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事例1207 「構造用合板の欠落」
今朝、積雪がなく油断をしていたところ、
道路が凍結していて、交差点での発信時にタイヤが滑りました。
急に寒くなったため、現場での服装も一昨日から真冬の格好です。
■(1)今回の事例_____________
「構造用合板の欠落」
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◆写真解説
1階内部の壁、構造用合板未施工。
本来、合板が梁まで達するため、天井裏で合板が見える。
◆内容説明
耐力壁を筋交いと構造用合板で設計している家。
現場監督が図面を見落とし、構造用合板を入れ忘れた。
その数、約10枚。
壁量計算をやり直すと、基準法の必要耐力を下回る。
つまり、建築基準法違反で危険な状態。
最終的に未施工が確認できたのは、築6年経過してから。
その間、危険な状態の家に住み続け、事実を突きつけたあとも
早急に直す気配もない。
全国的に展開している割と有名な会社。
同じような家が他にもあると思われる。自主的に調査をすべきであるが
おそらく10年の瑕疵担保保証切れを待つと思われる。
構造に関する重大な問題であるため、
行政や国土交通省に内容を通知する予定もしております。
◆対策
この手の構造の問題は、完全には無くなりません。
施工者だけに品質管理を任せない。
第三者であっても施工者が発注する検査をあてにしない。
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■(2)編集後記
今年もあと10日ほどになりました。
新型コロナ感染の急増で、来週予定をしていた遠方の予定を延期。
その空いた日は、前後にぎゅうぎゅうに詰めていた予定を均しました。
年末まで欠陥検査1件。分譲の完成検査2件、
その他新築検査などで土日も予定が埋まっています。
事例1143 「野地板の変形」
昨日まで、昼間は現場予定がぎっしり、夕方からは打ち合わせで
余裕が全くなかったです。
今日は早めに事務所に戻ることが出来ましたが、のんびりは出来ません。
深夜便で海外出張へ出かけます。
現地1泊、機内2泊の余裕がない日程。
移動が多いため、メールなどをチェックする時間も限られそうです。
■(1)今回の事例______________
「野地板の変形」
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◆写真解説
屋根合板の表面が剥離し、浮き上がっている。
濡れが原因。屋根の仕上げにも影響が出る。
◆内容説明
軒先から少し上がった箇所で、何箇所か山になっていた。
施工中に濡れ、ルーフィングが乾燥を妨げた可能性がある。
合板が剥離すれば、材の耐力低下も懸念される。
屋根を施工する前に発覚したため、施工者に改善を要求しました。
夏場になると躯体濡れの問題が増えます。
天気予報をしっかり見て、工程を決めることが重要です。
◆対策
雨養生をしっかり行う。濡れた場合は乾燥させる。
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■(2)編集後記
雨漏りを指摘すると、雨漏りではなく水漏れ、結露だという反論がよくあります。
どれも水に関することなので、判別が難しい場合もある。
業者が雨漏りを嫌うのは、瑕疵担保責任があるからです。
施工ミスが無くても、雨漏りしていれば、直さないといけません。
水漏れは経年劣化、結露は住まい方が原因だとして
逃げられる可能性がある。
最近は1年中、雨漏りの相談が寄せられますが、
これから台風シーズンにかけて、雨漏りが多くなります。
事例1096 「構造用面材 釘間隔の不備」
真夏のような暑さになりました。
建物内の検査でも、最上階は暑いです。
断熱性能が良い家は、工事中でも比較的快適です。
夏の暑さを考えますと、最上階の断熱材は厚くしておいた方が良いです。
■(1)今回の事例______________
「構造用面材 釘間隔の不備」
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◆写真解説
構造用面材の釘間隔が広い。この面材の釘間隔の規定は@100mm。
構造用合板の@150mmと勘違いして施工。釘留めが少ないと耐力不足となる。
◆内容説明
合板以外に耐力面材が何種類かある。
施工前に釘間隔を指示しないと、間違えて施工するケースがある。
釘の間隔、合板の場合@150mmが一般的。
構造用面材では@125mmや100mm、75mmなどもある。
面材の耐力は釘の本数で決まる。
同じ面材でも、釘の間隔を狭めれば、耐力が高くなる。
設計で計画した耐力に応じた釘の施工が重要です。
◆対策
構造の検査時、釘の間隔を確認する。
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■(2)編集後記
今日の午前中は、名古屋地裁。
高等裁判所側の駐車場は満車。
向かいの家庭裁判所に車を止めました。
家庭裁判所の駐車場は、かなり広いですが、ほぼ満車に近い状態。
周囲の道路は朝の一部以外、路上駐車がOKなため、用事のない人は止めないはず。
それだけ、争いが多いという事でしょうか。
事例1078 「構造用面材の大きすぎる開口」
明日から来週初めまで出張が続くので、
ここ数日は、書類作成の時間を優先して確保しました。
書類作成もスケジュールを決めて取り掛かります。
いつも読みが甘く、予定より早まることはありません。
■(1)今回の事例______________
「構造用面材の大きすぎる開口」
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◆写真解説
構造用面材にあけられた開口。開口が大きく、数も多い。
耐力が大幅に落ちる。
◆内容説明
構造用面材は、コンセントやスイッチ、換気扇などの開口が弱点となる。
それでも一切あけてはダメということでなく、規定どおり大きさ、位置であれば
開口はあけられる。
写真は分電盤を入れる予定であけられた穴。
基準を調べるまでもなく耐力低下は明らか。
(製品により規定が違うため、詳しい基準の掲載は省略します)
◆対策
製品により規定がいろいろ。
事前に施工マニュアルを確認する。
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■(2)編集後記
今日は風が強かったです。
今日みたいな日には、事務所付近は風を強く感じます。
反対に自宅は、それほど強い風を受けません。
何が違うのか?
高低差はそれほどありませんが、事務所の地形は、山の頂上のような場所。
自宅は盆地。
改めて考えると、なるほどと思いました。
距離として6KMくらいしか離れていませんが、
少しの高低差で、風の強さが変わります。
事例1027 「石膏ボード、ビス未施工」
片道240KMの往復移動と現場検査で1日終わり。
この時期の高速道路は、各所で工事を行ってます。
いつもより時間に余裕を持たないと、遅刻します。
■(1)今回の事例______________
「石膏ボード、ビス未施工」
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◆写真解説
石膏ボードの耐力壁。留めつけるビスの施工がない。
建物の耐力が大幅に不足する。
(写真は2枚張り部、ボードをめくり1枚目の留めつけを確認)
◆内容説明
防火性能を高めるため2枚張りしている箇所。
2枚目にだけ、ビスを施工している。
1枚目は構造+防火、2枚目は防火の規定どおり、ビスを施工する必要がある。
職人に指示をしなかったことが未施工の原因。
壁を壊してまで、重要な耐力壁を確認するきっかけになったのは、
他にもいろいろ無知だと思えるミスが多かったためである。
◆対策
石膏ボードが構造、防火の役割をしている場合、
工事中にビス間隔のチェックを行う。
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■(2)編集後記
先週末、受講した「定期建築士講習」。
休憩時間を除き、計約6時間、DVDを見て、最後1時間、テスト。
6時間の講習の中に、建築紛争に関する内容もあります。
ただし、時間にして数分の内容のため、
建築士に紛争予防の注意喚起をするには物足りません。
建築士や施工会社だけでなく、注文者側も紛争予防に心がける必要性を
常日頃の業務から感じます。
事例972「構造用合板欠落」
今日の昼前、空が暗くなり、雷が鳴り始めたと思ったら
強い雨が降ってきました。
最近はスマホで雨雲の動きが確認できます。
今日みたいな日はあらかじめ調べておくとよいですね。
■(1)今回の事例______________
「構造用合板欠落」
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◆写真解説
石膏ボードの裏側にあるはずの構造用合板がなく、
設計耐力が確保できていない。
合板の施工があれば、下地探しの針が止まる。
◆内容説明
一部、構造用合板を内側の壁に施工するケースがある。
その場合、断熱材施工後に合板の施工となるため、
保険の構造検査などで確認できない。
未施工分、耐力が落ちる。
◆対策
石膏ボードを張られると見えなくなる。
見える段階でチェックする。
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■(2)編集後記
雨の降り方が変わってきているようです。
これだけ量が多く、強いと雨漏りの懸念が増えます。
新築時は瑕疵担保保証が10年間あります。
最近は瑕疵保険もあるため安心です。
10年超えて防水工事をやりかえた際は
保証書をもらっておきましょう。
保証書がないと、雨漏りした場合に
経年劣化で処理され、修理代が自己負担になることがあります。
事例951「面材釘の外れ」
今週は毎日4件ほど予定を入れています。
昼間、現場に出ていると夜、時間がありません。
昼の休憩時間に発信しています。
■(1)今回の事例______________
「面材釘の外れ」
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◆写真解説
構造用面材、釘の外れ。間柱部は釘が外れやすい。
増し打ちしていないと耐力的に弱くなる。
◆内容説明
よく使われる間柱の幅は3CMと細い。
外側から釘を打つ際、間柱が見えないため
外してしまうケースが多い。
外れてしまった場合は、釘を近くに増し打ちし
外れた釘は抜く。
◆対策
間柱の位置を構造用面材に墨出してから釘を打つ。
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■(2)編集後記
欠陥検査に入った現場の業者が夜逃げした。
これから裁判が始まるところでした。
数多くの基準違反、施工不備がありながら
非がないと主張し、最後はこの結末。
他から聞いた話によると
工事中の現場などで代金を先払いさせ、逃げたらしい。
このパターンは過去にも3件ほどある。
契約時に業者を疑ってかかれば、見抜けたかもしれません。
慌てて契約しないことが大事です。
事例840「構造用合板の開口」
今日は天気が良いわりに高速道路は空いていました。
運動会シーズンだからでしょうか。
かなり早く現場に到着、予想よりも早く事務所に帰れました。
■(1)今回の事例______________
「構造用合板の開口」
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◆写真解説
耐力壁、構造用合板の大きな開口(200mm角)。
大きな開口は剛性・耐力に影響する。
◆内容説明
構造用合板などで耐力を取る部分。
スイッチやコンセントが1ケ付く程度なら
その開口は剛性・耐力に影響しない。
2つ並ぶなどすると開口が大きくなるため注意が必要です。
構造用合板の開口基準。
木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2008年版)に
「穴径は12×材厚以下かつ、面材幅÷6以下」
「穴径が50CM程度までなら四周を受け材等で
補強して釘打ちすれば可」とある。
◆対策
電気屋さんは悪気なく開口を開けます。
工事途中で開口が大きくなる場合は、
受け材を四周に入れるなどの指示を出す。
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■(2)編集後記
弊社にとって検査道具は非常に重要。
高額なものを除き、他に良いものがあると
知ったときは即、買い替えしています。
性能だけでなく使い勝手がいい、軽いなども買い替え、
買い増しの条件です。
特に床下で使う道具は、何度か買い替えています。
最初の頃に比べると不便を感じなくなりました。
あとは、絶対に曇らないゴーグルがあると良いですが。
事例809「耐力壁の不備(リフォーム)」
夕方、ビルの検査の下見に行きました。
施工業者が現地にいて、ウエルカムでない空気を感じました。
ゼネコン人たちは住宅メーカーと違い、
第三者検査に慣れていない。
警戒感がよく伝わってきます。
■(1)今回の事例______________
「耐力壁の不備」
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◆写真解説
構造用合板が壁の上まで届いていない(2×4)。
これでは耐力壁として成立せず、耐震性能が確保できない。
◆内容説明
2×4は構造用合板と石膏ボードで耐力を取っている。
これらは外周部と中間部をビスや釘で固定することで
所定の耐力が確保できる。
リフォームは非常に危険です。
新築より業者のレベルが下がります。
写真の現場も2×4を分かっていない業者が施工。
耐力壁をたくさん無くしてしまった。
◆対策
工事中に第三者検査を入れる。
回数は新築より、少なくて済むので
予算は抑えられます。
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■(2)編集後記
朝一番で行った現場で床下に入った。
人通口の真ん中にキッチンの配管が通っていて、
見た目、通れそうでしたが通るのに苦労。
着ていたつなぎが破れました。
基本的に人通口に配管を通すのはダメ。
設計時に配管が無計画な場合、水道業者が自己判断で施工してしまいます。
事例804『耐力面材 釘打ち忘れ』
土日が休みでないため、金曜の夜といっても
普段どおりです。
明日は遠方への打ち合わせのため早出。
これを書いたら早めに寝ようと思います。
■(1)今回の事例______________
「耐力面材 釘打ち忘れ」
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◆写真解説
耐力面材の上端、釘打ち忘れ。
面材の周囲は全て釘を打つ。
◆内容説明
筋かいの代わりになる耐力面材。
周囲と間柱部を釘打ちで留める。
現場で大工さんが釘打ちするため、
以下のようなミスが起きやすい。
今回のような打ち忘れ、釘の位置ズレ、ピッチが広い、
釘頭のめり込みすぎ。
◆対策
耐力面材の釘を全数検査する。
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■(2)編集後記
ホームインスペクションの資格を信用し、その方へ検査を依頼。
素人や建築士の資格が無い大工さんが見ても
疑問を感じる検査だったということで、私に検査を依頼してきた方がいます。
こういたケースは年に5件くらいあります。
最初の検査料が無駄です。
建築士の資格でもそうですが、持っている=知識があるとは限らない。
私はハウスメーカー時代に一級建築士を取りました。
学校を卒業してから時間が経ってなかったため
学科はあまり勉強せず受験。仕事もプレハブで知識があまりいらない。
資格は取ったものの建築の知識は薄かったです。
そのため、ハウスメーカーを辞めてから、
覚えることがいっぱいで苦労しました。
資格も大事かもしれませんが、資格だけに目が行ってはダメです。
有限会社カノム 名古屋市守山区小幡南三丁目20-28 シャトー小幡駅前 303
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