一優先になっている。

保険法人の運営自体をかえないと、現状、本来の目的で
ある消費者保護になっていません。

今回、依頼を頂いたケースは、保険の支払いを頑なに
拒否していて、その理由も疑問が多いです。
おそらく、訴えることになるでしょう。

安易に支払い拒否ができないような、先例が作れると
良いですが。


偽情報

ラジオで住宅会社が宣伝していた内容が、あまりに
おかしなことが多く、後日、HPを見てみました。

売り込み方法として、同業他社や住宅業界の批判を
していますが、あまりに不勉強のため、間違いが多い。

また、SDGsに沿った商品開発を強調していますが、
それもズレた内容が多いです。

売ることだけを目的に、広告会社に丸投げしたような
内容。社内の技術者はチェックしていないと思います。

広告と言えば、ユーチューブを宣伝に使う会社も
増えてます。
今週初め、ガーシーの真似をしているような、住宅
関連の動画が上がっていると、知人から情報を得て、
見てみると、そのとおりでした。

ある特定の会社を強烈に批判し、正義を振りかざして
いるように見えますが、目的はユーチューバーになり
たいだけと思います。自信満々にしゃべっていますが、
内容は間違いだらけで薄っぺらいです。

そのうち、攻撃している会社の反撃にあうでしょう。

正確でない情報も出てしまうのが、ネット、広告の
怖さです。

おかしなものを信用しないためには、やはり、知識や
情報収集、判断能力が必要だと思います。

事例1259 「水漏れ」

昨日は、6時間の長距離移動。
長距離移動したあとは、疲労感から、デスクワークを
やる気になりません。

移動中を休憩扱いとして、そのあと、頭を使う仕事の
予定を組まないようにしています。

 

■(1)今回の事例_____________

「水漏れ」
______________________ 

水漏れ

◆写真解説

床下の漏水。雨漏りと水漏れ、両方の要因があったため、
蛍光検査液を使用し、原因を判断。
結果、この箇所は水漏れでした。
写真の青く光っている部分が蛍光検査液。

 

◆内容説明

雨漏りしている床下で、一部、水漏れを疑った。
検査の結果、雨漏りと水漏れの区分ができた。

青く光るのは、ブラックライトを当てた時で、
通常は、水と区別はつかない。

 

◆対策

原因特定を誤ると、修理しても直らない。
きちんと原因特定を行う。

 

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■(2)編集後記

自社開発で、内容を外部に公開していないもの、
社外の建築士の細かなチェックが入ったことが無い会社は、
間違ったまま設計、施工されている可能性が高いです。

最近も大手メーカーなどの重大なミスを複数、指摘してます。

当然、ミスを認めてしまうと、会社の損害が大きくなるため
どの会社も必死に抵抗しています。

こういった件においても、行政は動かず、何もなかったかのように
なることが多いです。

知らないうちに不良品を買わされているかもしれません。

 

ミスマッチ

家へのこだわりが強いにも関わらず、依頼先を間違えて
しまった方が多い。

これはある意味、仕方がないことで、業者の数が多い
のと、営業トークや広告を信用してしまうからです。

大手ハウスメーカーのカタログも、嘘が平気で記載されて
います。けれど、メーカー側からしたら、嘘だと思って
いないので(自社のことしか知らないため、会社の発信は
正しいと信じている)、騙す気はなかった、詐欺ではない
と言います。

このようなミスマッチを防ぐには、情報収集が有効です。
ただし、ネット上では、真逆の意見も多く、偏った
情報を信じてしまうと、やはり失敗します。

家へのこだわりが強い人ほど、依頼先の方と事前によく
話をして、依頼先の真の実力を見極めましょう。

事例1258 「不同沈下で基礎が折れた」

先週の土曜日の朝、新幹線内で携帯の電波が
立っていないことに気づきました。

2度ほど再起動したあとに、AUの電波障害を
知りました。

ネットは時々つながったのと、もう1台ソフトバンク
携帯を持っているので、それほど困りませんでした。

 

■(1)今回の事例_____________

「不同沈下で基礎が折れた」
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基礎割れ

◆写真解説

ベタ基礎スラブの割れ。
不同沈下が原因で、スラブが折れて、ひびが入った。

 

◆内容説明

家の中央部あたりから不同沈下していて、
丁度、沈下の起点付近でベタ基礎のスラブが折れていた。

今は地盤調査を行うので、昔ほど大きく沈下しません。
にもかかわらず、地盤保証は大きく沈下しないと
保証対象となりません。

つまり、いくら基礎が折れていても、傾斜角が保証基準
を超えないと保証対象外。保証会社に有利な内容です。

 

◆対策

地盤調査会社に判断を丸投げしているケースは判断ミスが多い。
軟弱地盤の場合で、判定に疑問がある場合は、
セカンドオピニオンを求める。

 

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■(2)編集後記

6月に実施した欠陥検査の数が多く、未だに書類作成に
追われております。

1件終わったら次に着手ではなく、優先順位を付けて、
数件の書類を並行して作成します。

まとめて1件ずつ仕上げるよりも、途中に時間を置くことで
考え直す時間が増えるなどのメリットがあります。

あと残りは、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の建物。
木造とは違うパターンの瑕疵が多くあり、
作成に時間がかかっております。

和解の連絡を頂きました

欠陥検査後、裁判サポートをしていた家。
依頼者より和解成立の連絡がありました。

ひどい欠陥住宅ですが、裁判所の反応は当初、
いま一つ。回を重ねるごとに、杜撰さを分かって
頂き、最終的に施主寄りの判断をしてくれるよう
になりました。しかしながら、よくあるパターン
で、査定は、修理金額の大きなものを切られ、
少額のものを多数、認めたような感じです。

少々の地震では壊れないだろう、大地震時に壊れる
のは仕方がない、と判断しているのかもしれません。



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