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事例1190 「床下断熱材、大きな隙間」

来週の中旬に梅雨明けすると思っていましたが、
先ほど週間予報を見ると、来週も曇りや雨に変わっていました。

暑くなるのも嫌ですが、早めに梅雨が明けて欲しいです。

 

■(1)今回の事例______________

「床下断熱材、大きな隙間」
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◆写真解説

床下断熱材の大きな隙間。
定尺の材料だけを入れ、空いた部分はそのまま。

 

◆内容説明

大工自身が断熱材の必要性を分かっていないため、
隙間があっても気にならない。
社内検査で床下を見ないため、誰も気づかず、
そのまま引き渡しされる。

通気のある床下は、外部比べると、室内との温度差は少ない。
断熱材が入っていなくても、生活をしていて気づく可能性は低いですが、
ありとなしでは、床の温度に差が出ます。

 

◆対策

社内検査で床下を確認する。させる。

 

 

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■(2)編集後記

今まで現場を見てきた中で、これは良くないと思える建材がいくつかあります。

私だけでなく、他の建築士が同様の指摘をしている商品がありますが、
無くなったり、改良されずに今でも売られております。

今後、新築検査を受けた物件においては、図面チェック時に
その建材を使用することが分かれば、仕様変更を求めることを検討しています。

不具合が出る可能性が100%でなくても
可能性が高い商品は排除していこうと思います。

 

事例1186 「天井断熱欠損」

毎年、梅雨の前半は雨が少ない印象ですが、
今年は雨量が多い予報です。今日もかなり降りました。

昨日くらいから、猛烈に蒸し暑さを感じてます。
その中でマスク着用はつらいです。

 

■(1)今回の事例______________

「天井周囲の熱」
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◆写真解説

最上階天井の外壁際、天井裏の熱が伝わっている。
壁と天井との取り合い部、断熱材に隙間ができる納まりになっている。

 

◆内容説明

天井際の温度差、5月で4度。真夏、真冬はさらに温度差が出る。
全体の天井面積からすれば、欠損部分は約3%ほど。
40坪総2階の家であれば、畳1枚分くらいで、
大きな天窓が付いているようなもの。

これを許容範囲とするかどうかは、家に求める省エネ性能によって違います。

少し、施工の納まりを改善するすれば、無くすことができる内容。

 

◆対策

家の省エネ化が進む中、各社で省エネ性能に関する考え方はいろいろ。
どのレベルの性能を求め、実際にその性能であるのか判断する。

 

 

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■(2)編集後記

今年の住宅着工数の予想が出てました。
前年度約20%減。元の数字に戻るのは2年後。

一律平均して20%減が2年間であれば、多くの会社は持ちこたえられます。
だが、このような状況の中で、業績を伸ばすところもあるので、
20%以上減らす会社も出てくると思います。

第2波が来ないことを願います。

事例1179 「床下断熱材の落下」

住宅展示場も休業要請が出るなど、住宅業界への影響は
徐々に大きくなっております。

今現在、書く方の仕事が結構溜まっているため、
現場予定が空けば、書類作成に時間を使えます。

 

■(1)今回の事例______________

「床下断熱材の落下」
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◆写真解説

床下断熱材の落下。床組施工時にすでに落ちていたと思われる。
社内検査を実施していれば発見できる。

 

◆内容説明

写真以外にも未施工部が多数。
断熱材は約100mmの厚いものを使用しているが、
落下や未施工部があれば、省エネ性能は著しく低下する。

1階床を組む過程で断熱材を入れるため、
施工途中でチェックするのはタイミングが難しい。

完成時に社内検査で床下に入っていれば、
見過ごすことはない。

 

◆対策

社内検査で床下をチェックする。

 

 

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■(2)編集後記

説明が必要なもので、時間的にオンラインでできないものに対し、
動画を撮って送る試みをしております。

TV撮影でプロの仕事を目の当たりにしていますが、
素人動画に対しては、知識がなく、うまく撮るコツがわかりません。

最初から完璧を求めず、少しづつ改良していけばよいと考えております。

 

 

 

事例1169 「気流止め未施工」

中古住宅検査で屋根をドローン撮影。

カラーベストが割れているのを発見できました。
中古住宅検査では必要性が高いと感じました。

 

 

■(1)今回の事例______________

「気流止め未施工」
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◆写真解説

最上階間仕切壁上、気流止め未施工。
屋根裏と壁内がつながり、省エネ性能を落とす。

 

◆内容説明

最上階の天井で断熱する場合、壁上が空いていれば、
部屋の空気がスイッチ開口などから屋根裏へ抜けたり、
屋根裏の熱が壁内へ入ってくる。

気流止めを設けるのが一般的になったのは、まだ最近のこと。
施工がされていても、隙間があったり、電気配線などが貫通していると
空気が動きます。

気流止め。家の省エネ性能を高めるには重要な施工です。

 

◆対策

工事中に気流止めをチェックする。
(屋根断熱の場合は不要です)

 

 

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■(2)編集後記

今日は朝8時から現場入り。今週は毎日、早出が続いています。

早くから現場へ行けば、夕方以降、時間に余裕ができますが、
私は、朝の方が事務仕事に集中できます。
午前中は事務所、午後から現場が好ましいです。

そうは言いつつも、現場に合わせて動いております。

 

 

 

事例1165 「勾配天井壁 断熱材未施工」

連休明けで現場予定が埋まっています。
来週あたりまで予定が多いです。

 

■(1)今回の事例______________

「勾配天井壁 断熱材未施工」
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◆写真解説

勾配天井の壁、断熱材未施工。
断熱材が未施工のため、屋根の熱により壁の温度が高い。

 

◆内容説明

最上階の勾配天井の壁。断熱材入れ忘れ。
小屋裏に接するため、夏は小屋裏の熱気、
冬場は冷気がまともに伝わり、
家の省エネ施工を落とす原因となる。

形が複雑になると、断熱材の入れ忘れ箇所が出やすい。

 

◆対策

断熱材施工時にチェックする。

 

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■(2)編集後記

新築の家が地盤沈下していることを記載した書面を施工業者に送りつけたところ、
弊社の計測がおかしい、正しい施工をしていると反論してきた。

認めると多額の修理費用を負担する必要があるので
そう言わざる得ないでしょう。

未だにこういうタイプの業者が多い。
2020年も多くの紛争に関わりそうです。

 

 

 

事例1159 「気流止め未施工 1階壁下」

早朝から北陸へ車で移動。
良い天気でしたが、北陸道はそこらじゅうで工事。
秋は高速道路の工事が多いので、快適なドライブとはなりません。

夕方、名古屋に戻ってから用事が2件。

今の時間でようやく、落ち着くことができました。

 

■(1)今回の事例______________

「気流止め未施工 1階壁下」
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◆写真解説

1階壁下、気流止め未施工。
壁下が開放されていて、床下の空気が壁内へ入る。
省エネ性能低下の原因になる。

 

◆内容説明

10年ほど前から、土台に24mmなどの合板を直接敷く施工が一般的になり、
1階床の隙間は大幅に少なくなった。

写真は最近の現場ですが、根太を使う工法。
壁の下に空間ができやすい。

ここが解放されていると、床下の空気がコンセントやスイッチ、
1階天井を通じて、室内に入ってくる。

本来は、気流止めという部材を壁下へ施工し、床下の空気を遮断する。
(基礎断熱の場合は、床下に外気が入らないため、壁下の気流止めは不要)

 

◆対策

住宅の図面では、気流止めを指示しないことが多い。
施工の有無を確認しておくことが重要。

 

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■(2)編集後記

昨日、役所を訴えている内容を記載しました。

確認申請の検査で見落としがあっても
役所へ責任を取ってもらうことは、かなり難しいというか、
無理だと言った方がよい。

紹介した事件は、細かく検査しないとしても、
瑕疵がひどく、数も多いので、現場内に入れば、気づかないはずがないレベル。

検査員が重大な瑕疵を認識したのに、指摘をしなかった可能性が高い。
検査費用は無料ではない。今後、費用が無駄だという理由で、
検査拒否する施主さんが増えてきても良いと思う。
(過去に行動を起こした方が見えます。検査済証が出ないのがデメリットです)

来年の民法改正の影響もあり、施工者が社内検査を強化する動きが強い。
国の制度で行う検査が、欠陥防止にならないことを
実際に造っている側はよく理解しています。

 

 

 

 

事例1158 「屋根断熱で小屋裏通気」

この連休、全て現場予定が入っていました。

書類もかなり溜まっているので、
現場から帰ってからも余裕がありません。

ありがたい事に、仕事依頼をたくさん頂いております。

 

■(1)今回の事例______________

「屋根断熱で小屋裏通気」
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◆写真解説

屋根断熱の家。壁と屋根の取り合いに通気が設けられている。
気密、断熱性能を大幅に落とす。

 

◆内容説明

プロであっても無知であれば、このような施工になる。

この換気孔から外気が入るし、室内の空気が小屋裏を通じ外へ出る。
特に冬場は寒い家になる。

プロである吹付業者もおかしいと思わなかったのか疑問です。

断熱層の内側に外気を入れないのは基本。
(計画換気をのぞく)

 

◆対策

省エネ施工も年々進化しています。
不勉強な業者に依頼しない。

 

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■(2)編集後記

家の営業マンで他社の悪口を言って、自社へ誘導するタイプの方が見えます。
その情報が真実ならよいですが、偽情報のケースもあります。

検査の依頼時においても、他から弊社及び私の情報をこう聞いたという話を
たまに耳にします。

中には真逆のことを言われているケースもあります。

そのような情報を聞いても、直接文句は言いません。
きりがありませんし、この仕事を独占する気もありません。

今現在、労働時間が長すぎるため、今年の春に
仕事を20%くらい減らしていこうという計画を立てました。

いろいろ実施し、前よりお断りする、お断りして頂くケースが増えていますが、
通してみるとあまり数は変わっていません。

いきなりではなく、徐々に良い方へ変えていく予定でおります。

 

 

事例1153 「気流止め施工不備」

建築総合展NAGOYAでのセミナー。
ホームページにセミナーの案内が載りました。
https://www.chukei-news.co.jp/kenchiku/exhibition/seminar/

数日前の時点で85人くらいの方が申し込まれているため、
現時点で定員に達しているかもしれません。

 

■(1)今回の事例______________

「気流止め施工不備」
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◆写真解説

ユニットバスの下から外気が上がらないよう、床の外周部に
気流止めが施工されている。
床下に入り見上げると、配管貫通部で大きな隙間があり、
気流止めの役割を果たしていない。

 

◆内容説明

今から5年くらい前までは、ユニットバスまわりの隙間を
気にしていない現場がほとんどだった。

床下に通気がある場合、ユニットバスまわりの隙間から
大量の外気が1階天井へ上がっていく。
最終的には小屋裏まで達し、冬場、寒い原因になっていた。

長期優良住宅制度ができた頃から、気流止めの施工を行う現場が増えてきた。
写真の現場は、ユニットバス屋さんはきちんと施工をしたが、
設備屋さんが気流止めの存在を気にせず、配管してしまった。

普段、目につく箇所ではないため、床下に入るか
気密試験をしないと不備はわからない。

今でも気流止めの施工を省略している現場を見ます。
ハウスメーカーなどで仕様が低い家は、省略されている可能性が高いです。

そんなに高価な部品ではありません。
家の省エネ化のため、省略することは好ましくないです。

 

◆対策

施工中または完成時に気流止めを確認。
(基礎断熱の家は、この箇所の気流止めは不要)

 

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■(2)編集後記

名古屋地裁での裁判のあと、三重県の現場へ行く用事があり、
スタッフに迎えに来てもらった。

簡易裁判所の駐車場に止めたと連絡があったが、
そこへ行っても車が見当たらない。

あとで話を聞くと、スタッフの友人が車の近くを通り、裁判所内へ入っていったため、
車を移動したとのこと。
友人は離婚調停中。陳述書作成の依頼を断ったばかりで会うのが
気まずかったみたいです。

弁護士に車を探しているところを見られ、車を止めた場所を忘れたのかと思われました。

 

 

 

 

 

 

事例1145 「壁断熱材未施工」

昨日、伊勢神宮の近くの現場に行きました。
平日で雨にも関わらず、内宮に近い駐車場は満車。

また、毎月1日に赤福が朔日餅(ついたちもち)を発売。
現場近くの販売店や東名阪の御在所SAは、長い行列が出来ていました。

行列の長さを見ると、とても買う気にはなれません。

 

■(1)今回の事例______________

「壁断熱材未施工」
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◆写真解説

壁の半分から上、断熱材未施工。
赤外線サーモグラフィーカメラで異常個所を発見。
壁をあけて未施工を確かめた。

 

◆内容説明

断熱材未施工の主張に対し、裁判所から実際に壁をあけて、
中を確認した写真を出すように指示を受けた。

この日、天気が悪く、赤外線サーモグラフィーカメラ撮影には良い条件で
ないにもかかわらず、空洞部の温度は他に比べ高かった。
(↓左半分の温度が他より高い)

石膏ボードに穴をあけ、壁内部を確認したところ、
壁の上半分は空っぽでした。

赤外線サーモグラフィーカメラを使い出して15年ほど。
特殊なカメラであり、その特性を理解するには、経験するしかありません。

100%結果は分かっていましたが、私が言葉で説明するよりは
壁をあけたほうが確実に信頼してもらえるので、異議を申し立てず作業しました。

 

◆対策

断熱材は、あとから目視確認できないケースがほとんど。
隠れる前にチェックをする。

 

 

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■(2)編集後記

週間天気予報を見ると、当分、晴れの日はありません。
ここまで雨や曇りが続く梅雨は、何年か無かったように思います。

雨天の日に仕事ができない職人さんたちは、休みが続いているようです。

 

事例1141 「断熱材未施工」

今日検査に行った現場は汚かった。
大工さんが掃除や片づけを一切しない。

現場の看板には1日5回掃除するように書かれている。
ヘルメット着用も書かれているが、現場監督自身がかぶってない。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱材未施工」
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◆写真解説

壁の右側(白い線より右)、断熱材が未施工。
外からの温度が伝わり、温度が高くなっている。

 

◆内容説明

赤外線サーモグラフィーカメラは表面の温度を色で表示。
家を撮影する時は、色の変化を見ています。
窓などのない箇所で、色の変化がある時は、断熱材の不備を疑います。

この現場は、図面で指定された壁に断熱材が未施工。
スイッチから壁内部を確認。目視でも未施工が確認できました。

 

◆対策

工事中の壁が塞がる前に断熱材の施工状況を確認する。

 

 

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■(2)編集後記

これから裁判を行う現場で、工事中の埃について主張する予定。

室内の空気を循環し、空調を家全体にまわすシステムが少しづつ増えていて、
工事中のゴミ、埃が室内へ出てくる被害を聞くことが多くなりました。

昔の気密が取れてない家では、壁の下から
石膏ボードの粉が出てくる被害が多かったです。

気密が高くても低くても、この問題は生じます。

問題は証拠の確保。
分析してくれる会社がない。住宅でなければOKという意味が分からない
回答もありました。

 

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