ブログ

偽りの省エネ住宅

省エネをうたう家が増えています。

省エネ基準をクリアしていても、
実際は冬寒い、夏暑い家はたくさんあります。

完成後、電気、ガス代が高い。家が寒い、暑いと言っても手遅れ。
契約前に実際の性能を確かめることが必要です。

大手ハウスメーカーの家でも
冬寒い、夏暑いというクレームをよく聞きます。

クレームになるのは広告やカタログで断熱性能を過剰に表現しているからです。
冬場、暖房を切ると室温が10度を下回る家で、冬暖かいと書くべきではない。

情報を集めています。築年数が新しい大手メーカーの家で冬寒すぎる、夏暑すぎる
と感じている方は、弊社までご連絡ください。

事例928「グラスウールの隙間」

たくさんあった書類作成業務もほとんど完了。
ただ、明日からまた連続で瑕疵検査が続きます。

 

■(1)今回の事例______________

「グラスウールの隙間」
_______________________

断熱材隙間
◆写真解説

壁に施工したグラスウールの隙間3ヵ所。
1枚ものではなく、小さく切った断熱材を入れ、隙間ができた。

 

◆内容説明

断熱材の継ぎ目で5~10CMくらいの隙間がすいている。
材料不足で、カットした端材を入れたのが原因だと思われる。

表面の防湿シートがきちんと塞がれているかは
石膏ボードをめくらないと分からない。

 

◆対策

石膏ボードを貼る前に、隙間をチェックする。

 

==============================

■(2)編集後記

危険で放置できない瑕疵があるにも関わらず
施工した業者に直す意思が無い。

情報を集めてみると、経営状態がよくない。
つまり、お金がないから直せない。

こうなると裁判も考えもの。

大手はマンション1棟でも建て替えてくれる。
そう考えると大手が安心です。

ただし、マスコミが騒がない限り
修理に応じない例も多く、一概に良いとは言えない。

事例926「勾配天井の壁、断熱欠損」

10年以上、欠陥写真をアップしてきた中で
今回、最長の2週間以上、更新をさぼりました。

今週もややスケジュールがタイト。
来週くらいから前のペースに戻る予定です。

 

■(1)今回の事例______________

「勾配天井の壁、断熱欠損」
_______________________

断熱欠損

◆写真解説

勾配天井部の壁、断熱材が入ってない(オレンジ色の部分)。
よくある例です。

 

◆内容説明

赤外線サーモグラフィー画像のオレンジ色の部分は、他に比べ温度が高い。
(春の天気のいい日の昼間に撮影)
つまり、この個所の断熱材が抜けていることを示す。

断熱専門職人が行うウレタンでの間違いは少ない。
大工さんが施工をするグラスウール、ロックウールでのミスが目立つ。

この部分、夏場は暑く、冬は冷たくなり
冷暖房効率を下げる。

 

◆対策

断熱材施工後の検査を行う。

 

==============================

■(2)編集後記

企業イメージと違い、品質が芳しくない有名ハウスメーカー。

近くお客様センターの責任者と話し合いをする機会があります。

あっさり非を認めるか、言い訳するか、行ってみないと分かりません。

おかしな事を言った場合は、ここで紹介しようと思います。

事例921「基礎断熱材の欠落」

相手業者の代理人だった弁護士が横領で逮捕されました。

裁判で戦ったのは4,5年前。
個性的な人だったという印象があります。

戦った相手とはいえ、残念なニュースです。
横領が出来なような仕組み作りが必要だと思います。

 

■(1)今回の事例______________

「基礎断熱材の欠落」
_______________________
断熱欠損
◆写真解説

基礎断熱材の家。配管部分で断熱材が未施工。
結露や断熱性能低下などが懸念される。

 

◆内容説明

増える傾向にある基礎断熱。
外側はシロアリ被害の懸念があり、内側に施工するケースが多い。

配管の位置が基礎に近いと写真のように
断熱材が施工できない。

配管による欠損が懸念される場合は、
現場発泡でウレタンを吹くか
外側への施工を検討するなどした方が良い。

 

◆対策

床下で確認しずらい箇所。
床組前に欠損の有無を確認する。

 

==============================

■(2)編集後記

車での移動中、名古屋の分譲住宅メーカー、ウッドフレンズが
強い雨降りの中、建て方作業を行っているのを見ました。

製品はパネル化され、断熱材もくっついている。
乾かないまま、仕上げていくとカビが生えたりします。

分譲住宅のイメージが上がらないのは
大手の品質に対する意識が未だに低いからでしょう。

事例920「断熱材の欠落」

4人で丸2日かけて瑕疵検査を行いました。

昨日は気温が高く、午前中、屋根裏にいて
かなりしんどい思いをしました。

今日はちょうどよい気温で、仕事がはかどりました。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱材の欠落」
_______________________
壁断熱材欠落
◆写真解説

壁の断熱材が一部入っていない。壁の中は仕上がると確認しにくい。
赤外線サーモグラフィーカメラで発見。

 

◆内容説明

壁の上の方で断熱材が欠落している。
おそらく材料が不足し、わざと入れなかったと思われる。

欠落部は、外気をそのまま伝えるため
他に比べ明らかに温度が低くなる。

写真内の温度差もはっきり出ています。

(黄色、オレンジが温度が高く、紫、青は低い)

 

◆対策

断熱材の確認をするまで、ボードを貼らせない。

 

==============================

■(2)編集後記

昨日、今日と瑕疵検査を行った現場。
検査依頼のきっかけは、水漏れの対応の悪さから。

見えない箇所で他にも手抜きされているのではという
疑いを持ったそうです。

検査の結果、いろいろ瑕疵が出来てきました。

今日紹介した写真も、この検査で見つけました。
また、基礎にあとから穴を10ケ所ほどあけていた。
鉄筋の位置を調べたら、ほとんどの穴で鉄筋が切断されていた。

瑕疵が多く、書類を書くのが大変です。

事例919「断熱材の濡れ」

瑕疵検査後、有名メーカーが修理の約束をした現場。
なかなか工事が始まらない。

担当者が仕事ができないタイプなので、
建て主が担当者の変更を希望したがダメでした。

地元工務店の方が比較的いい人材が多い気がします。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱材の濡れ」
_______________________
断熱材の濡れ
◆写真解説

躯体組み立て時に断熱材が濡れた。
一度吸水すると乾きにくく、
濡れた状態では壁内が湿気たり、断熱性能も落ちる。

 

◆内容説明

工場で断熱材を入れてくるメーカーは
建て方時の雨に注意が必要です。

担当者は「大丈夫です」といいますが
完全防水は不可能で、強い雨にあたれば内部に雨が入ります。

過去にトヨタホームやセキスイハイムなどでも
工事中に雨に濡れ、断熱材をかえてもらったことがある。

躯体内の断熱材は濡れているかどうかの確認が難しい。
写真のように実際に触って確かめるのが確実です。

 

◆対策

雨天時は建て方作業をやめてもらう。

と言っても強引にやられてしまうことが多い。
濡れた場合は、内部を確認する。

 

==============================

■(2)編集後記

工業化住宅は建て方予定を綿密に組み、
トラックなどの手配も事前に行うため

雨でも建て方予定をずらしにくい。

一度ずらすと建て方職人の手配などもあり
10日くらいあとになることもある。

だから台風でも何でも出荷し、組み立てるメーカーが多い。

事例909「屋根断熱の施工不備」

事務所内の整理を行いました。
物の位置を少し変えたりして、使いやすいようにアレンジ。

大事な書類を預かったりするので
常に整理整頓を心がけています。

 

■(1)今回の事例______________

「屋根断熱の施工不備」
_______________________
屋根断熱落下
◆写真解説

屋根断熱材の落下。原因は接着不良。
野地板間に通気の施工もない。

 

◆内容説明

断熱材の知識がないまま、施工するとこのようになる。

屋根断熱にする場合、結露防止のため、
野地板間に通気を設けないといけない。

通気もなく、断熱材の固定も接着剤を少量しかつけないため落下した。

断熱材の施工は、専門業者が行うとミスが少ない。
例えば、ウレタン吹き付けやセルロースファイバーなど。

大工さんが行うとミスが出やすい。

 

◆対策

完成してから断熱材の不備を指摘すると
修理が大変で業者がやり直しを拒むケースが多い。

工事中に断熱材の施工をチェックする。

 

==============================

■(2)編集後記

東日本大震災で東京都町田市のスーパー「コストコ多摩境店」の駐車場
スロープが崩落し、2人が死亡、6人が負傷した事故で、東京地裁立川支部
は8日、スロープの構造設計を担当し、業務上過失致死傷罪に問われた
1級建築士に禁錮8月、執行猶予2年(求刑・禁錮1年6月)の判決を
言い渡した。

震災による建物崩壊で建築士の刑事責任が問われた初のケースのようです。

今後、大きな地震が来て、建物が倒壊すれば、設計や監理をした
建築士は刑事責任を取らされるでしょう。

最近は、監理者の欄に安易に名前を書かないケースが増えています。
監理できない場合は、記載を断るようです。

ただし、監理者なしではダメなので、施工会社の建築士が
名前を記入する例が多い。

会社命令で監理者にさせられ、実際には現場へ行く暇がない。
そんな状況が多いのではないでしょうか。

事例906「天井裏 通気ふさぎ」

足首が痛くなり、夕方整形外科へ行きました。
レントゲンを撮ると、いつも言われるのは
打撲や捻挫などが原因の骨の変形があちこちにある。

これらは昔、空手で強い蹴りを受けた時のもので、
特にひざ下に多くあります。この影響で、
年を取るごとに痛む箇所が増えそうです。

格闘技に限らす、スポーツに怪我は付き物。
若いうちはそんなこと気にせず、打ち込んで欲しいですね。

 

■(1)今回の事例______________

「天井裏 通気ふさぎ」
_______________________
換気塞ぎ
◆写真解説

軒先からの空気の流入口を断熱材が塞いでいる。
劣化対策である小屋裏の換気量が不足する。

 

◆内容説明

小屋裏は夏場、非常に高温になります。
また、冬場は結露の恐れもあり、
換気を設けないと構造材の劣化を早める原因になる。

特に2×4の天井断熱の場合はこのようになりやすい。
軒先だけ断熱材を抑えるなどの施工が必要になる。

換気の基準は長期優良住宅、フラット35仕様書などに
記載があります。これらを選択しない住宅でも同様に
換気を取ることが重要です。

屋根断熱にした場合は、小屋裏換気は不要です。

 

◆対策

小屋裏換気の対策があるか、図面をチェックする。

 

==============================

■(2)編集後記

大地震がきたら倒壊してしまう家の
瑕疵検査の書類作成に追われています。

新築完成検査で特殊機材をプラスした検査と瑕疵検査、
料金は6万円しか変わりません。

実際は、書類作成時間がかなり多くかかるため
現在の値段では実質赤字になるケースがほとんど。

また、裁判へ移行するとサポートも必要で、
時間を取られる割には、売り上げは上がりません。

値上げをすれば済むことですが、今の値段以上に
上げてしまうと、依頼をしずらくなると思います。

欠陥は普段気づかないことが多いため
何かおかしいと感じたら、出来るだけ検査して欲しいと思います。

検査するかどうか迷う場合は、事前に簡単な調査に伺うことも可能です。

事例901「断熱欠損」

日経BP社の「日経ホームビルダー」へ記事を書いて
1年経過しました。

毎月、締め切り近くなると気が焦ります。
(明日が原稿の締め切り)

時々「ケンプラッツ(日経BP社建築関連のネット版)」に
期間限定で記事が無料公開されています。

ネタが無くなるまで、続く予定です。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱欠損」
_______________________
断熱欠損

◆写真解説

1階外壁と2階床が交わる個所(オーバーハング部)。
躯体に隙間があいているため、ウレタンが施工できない。
大きな断熱欠損。

 

◆内容説明

1階外壁より2階床が飛び出している部分。
外壁上に隙間があり、そこを埋めずにウレタンを施工したため
空間が出来てしまった。

断熱材の職人は、そればかり仕事をしていると
断熱材に詳しくなるはず。

これを施工した職人は、経験が浅いかもしれません。

 

◆対策

断熱材で家がすっぽり覆われているか
断熱材施工後にチェックをする。

 

==============================

■(2)編集後記

責任逃れをする業者をどう追い詰めるか。
最近、そんなことばかり頼まれます。

裁判所がおかしいものはおかしいと判断してくれれば
こんなことをしなくて済みます。

この前、2審から受けた事件の1審の判決を読みました。
ほとんどすべての瑕疵や証拠が否定され、その理由も
よくわからないものばかりでした。

こんな状況を見ていると、業者選びや引き渡しまでの予防が
重要だと思います。

事例896「断熱欠損」

正月休み明け、たくさんのご依頼、問い合わせ、相談依頼を
いただいております。

明日からの3連休も検査、相談でほとんど予定が埋まりました。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱欠損」
_______________________
天井断熱材浮き
◆写真解説

天井換気扇ダクト部分での大きな断熱欠損。
天井裏の普段見えない箇所。雑に施工されている。

 

◆内容説明

現在の省エネ基準で最高ランク家。
見えない箇所はお粗末な施工。

この家は有名メーカーの家です。
職人、監督などが断熱材の重要性を分かっていないため
このような施工になる。

写真で分かるように、最高等級と言っても
使用されている断熱材は薄い。
15年前の建売住宅と同じ仕様です。

日本の断熱基準は、諸外国に比べ高くない。
実際に住んでみて、これが省エネ住宅なのかと、
疑問に思う方が多い。

 

◆対策

断熱材は壁内、床下、屋根裏など、隠れた個所に施工するため
手を抜かれやすい。

施工時にチェックを行う。
床下、天井は、点検口があれば完成してからでも確認できる。

 

==============================

■(2)編集後記

汚い現場は、検査もやりにくい。
物はあちこちに散乱しているし、床もごみだらけ。
また、室内はほこりが充満している。

掃除をほとんどしないため、床下や壁内はごみだらけのまま
仕上げられていく。

どこの現場へ行ってもきれいなのは「住友林業」。
その他、地元工務店でもきれいにしている会社もある。

現場がきれいな会社は、仕事もきれいです。

安心への第一歩!まずはお気軽にお問い合わせ下さい売り込みは一切致しません

052-739-5471 平日受付9:00〜18:00

090-6614-1376 ソフトバンク 土曜日も対応

有限会社カノム 名古屋市守山区小幡南三丁目20-28 シャトー小幡駅前 303

即対応・土日検査可

24時間受付 メールでのお問い合わせはこちらをクリック

ページ上部へ戻る

Contents

著書のご案内

『ホントは防げる欠陥住宅』
日経BP社 (2018/9/25)

『ホントは防げる欠陥住宅』書籍陰影

「欠陥防止の勘所」
2021年1月号~6月号連載
『日経アーキテクチュア』

『日経アーキテクチュア』書籍陰影

「現場で役立つ 欠陥防止の勘所」
2015年4月号~2021年4月号連載
『日経ホームビルダー 現在休刊』

『日経ホームビルダー 家づくりの軌跡が示す未来への道筋』書籍陰影