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事例1289 「バルコニー排水管、逆勾配」
先日、打ち合わせが、ひと段落したと書きましたが、
今週末から再来週にかけて、打ち合わせ、面談予定
が多いです。
現場予定を優先するため、打ち合わせ、面談は
1日に1件、もしくは2件しか予定できないため、
余計に予定が取りにくく、ご迷惑をお掛けします。
リモートですと、場所に関係なくできるので
早い日にちでも実施可能です。
■(1)今回の事例_____________
「バルコニー排水管、逆勾配」
______________________
◆写真解説
バルコニー排水管、壁貫通部の横引き管が逆勾配。
つまりの原因になる。
◆内容説明
説明は、解説に記載したとおり。
バルコニーFRPの排水管は、写真の状態まで、
防水工事で施工。つなぎは、樋の業者が行います。
目で見ても分かるため、よくある事例ではありません。
ここがこんな状態ですと、FRP自体の手抜きも心配
になります。(仕上がると、手抜きが分かりにくい)
◆対策
完成すると分かりにくいので、工事中にチェックする。
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■(2)編集後記
最近、詐欺まがいの事例が多く寄せられています。
建設業者の数が減っているにもかかわらず、
悪徳な業者が減らないのは、悪い業者の廃業、倒産
確率が低いためかもしれません。
悪い業者がいるので、新築着工数が減っても、
私の仕事は減りません。
年々、紛争事案の割合が増えていまして、数年前に
比べますと、裁判の手持ち数も倍になりました。
紛争が好きな訳ではありませんが、
(人からは好きだと思われています)
難しい事案ほど、レベルアップにもなるので、
断らず受けていたら、数が増えました。
事例1281 「基礎高さ不足」
一年で一番、検査がしやすい気候は5月。
昨日は、遠方への出張先で、5月のような気候の
中、快適に検査ができました。
■(1)今回の事例_____________
「基礎高さ不足」
______________________
◆写真解説
長期優良住宅の家。地面からの基礎の高さが低い。
本来、劣化対策の規定で400mm以上必要
(基準法は300mm以上)。
◆内容説明
周囲の地盤の埋め戻し土が高く、基礎の高さが確保
されていない。
原因は、外構工事との連携が悪い、元々のGL設定に
ミスがあるなど。
長期優良住宅などの適合に関係なく、400mmの高さ
を標準としている家が多く、400mmは一般的な高さ
です。
地面に近いほど、湿気や雨の跳ね返りの影響を受けや
すく、400mm以上確保することが重要です。
◆対策
設計時からGL設定に注意し、外構工事においては、
地盤高さを守らせる。
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■(2)編集後記
建てる前の個別相談に来れれる方が、よく口にする
のは、「もっと早く来ればよかった」
面談では、普通では知ることができない、メーカー
ごとの性能等の情報に加え、品質レベル、アフター
サービスの対応などの情報もお伝えします。
検査業務と、多くのハウスメーカー相手の争いに
おいて得た情報なので、他では聞けない話しばかり
です。
事例1280 「鋼製束変形」
昨日の夕方、あるYouTubeチャンネルにゲスト
出演してきました。
雑談的な話を1時間弱しました。編集後に公開
される予定。公開されましたら、告知いたします。
先回、いろいろな秘密を知っているということを
書きました。今回はもちろん、きわどい話は、控
えたつもりです。
■(1)今回の事例_____________
「鋼製束変形」
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◆写真解説
鋼製束の変形。工事中、重量物を落としたことが
原因。
曲がった分、床が下がり、そのまま完成した。
◆内容説明
完成検査で床下にもぐり、発見。
工事中、フローリングを貼る前に重量物が床に落下。
合板などに目立った損傷はなかったので、そのまま
仕上げた。
大引きなどに損傷はなく、鋼製束だけの被害。
床に傾斜があったため、束の交換と水平修理を指示
しました。
束は1階の積載荷重を支える材料。スチール製で
細いため、大きな衝撃があれば、曲がります。
(完成後、少しものを落としたくらいでは、曲がる
ものではありません。)
◆対策
完成時の床下検査を実施したか、施工会社に確認
しましょう。
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■(2)編集後記
これから、いくつか建て替え要求を出していきます。
適当に建て替えだと言っているのではなく、検査し、
その後、再計算など必要な検証も実施した上での
判断です。
それでも、相手が拒めば、設計性能を回復できない
補修で妥協するケースもあります。
かなりの頻度で建て替えが必要な現場が出てくる
ため、知らないだけで、同じような家が、かなり
あると思います。
先月検査した家は、建築基準法の耐震基準が全く
守られていなくても、確認申請が下りてました。
(構造審査省略物件のため、ノーチェック)
これに関しては法改正が控えているので、将来的
には無くなりますが、構造審査が必要になれば、
構造計画のミスが増えると予想しています。
事例1266 「ほぼ全て、床タイルが剥離」
今回の台風、途中から速度が上がったため、
台風の影響による出張の変更はありませんでした。
予定が空けば、書類作成の仕事が進みますが、
どこかでスケジュールがきつくなります。
■(1)今回の事例_____________
「ほぼ全て、床タイルが剥離」
______________________
◆写真解説
床タイルが剥離し、業者がタイルを撤去。
その後、修理が中断し、下地のまま放置されている。
◆内容説明
RC造の家、施工不良で入居後からタイルが浮き、
最終的には全て浮いた。
浮くことで、段差が出来て、足を怪我する、タイルが
割れるなどの影響あり。
モルタルで貼りつけた場合、壁でも床でもタイルは
剥がれる事例が多い。今回も剥がれた面を見ると、
施工不良が疑われる。
木下地では、接着剤で貼りつけるため、剥離の可能性
は低い。
RC下地でも接着剤で貼るケースが増えています。
◆対策
完成時や初期の定期点検時にタイルの浮きのチェック
をする。
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■(2)編集後記
夏場の家に発生するカビ問題。
件数が多い割に、被害者以外、騒がれていません。
裁判所を含め、一般的にはシロアリ被害のような考えで、
設計や施工者の注意で100%防ぎきれるものではなく、
発生した場合は、程度に関係なく、自己対応。
今年もかなりの数のカビ被害情報が寄せられています。
今後、気象変動や家の気密化が進むと、被害は今より
増加していくと思います。
誤った計画により、カビが発生しているものは、告示
などである程度の規定を決めれば、被害は減らせると
思います。しかしながら、国が動くには、シックハウス
のような社会問題にならないと無理です。
マンションのケースで一度に百人単位で被害者が出れば
注目を受けますが、戸建ての場合は、集団被害は出にくい
ので注目されにくい。
集団被害が出ない=規格住宅を大量に供給している大手
では被害が少ないということです。
事例1253 「ゴミ隠し」
この仕事をしていると、10連休を取るのは難しい
です。
それでも、大型連休は、普段よりは現場スケジュール
が入りにくく、普段に比べ、休みが取りやすいです。
■(1)今回の事例_____________
「ゴミ隠し」
______________________
◆写真解説
瓦ぶきの屋根。隅棟部に瓦の破片を入れている。
乾式施工においては重くなる、通気を阻害するなどの
デメリットしかないが、複数の業者へ聞き取りすると、
これが一般的な施工だという回答が多かった。
◆内容説明
破片は、隅棟部の瓦をカットしたもの。
ここの施工業者含め、複数の屋根業者に聞き取りした
ところ、回答の多くは、漆喰を使う湿式施工の時、瓦
の破片を入れて漆喰を施工するので、問題ないという
内容でした。
本現場は、湿式ではなく、乾式の施工。
今の時代、瓦のほとんどが乾式の施工で、湿式は少ない。
漆喰を施工しないのなら、瓦の破片に役割はなく、ゴミ
である。
念のため、瓦の施工マニュアルをいくつか確認しました
が、乾式施工において、割った瓦を入れるような表記は
ありません。
完成すれば見つからないため、下ろす手間、処分費削減
を目的として、故意にやっていると思われる。
それだけ発注単価が安く、利益が少ないのかもしれない。
地中や壁内、屋根裏などにゴミを放置するのと同じこと、
これで良いと判断していることが理解できない。
◆対策
工事中に確認すると言っても高所のため、
施主自身での確認は困難。
事前に瓦の処理について、確認をしておく。
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■(2)編集後記
本日、ネットのニュース、
欠陥住宅裁判で「慰謝料を認める異例の判決」という内容が
出てました。
このニュースを読んで、意外だと思われる方がほとんどだ
と思います。
弁護士のコメントで、
「建物の瑕疵(かし)で慰謝料が認められるのは画期的」
とあるように、欠陥住宅裁判では、私も慰謝料は認められ
ないものだと思っています。
裁判でなく、直接の話し合いであれば、慰謝料を請求し、
相手が支払うケースはあります。
外壁の耐久性
家を建てる方へ、仕様の希望を聞くと、
「できるだけメンテナンスのかからない家」
という回答が多い。
対応する仕様として、ハウスメーカーから
高耐久シーリングやタイル外壁などを勧められる
ケースが多いようです。
あるハウスメーカーは、耐久性が高いとして
屋根、外壁とも、ガルバを勧めています。
先日、見たガルバの外壁の家。
雨の当たらない軒下は、塗装が劣化してました。
いろいろ調べるとガルバは、雨に当たる方が、汚れが落ちて、
長持ちするようです。
そうなると、ガルバ外壁の場合、軒ゼロ仕様に加え、
雨の当たらない箇所ができる場合は、
そこだけ、材料を替えたほうが良いことになります。
外壁の塗装業者に聞くと、今のガルバが使われるように
なってから20年くらい。住んでる方は、30年くらい
塗り替えしなくても良いと思っている方が多く、少々、
塗装が劣化していても放置している人が多いと言ってました。
事例1248 「サイディングの汚れ」
先週、これから建てる方の見積書をチェックした際、
昔に比べ確実に値上がりしていると思いました。
戦争が始まったことで、さらなる資材高騰が懸念され
家を建てる方には条件が悪くなっています。
■(1)今回の事例_____________
「サイディングの汚れ」
______________________
◆写真解説
サイディングの汚れ(藻、苔、カビ)。
築浅でも汚れがひどく、美観を著しく損傷している。
◆内容説明
外壁に藻などが付き、ハウスメーカーに連絡をすると、
よくあることで自然現象だから、自分で洗ってくださいと
言われるケースが多い。
藻などの付着を完全に防ぐことは難しく、少々であれば
仕方がない。しかし、写真のようにひどく汚れている場合は、
建物の設計や施工に問題があることが多い。
被害のひどい家に共通している内容として、
サイディングの色が汚れが目立ちやすい白系。
また、藻などが付くには水分は欠かせないため、
軒がなく、壁に雨が当たりやすい家、その他、
外壁通気層の施工に不備がある家が多い。
◆対策
周辺環境を見て、対策を講じる必要があると判断した場合、
濃い系の色のサイディングを選ぶか、外壁をガルバなどにするなど。
外壁通気を十分機能させることは、汚れに関係なく
建物の耐久性に影響するため、重要です。
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■(2)編集後記
今月すでに、2つの裁判に参加しました。
建築紛争の当事者になった方が口をそろえて言うことは、
「こんなに、いい加減な場だと思わなかった」
今回も主張している主旨が、一部、ずれていて
説明をしても、聞く耳を持ってくれません。
そんな状況でも最終手段として裁判は必要で、
納得する、しないは別として、解決には有効です。
事例1240 「床下のカビ」
年末の休みまで、あと2週間ほど。
未だ、年内に予定を入れて欲しいという依頼がありますが、
特に混み合う時期でもあり、新築検査の枠以外、
ほとんど予定を埋めております。
また、今月対応できない予定を1月にスライドしているため、
欠陥住宅検査などは、これから依頼を頂きますと
2月の検査になる可能性が高いです。
■(1)今回の事例_____________
「床下のカビ」
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◆写真解説
1階床合板のカビ。基礎の打ち継ぎ部から雨が浸入。
基礎断熱仕様の家であるが、床下換気はなく、密閉状態。
それゆえ、床下が猛烈に湿気て、カビが大量発生した。
◆内容説明
カビ問題は、最近急増しております。裁判で争っている家も年々、
増えており、問題解決のノウハウをかなり蓄積しつつあります。
今回の例は、基礎の打ち継ぎ部が、地面より低く、地下水が浸入した。
これはよくあるパターンで、設計者や現場監督の経験が豊富であれば
予見できる内容です。
こうなると、水が入らないように防水し、
内部を徹底的に乾燥させ、除カビ、防カビ処理を行う必要がある。
もともと、床下の換気計画もないため、今後の湿気対策として、
床下換気の設置も、再発防止のために検討する必要がある。
◆対策
カビ被害を予見できる現場の実務者は非常に少ない。
夏場の湿気、カビ対策を家の計画時に検討する。
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■(2)編集後記
設計事務所に設計を委託。
工事中に第三者検査を入れる旨を伝えたところ、
拒否されたという話を伺いました。
設計者である建築士は自分自身の無知がばれるため、
NGを出すケースが多いです。
設計事務所は、開業資金がそれほど必要ではなく、独立しやすい商売。
独立しやすいため、十分な経験、知識の蓄積無しで独立する人も多く、
独立してしまうと、誰もダメ出しをしないため、
間違っていてもそのままになる。
最近は、設計、デザイン力のある工務店が増えています。
淘汰されないためには、検査を断っている場合ではないと思います。
事例1230 「漆喰のかび(外壁)」
お盆休み明けから、かなりスケジュールが混んでおりました。
1日の予定の上限を決めているものの
やむを得ず、それ以上に入れてしまう日が多かったです。
気温の高さもあり、この時期に現場予定が多いのは厳しいです。
■(1)今回の事例_____________
「漆喰のかび(外壁)」
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◆写真解説
これは何の写真かわかりますか?漆喰の外壁に発生したカビです。
ひび割れも全般的に発生している。
◆内容説明
新築してすぐ、外壁が黒くなり出し、
施工業者が原因を解明しないため、検査依頼を受けました。
同時例で裁判中の現場もあり、原因は同じかと思いましたが、
根本の原因は、下地のモルタルが薄いことで、全般的にひび割れ、
雨が内部へ浸入するためと判断しました。
外壁以外に重大な設計、施工不良が多い家です。
◆対策
モルタルの厚さは、防火基準にも関係する。
職人への指示の徹底と施工中に厚さなどをチェックする。
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■(2)編集後記
欠陥住宅検査を実施した家、
3件続けて、ひどい欠陥住宅でした。
この仕事を20年ほど行ってきて、
未だ、このような現場が無くならないのは、残念に思います。
検査で私の指摘を受け、会社ぐるみで品質改善するのは10社中1,2社。
残りは、その時だけ対応し、元通り。
6年ほど建築専門誌で施工ミスなどについて連載もしましたが、
そもそも、雑誌を読んでいるのはごく一部で、
さらに発行部数減で休刊になってしまいました。
向上心もなく、勉強もしない業者がほとんど。
最近ではSNSの影響で素人の施主の方が知識が豊富だったりします。
この状況を改善するには、行政に期待できない分、
業者自体をかえていくしかありません。
最近では、SNS上で情報がいろいろ出ています。
これらが脅威となり、品質が上がていけば良いと思います。
SNSだけでなく、TVの影響も見るようにしています。
以前告知したフジテレビの報道番組のロケ、
来月には放送予定です。
完成検査 傷の指摘なし
今年は、緊急事態宣言などもございますが、
3月の忙しさは例年どおり。
月末までほぼスケジュールを埋めております。
昨日、新築の完成検査の現場。
傷、汚れの指摘がゼロでした。
軽微なものが5つ以内という現場は、年に数件ありますが、
ゼロは20年間くらい検査の仕事をしてきて初めてです。
名前は出すのを伏せておきますが、大手ハウスメーカーです。
監督さんが、かなりしっかりした方でしたし、
大工さんなども皆さん、丁寧でした。
一般的には、完成検査時に傷などを指摘すると、嫌な顔をする監督が多いです。
どうせ住めば傷が付くと言って、施主さんからの傷の指摘を受け付けない会社
もあります。(意外と上場企業に多い)
傷ついた材料を交換しろと言えば、抵抗があるかもしれませんが
補修業者の予算を確保し、傷がない、きれいな状態で引き渡した方が
お互いが気持ちが良いと思います。
この辺りの対応でも業者の良し悪しが分かります。
有限会社カノム 名古屋市守山区小幡南三丁目20-28 シャトー小幡駅前 303
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