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事例996「石膏ボードの不備」
欠陥事例の番号が1000号に近づいてきました。
何か特別なことをするつもりはありませんでしたが
10数年、1000回のまとめみたいなことができないか思案中です。
今月中旬に1000号発行を予定しています。
■(1)今回の事例______________
「石膏ボードの不備」
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◆写真解説
1階の天井。
防火仕様を満たすため、石膏ボード2重はりが必要なところ、
1枚しか施工されていない。
◆内容説明
1階で火が出た場合、2階への延焼を防ぐために
天井石膏ボードの防火性能が重要。
写真は火災保険が割引になる「省令準耐火構造」を選択した家。
石膏ボード2重はりか、強化石膏ボードをはる必要がある。
◆対策
仕上げてから間違いに気づくと修理が大変。
大工工事中に石膏ボードの施工をチェックする。
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■(2)編集後記
瑕疵検査依頼などは、すぐに来てほしいという希望が多い。
11月は瑕疵検査や現場検査が集中していたため、
新築検査以外の急な単発の検査依頼をいくつかお断りしました。
この週末はまた遠方の検査へ行きますが、現場の混み具合は今週くらいから解消。
あとは書類を処理していけば、平常に戻りそうです。
今日から12月。年内に瑕疵検査を希望する方はお早めにご連絡ください。
特に年内に書類を受け取りたい場合は、検査は15日くらいまでに行う必要があります。
事例917「省令準耐火構造の不備」
早朝、高速道路を走行中、私の前を走っていた大型トラックの
右前輪がバースト。
タイヤの破片が飛び散り、ホイールだけになった車輪からは
白い煙が出た。
車間距離を取っていたため
飛び散ったタイヤも避け、車も無傷。
もう少し車間距離を詰めていたら
巻き込まれていたかもしれません。
■(1)今回の事例______________
「省令準耐火構造の不備」
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◆写真解説
省令準耐火構造を選択した木造住宅の浴室天井裏。
見えてはいけない躯体が見えている。
防火性能を高めるため、石膏ボードで躯体を覆わないといけない。
◆内容説明
ユニットバスの天井点検口を開けて、躯体が見えてはいけないのは
準防火地域の木造3階建てや省令準耐火構造を選択した建物。
これらの家で躯体が見える場合は、施工不備を疑った方が良い。
またその場合、細部の防火施工も不備である可能性は100%。
省令準耐火構造の施工ミスはかなり多いです。
◆対策
完成してから不備が発覚すると修理が大変。
工事中に施工をチェックする。
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■(2)編集後記
瑕疵検査を行ったあと、業者からの回答に満足いくものが
最近、何件か続いています。
最初からすんなり非を認めてくれるケースもあれば
そうでないものもあります。
今現在も、いくつか交渉中で、
いい回答を引き出すために、知恵を絞っています。
ある大手メーカーは、現在逃げの体制。
是正すると回答をしながら、工事の計画を進めない。
たぶん、新築が忙しくそっちが優先なんでしょう。
事例902「界壁石膏ボードの不備」
ここ2日間、現場予定がハードでした。
昼ご飯を食べる時間もなく、朝から日没まで現場です。
争い事の処理も次々と入り、
今月は休みが取れそうにありません。
■(1)今回の事例______________
「界壁石膏ボードの不備」
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◆写真解説
木造共同住宅の界壁。
連続して石膏ボードを貼る必要性があるが、柱部分が未施工。
◆内容説明
最近はまた、アパートの建設が増えている。
アパートを施工したことがない業者、職人が
施工をすれば、耐火、防音などの施工不備が出やすい。
界壁は隣世帯との境壁。
耐火や防音性能の確保が必要なため、きちんと施工する必要がある。
役所だけが確認申請を受けていた頃は
完成検査で天井裏を見ていた。
民間になってからチェックが甘く
違法な施工が増えています。
◆対策
アパートは他人が住む家で、施工に関心がない建築主が多い。
職人の腕は戸建てより落ちるケースが多く
施工中にチェックを入れた方が良い。
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■(2)編集後記
「省令準耐火構造の家」で、特に木造軸組の家。
新築検査の依頼を受ける場合は、クロスを貼る前に
検査を1回、必ず入れていただこうと思います。
断熱材から完成まで検査が飛ぶと
防耐火施工の途中がチェックできません。
完成時に不備を見つけると、天井を落とす必要があるからです。
事例889「コンセントの防火被覆」
急ぎの書類などの締め切りに追われ、
新築検査以外の新規予定は、年内予定できません。
年明けの予約は可能です。
■(1)今回の事例______________
「コンセントの防火被覆」
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木造の省令準耐火構造の家。
コンセント部の防火被覆が未施工。火災時、壁内に火がまわりやすい。
◆内容説明
省令準耐火構造の性能の一つに「天井及び壁の室内に面する部分が
通常の火災時の加熱に15分以上耐える性能を有するものであること。」
というものがあり、使用する天井、壁の下地材、施工方法などの規定がある。。
コンセントやスイッチ、ダウンライトは壁や天井に開口をあけるため、
それらが樹脂製であれば、防火性能がない。
不燃材であるグラスウール、ロックウールの断熱材が入っている箇所をのぞき
内部のBOXを鋼製にするか、プレートの裏側に鋼製のプレートを入れる必要がある。
最近のダウンライトは、内部が鋼製でできていて
防火被覆が不要なものが増えてきた。
省令準耐火仕様の家が増えてます。
細かな施工が行われてないことも多く、注意が必要です。
◆対策
省令準耐火構造を選択しても
保険や確認申請の検査でチェックを受けることはありません。
フラット35の仕様書などで施工基準を確認し、
工事中にチェックすることが重要です。
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■(2)編集後記
仕上げが悪く、紛争に至るケースが増えています。
仕上げ不良は、裁判など行っても、解決が難しいケースがほとんど。
やはり、きちんと対応してくれる業者を選ぶべきです。
仕上げ不良でもめた現場の補修後の確認に行ってきた。
徹底的に直したようで、傷なども皆無でした。
職人の腕のばらつきがあるので
仕上げ不良が出ることがある。
社内検査で見つけ、補修をきちんとしておくべきです。
ローコスト分譲で仕上げ不良を指摘しても、修理を拒むケースがある。
あらかじめ契約前に対応を確かめておくことが重要です。
事例884「軒天材の間違い」
このところ続けて、検査に私本人が来るか尋ねられました。
弊社は外注のアルバイト検査員を使っていないため、
必ず私が検査に行きます。
誰が行っても同じ結果が出る機械による測定などは、
アシスタントが行います。
目視で判断すべき個所は私が担当します。
■(1)今回の事例______________
「軒天材の間違い」
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◆写真解説
準防火地域に建つ木造住宅。
軒天材が薄く(6mm)防火性能を満たしていない。
図面の指示は厚さ12mm。
◆内容説明
準防火地域で延焼ライン内の軒天材は、防火構造(2階建て住宅、
軒裏準耐火30分構造)が求められる。(建築基準法第62条2)
準防火地域外での建築に慣れると、防火構造の性能がない「ケイカル板(写真)」
を張るのが当たり前になる。
今回の例も郊外での建築に慣れた業者が、久しぶり名古屋市内で
新築し、間違えてしまった。
◆対策
完成してから発覚すると、修理に足場が必要。
外装工事中にチェックする。
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■(2)編集後記
省エネの講習会(計算方法)に参加してきました。
この講習会は国土交通省から補助金が出ていて
テキスト代などを考えるとタダみたいな受講料でした。
今日聞いた話によると、最新の平成25年省エネ基準をクリアした
住宅の割合は現在20%ほど(プレハブメーカーを除く数字)。
2020年以降はこの基準を守らないと確認申請が下りない。
私は検査前の面談で、「平成25年省エネ基準の家にしておかないと
すぐに時代遅れの家になる。また、平成25年省エネ基準でも
実際には省エネでない家がある。性能はそれ以上に上げておいた方が良い」
という話をします。
住宅の省エネ化は将来的にどんどん厳しくなるでしょう。
今のうちから省エネ性能を高めた家を購入することをお勧めします。
事例852「当て木の不備」
このところ配筋検査が増えています。
消費税が上がる前に、早めに建てようという方が
増えているのかもしれません。
前の駆け込みでは、欠陥住宅が増えました。
ピーク前に建てておくと安心です。
■(1)今回の事例______________
「当て木の不備」
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◆写真解説
準耐火建築物の天井裏を撮影した写真。
矢印部の木が浮いている。
天井と壁の取り合い部で災の侵入を防止する
当て木の役割を果たさない。
◆内容説明
天井下地材、写真縦方向の木の上に
横方向の木を載せているため、下に空間ができて
当て木の役割を果たさない。
木造の準耐火建築物。
石膏ボードの取り合いや目地部分の裏側には
当て木を設ける等、内部への災の侵入を有効に防止できる
構造にしなければいけない。(告示1358号)
(主に準防火地域の木造3階建てが対象)
◆対策
防火施工は、詳細を図示しないと
現場で間違いやすい。
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■(2)編集後記
横浜マンション傾斜事件。
多くのマスコミが飛びつき、横浜市、国土交通省も動いたため
業者は責任を取ると言っている。
ただ、費用は下請けの旭化成建材に持たせるようです。
最大高低差2.4CM。
住宅でこのくらいの傾斜は結構ある。
瑕疵か否か判断は傾斜角を見ることが多い。
間口10Mなら2.4/1000。
6/1000を超えて、品確法で瑕疵の可能性が高いとなる。
ですからこれ以下は、業者が逃げるケースがほとんど。
以前、裁判で8CM傾斜した家でも
かなり苦労して裁判に勝った。
マスコミの影響力はすごいですね。
事例847「床の防火性能不足」
今日は途中、検査依頼の面談を1件はさんだ以外は
3時半まで集中して書類作成。
4時から弁護士事務所にて2時間半の打ち合わせ。
現場へ出るより疲れました。
■(1)今回の事例______________
「床の防火性能不足」
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45分準耐火構造が求められている木造3階の2階床。
ユニットバス床下で石膏ボードが未施工。
◆内容説明
主要構造部準耐火構造とする木造3階。
告示仕様に沿って、床は構造用合板24mm+
石膏ボード9.5mmで設計されている。
2階にユニットバスがある場合、
この施工を忘れやすい。
◆対策
図面に記載する。
ユニットバス組み立て前に確認する。
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■(2)編集後記
昨日の帰り、家まで近くなったところで
財布を事務所に置いてきたことに気づいた。
買い物をするつもりでしたが
取りに帰るのは面倒。あきらめました。
今日は、打ち合わせに出かける際、
事務所を出たところで、携帯を持ってないことに気づいた。
急いで歩けば電車に間に合うと思い、戻りました。
出かける寸前まで、バタバタしていると忘れ物をしやすい。
明日は忘れ物がないよう気を付けたいです。
事例834「ファイヤーストップの施工不備」
フォルクスワーゲンのディーゼル車排ガス不正問題。
世界中で大きな話題になっています。
弊社、高速での長距離移動用に
ゴルフヴァリアントを所有しています。
購入して1年半。ナビ以外は燃費や走りも良く
非常によくできた車だと思います。
いい車を造っているだけに今回の不正は非常に残念です。
■(1)今回の事例______________
「ファイヤーストップの施工不備」
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◆写真解説
省令準耐火構造、ファイヤーストップの施工不備。
天井裏の間仕切り壁上部の石膏ボードが途中で止まっていて、
壁内が丸見え。
◆内容説明
省令準耐火構造など防火性能を高めた木造住宅では、
延焼防止のため、壁や天井の防火被覆は連続していないといけない。
延焼を防ぐ部分に開口があれば、そこから躯体が燃えやすい。
防耐火性を高めない普通の木造住宅仕様でしたら、
これでも問題はない。
ただし、間仕切り壁上部を開放しておくと、
空気が動きやすく省エネ性に影響を与える。
気流止めの施工はあったほうが良い。
(屋根、基礎部などで気密を取っている場合を除く。
断熱材メーカーの省エネ対策等級4、施工マニュアルには
気流止めの施工が記載されている)
◆対策
ファイヤーストップの施工不備は完成してから発覚すると、
天井をめくるなど修理が大変。
工事中に施工を確認する。
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■(2)編集後記
昨年、何度も体を痛めたため、
痛む前兆が分かるようになりました。
一時は整体などに頼りましたが、自分に合う所を
見つけられず、今はどこにも通っていません。
このところのハードワークから
金曜日に痛みの前兆かなと思える症状があり
昨日の朝は、これは危ないという確信に変わりました。
ここでまた痛むと翌日からの仕事に支障が出るため
昨日は検査が1件延期になったこともあり
仕事を半日でやめ、午後は体を休めました。
今日も1日オフにして、気分の切り替えと体のケア。
夕方には、痛みの前兆がなくなりました。
事例778『窓廻り 防水処理の不備』
このところ移動時間が長かったためか
腰が張っています。
過去、この張りを放置し、ぎっくり腰になっているため
張りを今日中に取っておこうと思います。
■(1)今回の事例______________
「窓廻り 防水処理の不備」
_______________________
◆写真解説
窓廻りの防水テープ(両面)。
幅の1/4しか防水紙がかかっていない。
紙を手で引っ張ると簡単に剥がれる。防水の弱点になる。
◆内容説明
木造住宅は外壁の仕上げに関係なく
下地の防水施工がある。
窓廻りは雨漏りしやすい箇所であり、
特に気を使って施工しないといけないが
防水紙を雑に切られてしまった。
防水検査をするとき、職人の腕を見極めるのに
窓廻りの紙のカットを見ます。
真っ直ぐきれいに切れていて
しっかりテープと密着していればOKです。
◆対策
外壁を仕上げてしまうと見えなくなる。
下地防水工事完成時にチェックする。
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■(2)編集後記
ある大手ハウスメーカーの家を見て感じたこと。
設計力があまりにも乏しい。
使っている材料はいいものばかりですが
使い勝手が悪く、デザインは一昔前の印象。
展示場だけはそこそこデザインされているので
お客さんは契約してしまうのでしょう。
自分が働いていたメーカーは、支店の設計部が
デザインをすることは無かった。
営業が打ち合わせした間取りを会社の規格に合わる仕事が主で
申請類も、下請けにやらせていました。
就職のときに、メーカーの設計の仕事はおもしろくないと
先輩から聞いていたので、設計の希望は出しませんでした。
規格住宅の会社でもデザインが良い会社もあります。
ある程度デザインが出てから、契約すると良いです。
事例765『3階建て 防火施工不備』
日曜日に足を痛め、関節に水がたまり、場所が悪く注射で抜けない。
痛み止め、炎症を抑える薬で治療。
その薬で胃腸を痛め、体調が最悪の1週間でした。
歩くのにやや不住がある程度で、仕事を休んでいませんが、
水曜日に歩きすぎて悪化。
検査以外、余分に動かないようにしてます。
■(1)今回の事例______________
「3階建て 防火施工不備」
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◆写真解説
鉄骨造3階建、準耐火建築物。
ユニットバスまわりの壁、天井に石膏ボードが未施工。
告示違反であり所定の防耐火性能がない。
◆内容説明
ユニットバスまわりの石膏ボードの施工が未施工の現場が多い。
(地域、建物の構造などによっては不要のものもあります)
現場監督、大工さんの知識不足が原因です。
図面に書かれていても、施工されていないケースがある。
石膏ボードの役割は、壁下地以外に構造と防火がある。
2×4では、開口部以外は耐力壁になる個所が出てきます。
在来工法でも、耐震等級計算などで指定をすれば耐力壁になる。
防火面では、今回のように準耐火建築物、省令準耐火構造、
外壁の防火構造などで石膏ボードの施工が必要になる。
(防火構造で外壁材によっては石膏ボードが不要なものもある)
◆対策
ユニットバスを入れる前に現場を確認する。
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■(2)編集後記
今、日経BP社のサイトで私の記事が読めるようになっています。
記事に対する書き込みができ、編集者から嫌な内容も書き込まれますと
メールをいただきました。
批判をいちいち気にしていたら、今の仕事はできません。
裁判で相手弁護士からひどいことを直接言われたり、書かれることに
比べれば、たいしたことありません。
昨日、裁判中の現場の立ち合いをしました。
現場立ち合いで、過去何度も当事者どうしで、けんかが始まったり、
私がけんかを売られるということを経験しています。
昨日は、お互いが非常に穏やかで、拍子抜けしました。
結果は分かりませんが、円満解決できると良いと思います。
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