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建築工事標準仕様書・同解説 JASS5改定

昨年末、建築学会が著作、発行する建築工事
標準仕様書・同解説JASS5
(鉄筋コンクリート工事)が改訂された。

早速購入し、改定内容などを確認したところ、
「住宅基礎用コンクリート」が削除されてい
ることに気づいた。2009年改訂版で、「簡易
コンクリート」から名称変更になり、本改訂
前の2018年版までは記載があった。

記載がなくなったということは、住宅用と
して、分けなくなったと取れます。

今まで分けられていた意味は、ビルなどと
同等では、不経済であり合理的でないという
理由があったと思います。

監督が現場に常駐しない、また、人手不足に
加え、技術者教育も十分できていないケース
が多い現状の住宅業界で、今回の「住宅基礎
用コンクリート」の削除は、設計や施工に
どう影響していくでしょうか。

 

 

事例1277 「レベラー硬化不良」

エアコンへの強いこだわりはありませんが、事務所
のエアコンを交換しようと思い、エアコンに詳しい
方にメーカーごとの特徴を教えてもらいました。

基本的な性能の違いは少ないですが、送風方法や
掃除の面で特徴が分かれるようです。

 

■(1)今回の事例_____________

「レベラー硬化不良」
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レベラー硬化不良

◆写真解説

基礎天端レベラーの硬化不良。
水を多く入れたため、硬化してもやわらかい。
基礎の一部で強度が求められる部分。

 

◆内容説明

レベラー材は粉状の材料と水を混ぜて作る。
セルフレベリング、つまり流すだけで水平になる
特性があり、水を多く入れるほど、施工しやすい。

本来、コンクリートより強度が高くなる材料、
強度不足は、施工不良です。

 

◆対策

基礎完成時に硬化不良の検査を行う。

 

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■(2)編集後記

昨年の長期優良住宅の省エネ基準の改定に続き、
今年はフラット35等の省エネ基準の改定があります。

基準が変わるときは、間違いが起きやすいため、今年、
省エネに関する内容は、検査の重要チェックポイント
になります。

 

 

自分勝手な宣伝動画

SNSに出てきたユーチューブ広告。
全て間違っているわけではないですが、自社の特徴をかなり
強調し、ものすごく優れているように信じこませる動画。
私的には、悪質な宣伝行為だと判断します。

内容は、基礎の打ち継ぎについて。
鉄骨系大手ハウスメーカー、FC店の社長(一級建築士)が出演。
ベタ基礎主流の中で、自社仕様は今でも布基礎。
ベタ基礎を叩くため、打ち継ぎにスポットを当て、
打ち継ぎありのベタ基礎は10~30年、布基礎は60年、
強度、性能維持の期間に差が出るという説明をしている。

動画を見ていくと、主張の根拠は雑で、そもそも、ベタ基礎の
打ち継ぎは、地中に入りません。
また、最後の方で根拠を示した図が出てきますが、
鉄筋の記載もないなど、どう評価していいかわかりません。

一体打ちと二度打ちで、この主張どおりの差が出るなら、
二度打ちが主流になっていないし、鉄筋コンクリートの
建物も建てられない。確かに打ち継ぎは、弱点ではあるが、
きちんと施工し、一体化させることで問題が無いことは、
実験などで確認されています。

リンクを付けようと思いましたが、見る価値はないので、
やめておきます。

動画などは、自由に配信できる分、やはり、信ぴょう性が
ないものが多いです。


事例1261 「基礎コア抜き 鉄筋切断」

先週は、炎天下の中で動きまわった日がありました。
作業中は、汗が出るのも心地よく、もっとできる
気持ちになるので、要注意です。

無理し過ぎると、帰ってから翌日にかけての
反動が大きいです。

 

■(1)今回の事例_____________

「基礎コア抜き 鉄筋切断」
______________________ 

基礎斫り

◆写真解説

基礎立ち上がりにガス管を通すため、孔をあとからあけた。
位置が悪く、鉄筋を削った。赤線が主筋。

 

◆内容説明

コア抜き(孔のあとあけ)を指摘すると、コア抜きしていない
と反論がくることがある。

写真の孔の廻りのコンクリートが破断しているのは、コア抜きの
現象。外側から孔をあけていくと、最後は写真のようになるため
コア抜きかどうかの判断は容易につく。
(このような現象は板でも同じです)

あとあけは、やむを得ないケースもあるが、
・鉄筋を切断しない
・鉄筋のかぶりを取る
・構造的に影響のない箇所にあける

事が重要です。ちなみに写真の上端への孔あけは、好ましい位置
ではありません。

 

◆対策

設計変更などでやむを得ず、コア抜きする場合は、
監理者などに指示を仰ぎ、鉄筋位置を探査してからあける。

 

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■(2)編集後記

欠陥住宅を認知するパターンは、
1、雨漏り、カビなどの発生で自分で家がおかしいと気づく
2、その後、家全体を疑い、専門家に検査してもらい
  その他の瑕疵を知る。

1だけでも、相手の対応によっては精神的なダメージが大きい
ですが、2で重大な瑕疵が発覚すると、さらに追い打ちをかけ
てしまうことがあります。

Aさんは、1でもかなり精神的にまいり、それを察したのか、
複数の行政機関、建築士、弁護士から逃げられる。2で私に
検査依頼(何となく察しましたが断るレベルではなく引き受け)
、建て替えが必要な重大瑕疵が発覚。その後、引き受けてくれる
弁護士がいないくらい、精神状態が悪くなっています。

家に対する思いは、施主側と造る側では開きが大きい。
欠陥住宅であっても、1の症状がなければ、知らずに住んで
いる方が大半なため、業者も頻繫にトラブルになるわけでは
なく、品質に関し、疎かになりやすい。
(痛い目にあってもすぐ忘れる業者も多いですが)

Aさんの件は、弁護士が決まらないと先に進みません。
弁護士が決まったところで、本人の状態によっては
この先、意思疎通の件などで、いろいろ難しいことが
多いかと思います。

親戚の方からは、何度も連絡を頂いておりますが、
弁護士選任に難航しています。

 

事例1258 「不同沈下で基礎が折れた」

先週の土曜日の朝、新幹線内で携帯の電波が
立っていないことに気づきました。

2度ほど再起動したあとに、AUの電波障害を
知りました。

ネットは時々つながったのと、もう1台ソフトバンク
携帯を持っているので、それほど困りませんでした。

 

■(1)今回の事例_____________

「不同沈下で基礎が折れた」
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基礎割れ

◆写真解説

ベタ基礎スラブの割れ。
不同沈下が原因で、スラブが折れて、ひびが入った。

 

◆内容説明

家の中央部あたりから不同沈下していて、
丁度、沈下の起点付近でベタ基礎のスラブが折れていた。

今は地盤調査を行うので、昔ほど大きく沈下しません。
にもかかわらず、地盤保証は大きく沈下しないと
保証対象となりません。

つまり、いくら基礎が折れていても、傾斜角が保証基準
を超えないと保証対象外。保証会社に有利な内容です。

 

◆対策

地盤調査会社に判断を丸投げしているケースは判断ミスが多い。
軟弱地盤の場合で、判定に疑問がある場合は、
セカンドオピニオンを求める。

 

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■(2)編集後記

6月に実施した欠陥検査の数が多く、未だに書類作成に
追われております。

1件終わったら次に着手ではなく、優先順位を付けて、
数件の書類を並行して作成します。

まとめて1件ずつ仕上げるよりも、途中に時間を置くことで
考え直す時間が増えるなどのメリットがあります。

あと残りは、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の建物。
木造とは違うパターンの瑕疵が多くあり、
作成に時間がかかっております。

事例1257 「基礎立ち上がりかぶり不足」

梅雨が明けたというニュースに耳を疑いました。
あまりにも早すぎますし、雨もあまり降っていません。

梅雨が明けると、夏の結露、カビ被害が出始めます。

 

■(1)今回の事例_____________

「基礎立ち上がりかぶり不足」
______________________ 

かぶり不足

◆写真解説

基礎立ち上がり部、鉄筋かぶり不足。
基礎の位置を間違えて施工したため、
鉄筋が端に寄ってしまった。

 

◆内容説明

基礎立ち上がりのかぶりが23mm。
下部が地中に入るため、真っすぐ鉄筋を組めば
本来40mm以上かぶりがある箇所。

原因は、基礎の位置を外側にずれて施工。
躯体との位置を合わせるため表面を削り、かぶりが不足した。

住宅の現場では、位置出しは基礎屋さん任せで
現場監督がチェックしない会社が多い。

 

◆対策

2,3CMくらいの位置ずれが起きる確率は高い。
位置出し時にダブルチェックを行う。

 

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■(2)編集後記

先週末、体調を少し崩しました。
出張先で2日間、動きづめの検査。
急に暑くなった日に屋根の上にいたことが原因だと思います。

今週は最高気温35℃以上が続く見込み。
まだ暑さに慣れていないため、今週は特に気を付けないと
いけないですね。

 

事例1252 「鉄筋切断」

GWの直前と直後に遠方の検査を組んでおります。

コロナの影響で、未だ飛行機の便が少ない、欠航しているなど
の影響を受け、2ケ所ともハードなスケジュールを組みました。

新型コロナで制限が出てから、3回目のGW。
そろそろ、元の状態に戻って欲しいですね。

 

■(1)今回の事例_____________

「鉄筋切断」
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コア抜き鉄筋切断

◆写真解説

コア抜き(孔のあとあけ)したコンクリート片。
よく見ると鉄筋の断面が見える。
鉄筋の位置を確認しないまま、基礎に孔をあけ、
鉄筋も切断した。

 

◆内容説明

コア抜きを社内規定で禁止しているにもかかわらず
コア抜きをして、鉄筋まで切ってしまった。
現場監督の段取りが悪く、設備業者がスリーブを
入れ忘れたことが原因。

今回の例では、強度とかぶりの問題があるが、
ハウスメーカー側は、強度は計算により問題ないことを
確かめ、かぶり不足については、あけた孔を塞いだ。

鉄筋コンクリートのマンションやビルでも
コア抜きにより鉄筋が切られていることが多く、
割とよくある事例です。

 

◆対策

コア抜きの必要がある場合、鉄筋位置を調べ、
かぶりを確保して孔をあける。

 

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■(2)編集後記

建築費の高騰は、木造より、鉄筋コンクリートや重量鉄骨で建てる方に
影響が大きいようです。

最近、これらの構造で建築する複数の方の相談に乗りましたが、
建築業者が予想外の金額を提示しているようです。

特に住宅においては、木造に比べ、施工する業者が限られます。
競争が木造より少ない分、リスクを取ってまで仕事を取ろうと
しないようです。

建築費は今が一番安い。今後、さらに上がるという予想をしている人も
多く、情報収集を続けたいと思います。

 

 

事例1249 「スリーブ孔拡大」

昔は3月が仕事のピークでしたが、
最近は2月に分散する傾向で、3月に検査が
集中するということがなくなりました。

それでも、思っていたより、バタバタはしていて、
この3連休も、仕事しております。

 

■(1)今回の事例_____________

「スリーブ孔拡大」
______________________ 

基礎孔あけ

◆写真解説

基礎スリーブ孔。
配管勾配の高さが合わず、上に孔をあとあけした。
鉄筋を切断していないものの、孔拡大に対応した
補強ができていない。

 

◆内容説明

当初設置したスリーブ位置が低く、配管勾配を取るために、
既存のスリーブ上に追加で孔をあけた。

基礎に孔をあけること自体、規定どおりであれば問題ないが、
孔の大きさに応じて、補強筋を入れる必要がある。
あとから補強はできないため、構造耐力上、問題がある。

もう一つNG施工が写っている。
写真一番右、2つのスリーブ孔の近接。
本来、規定の距離を取る必要がある。

 

◆対策

住宅の設計においては、設備設計を詳細に行う会社は少なく、
排水管は高さの制約がない、人通口を通す例が多い。

スリーブを設ける場合は、詳細な配管図をつくる。

 

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■(2)編集後記

先日、良い報告を頂きました。
昨年欠陥検査を行った家、話し合い(裁判外)の結果、
建て替えが決まりました。

建て替えや買取りで終わるものばかりだと良いですが、
好ましくない結果で終わるものも、たくさんあります。

紛争になった際、最終結果に影響を及ぼすのは、
不具合の内容以外に、依頼先の対応が関係します。

依頼先を決める時、もめた時の対応の良し悪しまで
考えて決める方はいないと思います。

紛争解決を多く見ている私からすれば、
もめる確率はわずかですが、万が一のために
そこを考慮することは重要だと考えています。

契約までは、どの営業マンもいい顔をするので、見極めるのは
難しいです。とはいえ、情報収集をすれば、分かる場合もあります。

弊社は、大手や東海地方の有名工務店であれば、
そのあたりの情報は即答できます。
(対応が悪い会社においては、マイナスの情報であり、
 電話やメールではお答えはできません)

 

 

 

事例1234 「レベラー硬化不良」

今日午後の現場、風も入らない屋根直下にいた所、
熱中症になる不安を感じました。

10月に30度超え。名古屋は今日だけでなく
ここ数日、続いております。

 

■(1)今回の事例_____________

「レベラー硬化不良」
_______________________ 

◆写真解説

基礎レベラーの硬化不良。
チョークで文字が書けないくらい柔らかい。

 

◆内容説明 

基礎天端から10mm程度は、水平を出す「レベラー」の
施工があるのが一般的。
写真は、施工時に水が少なかったか、撹拌不足か、
固まる前に水を足したのか、何らかの原因で硬化していない。

基礎の一部分であり、本来であれば十分強度も出る材料。

この件は、1階床を組まれてしまうと分かりにくい。
新築の基礎完成検査で、年に1,2件指摘をします。

 

◆対策

基礎完成時に硬化具合をチェックする。

 

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■(2)編集後記

明日は遠方の裁判に出るため、朝早く出発します。

翌朝、電車が止まるなどのリスクを考え、
前日に現地入りすべきだと思いますが、
前日の現場検査予定が多いと難しいです。

クラウドサーバーを使うなど、どこでも仕事できる体制に
していますが、事務所での仕事が一番効率が良いです。

事例1206 「スラブ筋、かぶり不足」

先月から忙しさが続いております。

昨日、50ページ超の裁判書類と雑誌原稿を書き上げ、
ホッとしましたが、まだ、たくさん書く仕事があります。

来月に入ると現場予定なども比較的余裕がでてきます。

 

■(1)今回の事例______________

「スラブ筋、かぶり不足」
_______________________

◆写真解説

ベタ基礎の鉄筋を探査した電磁波レーダーの画像。
鉄筋(赤丸)がスラブの底(表面から150mm)の位置にあり、
下のかぶりがない。縦軸が深さ。

 

◆内容説明

施主さんの撮影した生コン打設中の写真から想像すると、
原因は作業員が鉄筋を踏み、サイコロがずれた。

スラブ筋はD10@200mm。
人が鉄筋を踏めば、サイコロがずれる可能性が高い。

スラブ筋下の最低かぶり厚さは、60mm必要。
基礎の下部分のため、修理は基礎をやり替えるしかない。

コンクリートを打たれてしまえば、分からなくなる事例、
今回は、欠陥検査で実施している鉄筋探査で発覚した。

 

◆対策

上を歩いても、弱く感じないスラブ配筋はD13@200mm以下。
@150mmだとかなり頑丈に感じる。
そもそも、瑕疵保険基準のベタ基礎配筋にD10の選択はない。
構造計算でOKであっても、スラブ筋はD13にする。

 

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■(2)編集後記

新築検査の完成検査で、いろいろ指摘を出したら
現場監督の顔色が変わった。

当初は普通な感じでしたが、見るからに苛立っている。
修理の段取りが面倒だからでしょう。

社内検査をきちんとしておけば、指摘はそれほどでないはず。
自分の怠慢が原因なのに苛立ってどうすると思います。

指摘を出しても、その内容が理解できない現場監督が増えています。
日常業務に余裕がなく、自分自身レベルアップを図ろうとしない、
会社の方も勉強する機会を与えないのが原因だと思います。

建築の学校を出てきても、現場では即戦力にはなりません。
社会人になってからの勉強が大事なのに、会社に入れば、
段取りや雑用ばかりやらされている印象しかありません。

 

 

 

 

 

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