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腑に落ちない対応
今現在、軽量鉄骨のボルトの緩みで争っている住宅があります。
築数年後、室内の工事をした際に、ボルトの緩みが発覚。
私も現場で立ち合い、トルクレンチでボルトを締めた。
目視で緩みは分からないが、トルクレンチで締めるとボルトが
締まる。数は1,2本ではなく、確認できたボルトにおいて、
結構な確率でボルトが締まった。
私が腑に落ちないのは、
ハウスメーカー側は緩みを認めてはいるものの、
原因について、徹底的に調べようとしない。
原因は、工事中の締め忘れか、経年で緩んだの
2つしか考えられない。どちらにしても会社にとって
都合が悪いため、原因を追究する気がないようです。
緩みの数から、締め忘れの可能性は低く、私はあとから緩んだ
可能性が高いと考えています。原因はボルト自体の不良。
そうであれば、構造部分でもあり、リコールすべきです。
施主が、この件の情報を国土交通省や市に入れても
どの行政も関心を示さず、裁判を勧められる。
大量生産品で、安全にかかわる事であっても、
行政は、世間が騒がない限り動きません。
マンション検査
連休最終の土日は、マンションの検査でした。
土曜日、朝6時の飛行機に乗るのに、1時間も寝坊してしまい
起きてすぐ、パニックに陥りました。
すぐに冷静になり、搭乗までのタイムスケジュールを組み直し、
余裕の時間が無くなりましたが、無事搭乗できました。
普段は木造の検査がメインですが、社会に出て10数年、鉄骨、
RCばかりやっていたため、マンションの検査も対応してます。
今回も原因を無事特定することができ、良かったです。
昨日の帰り、空港などはかなり人出でしたが、乗った飛行機は、
出発時間が遅いため、予想より空いてました。
本日、移動疲れも残っておりますが、それより、気温差で終日、
寒気を感じております。
事例1253 「ゴミ隠し」
この仕事をしていると、10連休を取るのは難しい
です。
それでも、大型連休は、普段よりは現場スケジュール
が入りにくく、普段に比べ、休みが取りやすいです。
■(1)今回の事例_____________
「ゴミ隠し」
______________________
◆写真解説
瓦ぶきの屋根。隅棟部に瓦の破片を入れている。
乾式施工においては重くなる、通気を阻害するなどの
デメリットしかないが、複数の業者へ聞き取りすると、
これが一般的な施工だという回答が多かった。
◆内容説明
破片は、隅棟部の瓦をカットしたもの。
ここの施工業者含め、複数の屋根業者に聞き取りした
ところ、回答の多くは、漆喰を使う湿式施工の時、瓦
の破片を入れて漆喰を施工するので、問題ないという
内容でした。
本現場は、湿式ではなく、乾式の施工。
今の時代、瓦のほとんどが乾式の施工で、湿式は少ない。
漆喰を施工しないのなら、瓦の破片に役割はなく、ゴミ
である。
念のため、瓦の施工マニュアルをいくつか確認しました
が、乾式施工において、割った瓦を入れるような表記は
ありません。
完成すれば見つからないため、下ろす手間、処分費削減
を目的として、故意にやっていると思われる。
それだけ発注単価が安く、利益が少ないのかもしれない。
地中や壁内、屋根裏などにゴミを放置するのと同じこと、
これで良いと判断していることが理解できない。
◆対策
工事中に確認すると言っても高所のため、
施主自身での確認は困難。
事前に瓦の処理について、確認をしておく。
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■(2)編集後記
本日、ネットのニュース、
欠陥住宅裁判で「慰謝料を認める異例の判決」という内容が
出てました。
このニュースを読んで、意外だと思われる方がほとんどだ
と思います。
弁護士のコメントで、
「建物の瑕疵(かし)で慰謝料が認められるのは画期的」
とあるように、欠陥住宅裁判では、私も慰謝料は認められ
ないものだと思っています。
裁判でなく、直接の話し合いであれば、慰謝料を請求し、
相手が支払うケースはあります。
火災保険を使えば、実質0円で修繕工事ができる
国の認定を受けた消費者団体「消費者機構日本」が、業者を訴えた
裁判終結のニュースが出ていました。
(火災保険を使えば、実質0円で修繕工事ができると勧誘して契約
を結び、着工前に解約しようとすると高額な違約金を請求するパターン)
これは、数年前くらいから、よく広告で目にする内容。
知り合いの保険屋さんに念のために聞いてみると、
保険会社の査定は甘くないですと言う回答でした。
胡散臭い内容ですが、騙される方が多いので、広告も増えたと思います。
実質0円でなくても、補助金を使う、格安など、金銭的な面でアピール
する外壁塗装などの広告がネット上でも目立ちます。
悪い業者ばかりではありませんが、広告で業者の良し悪しを
見極めるのは難しいです。
検査をして業者から恨まれる
最近、検査でかなりのダメ出しをした現場があります。
施工者側は、指摘を今後の品質向上など、前向きに
とらえてくれれば良いですが、今回のケースでは、
後ろ向きにとらえてしまっているようです。
やり取りしている対応から感じ取れる印象は、
指摘を受け、修理をするのにお金がたくさんかかる、
余計なことをしてくれたと思っているようです。
最近、ある業種で検査不正のニュースがありました。
住宅業界を掘り起こせば、不正のニュースは大量に
出てくるのは確実で、今現在でも、大手ハウスメーカーの
商品、品質不良の情報をいくつか持っております。
資材高騰で利益が圧迫される中、今後、品質確保のコスト
を切ってくる企業が増えると思います。
欠陥住宅被害者にならないためには、消費者側が自己防衛
することも重要です。
事例1252 「鉄筋切断」
GWの直前と直後に遠方の検査を組んでおります。
コロナの影響で、未だ飛行機の便が少ない、欠航しているなど
の影響を受け、2ケ所ともハードなスケジュールを組みました。
新型コロナで制限が出てから、3回目のGW。
そろそろ、元の状態に戻って欲しいですね。
■(1)今回の事例_____________
「鉄筋切断」
______________________
◆写真解説
コア抜き(孔のあとあけ)したコンクリート片。
よく見ると鉄筋の断面が見える。
鉄筋の位置を確認しないまま、基礎に孔をあけ、
鉄筋も切断した。
◆内容説明
コア抜きを社内規定で禁止しているにもかかわらず
コア抜きをして、鉄筋まで切ってしまった。
現場監督の段取りが悪く、設備業者がスリーブを
入れ忘れたことが原因。
今回の例では、強度とかぶりの問題があるが、
ハウスメーカー側は、強度は計算により問題ないことを
確かめ、かぶり不足については、あけた孔を塞いだ。
鉄筋コンクリートのマンションやビルでも
コア抜きにより鉄筋が切られていることが多く、
割とよくある事例です。
◆対策
コア抜きの必要がある場合、鉄筋位置を調べ、
かぶりを確保して孔をあける。
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■(2)編集後記
建築費の高騰は、木造より、鉄筋コンクリートや重量鉄骨で建てる方に
影響が大きいようです。
最近、これらの構造で建築する複数の方の相談に乗りましたが、
建築業者が予想外の金額を提示しているようです。
特に住宅においては、木造に比べ、施工する業者が限られます。
競争が木造より少ない分、リスクを取ってまで仕事を取ろうと
しないようです。
建築費は今が一番安い。今後、さらに上がるという予想をしている人も
多く、情報収集を続けたいと思います。
事例1251 「クロスのカビ」
「首都圏マンション価格バブル超え」
というニュースが昨日出てました。
戸建てに関しても、今後、予想以上に価格が上がってくる
可能性があります。
住宅に関することは、食品や日用品と違い、あまりニュースでは
取り上げられないため、関係者からの情報が頼りです。
■(1)今回の事例_____________
「クロスのカビ」
______________________
◆写真解説
湿った石膏ボードにエアコンの冷気が当たることで結露が発生、
クロスにカビが生えた。石膏ボードが湿気る原因は、
床下の湿気が壁内に上がってくるため。
◆内容説明
入居1年目の夏からカビが発生。ハウスメーカーに伝えるが
対応を先延ばしにされ続け、4年が経過。
しびれを切らした施主が、私に調査を依頼してきた。
業界側の人は、結露やカビが発生しても、それは普通のことで
問題ないという認識の人が多い。
だから、苦情を申し出ても対応が悪い。
原因は、付近に配管スペース(パイプシャフト)があり、
1階床を貫通する配管まわりの隙間が埋められてないため、
床下の空気が壁内、1階天井裏に入っていた。
また、天井埋め込みのエアコンの吹き出し口が壁に近く
壁が必要以上に冷えるため。
写真のようにクロスが黒ずむレベルのカビは、
室内空気の汚染レベルは、最高ランクになる。
部屋を閉め切れば、確実にカビ臭がしますし、人体に何らかの
支障が出る可能性が高い。
◆対策
夏場の湿った床下の空気を室内へ入れないため、
1階床を貫通する配管、配線まわりをコーキング処理する。
(最近の職人さんは、言わなくてもやってくれる人も増えてますが
大半は、言わないとやらないです)
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■(2)編集後記
家は何年かすると、いろいろ手を加えたいところが出てきます。
最近はDIYブームで、ホームセンターやネット上で、好みの資材や
工具が手に入りやすいです。また、施工方法もYouTube上に多数ある
など、DIYが容易になっています。
それでも、自分では無理という箇所も出てくると思います。
その時は、部分的に職人さんを頼ると良いです。
電気屋さんや水道屋さん、クロス屋さんなどは、事務所に看板が出ているので
飛び込みでも対応してくれると思います。
看板が出ていない、大工さんなどは、紹介してもらうのが良いと思います。
住宅紛争解決手段
業者と争いになった場合、数年前まではネット上での書き込みが
結構、有効でした。最近は、業者の方が対応に慣れてきて、効果が
以前より減っている印象があります。また、書き込みに対する裁判
も増え、書き込みした方が訴えられる率が高くなっています。
マスコミも今現在は、欠陥住宅を取り上げるのに消極的です。
コロナ過でロケ自体を制限していましたし、
最近はウクライナの戦争で建物がたくさん壊されている状況を
目にすることが増え、欠陥住宅被害のインパクトが薄いということで
企画を通しにくくなっています。
争いの手段が減ることで、裁判を選択する比率が高まるかもしれません。
弊社は、面識がない弁護士さんからの問い合わせが年々増えております。
被害確認
カビ被害で裁判中の家。追加立証のために現場に行ってきました。
カビ被害は、6月から9月にピークを迎えます。その時期以外に現場を
確認に来た方のほとんどは、被害は大したことないと思ってしまいます。
ピーク時に確認した場合でも、臭いに鈍感な方、床下などを奥まで
見ないケースでは、同様の判断をされることがあります。
カビ被害以外に、音などの住宅の問題は、住んでいる方と、
そうでない方の被害に対する認識の差が出やすく、
解決の妨げになりやすいです。
今回の追加立証、裁判所の期日もあり、ピーク前の調査でしたが、
時期に影響されにくい、カビの専門会社による調査を実施しました。
外壁の耐久性
家を建てる方へ、仕様の希望を聞くと、
「できるだけメンテナンスのかからない家」
という回答が多い。
対応する仕様として、ハウスメーカーから
高耐久シーリングやタイル外壁などを勧められる
ケースが多いようです。
あるハウスメーカーは、耐久性が高いとして
屋根、外壁とも、ガルバを勧めています。
先日、見たガルバの外壁の家。
雨の当たらない軒下は、塗装が劣化してました。
いろいろ調べるとガルバは、雨に当たる方が、汚れが落ちて、
長持ちするようです。
そうなると、ガルバ外壁の場合、軒ゼロ仕様に加え、
雨の当たらない箇所ができる場合は、
そこだけ、材料を替えたほうが良いことになります。
外壁の塗装業者に聞くと、今のガルバが使われるように
なってから20年くらい。住んでる方は、30年くらい
塗り替えしなくても良いと思っている方が多く、少々、
塗装が劣化していても放置している人が多いと言ってました。
有限会社カノム 名古屋市守山区小幡南三丁目20-28 シャトー小幡駅前 303
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