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ウレタン吹き付けの種類
今までウレタン吹き付け(断熱材)を数多く見てきましたが、
木造住宅の現場で30倍発泡を見たのは、今日が初めてです。
一般的によく施工されているのは100倍発泡。
文字通り、膨らみが大きく、触るとやわらかい。30倍発泡は硬いです。
少しネット検索をして気づいたことは、
ウレタン30倍発泡で検索すると、
100倍発泡を批判しているものが目立った(その反対もあった)。
今まで断熱材メーカー、施工業者は、違う種類の断熱材を批判することが多い。
例えば、ウレタンメーカーがグラスウールを批判するなど。
30倍発泡は100倍発泡の客層を奪うつもりでしょう。
値段は高いですが、性能の良さから今後、30倍発泡は、
住宅の省エネ化の波に乗り、シェアを伸ばしていくと思います。
断熱材はそれぞれ一長一短があるため、私はあえてどれが良いか勧めません。
あとからかえることが困難な材料だけに、選ぶ際はよく考えてください。
事例1110 「屋根断熱の落下」
今日は1日、伊勢湾岸道通行止めの影響を受けました。
未明に起きた追突、炎上事故で今現在も通行止め。
朝、大府市へ向かう予定で名二環に入ったところ、
名東区から混んでました。
名古屋高速へ迂回しても、皆が迂回しているため、そこも渋滞。
午前中の予定は大幅に狂いました。
夕方、岡崎市の予定を終えて、事務所へ戻る時は、
伊勢湾岸道を迂回した車で、名古屋ICから大渋滞。
それでも、何とか相談時間には間に合うように帰って来れました。
■(1)今回の事例______________
「屋根断熱の落下」
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◆写真解説
天井点検口を開けると、屋根断熱材が多数落下していた。
木(たるき)の間に挟み込むだけの施工で固定具などは無い。
◆内容説明
最近、天井の上ではなく、屋根に断熱材を施工する家が増えている。
仕様がかわる時は、ミスが起きやすい。
木の間にはめ込んだだけで特に金物などで留めていないため、
木が痩せて、ほとんどの断熱材が落下した。
大工なら将来、落下することを予見できるはず。
施工時に落ちなければ良いという考えでしょう。
◆対策
金物などでしっかり断熱材を固定する。
(吹き付けで接着できる場合、固定具は要らない)
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■(2)編集後記
面白い話をお客さんから聞きました。
完成時に階段の隙間を指摘したところ、監督がこういった。
「地震の時のためにわざとあけてある」
お客さんは、「今の技術はすごい」と感心し、その時は疑わなかった。
その後、現場へ行くと隙間はシーリングされていたようです。
その場しのぎの言い訳で、似たような話は多いです。
修理を回避しようと、おかしな言い訳をするのはよくあることです。
騙されないようにしましょう。
完成検査で多い指摘
完成時の検査で指摘が多いもの。
「ユニットバス下、基礎断熱の施工不備」
写真は、人通口部の断熱材蓋が未施工。
その他、蓋まわりの隙間、配管貫通部の隙間などの指摘が多い。
この箇所に隙間が多いと、省エネ施工が落ちます。
床下の外気が入り込み、壁の周りから1階天井を経由し、室内へ入ります。
(ユニットバスの壁と躯体の壁の間に隙間がある)
長期優良住宅の制度ができ(H21年)、省エネの規定から、
ユニットバス下からの空気を遮断する施工が一般的になりました。
(基礎断熱+気密、もしくはユニットバス床の断熱、周囲の気流止め)
それまでの家は、断熱、気密措置が無くてもOKでした。
(今でも契約内容によっては無くてもOK)
冬場、寒さを感じる場合は、リフォームで周囲を塞ぐと良いです。
今でも、監督、職人が十分理解していない現場が多い。
ここの施工が省エネ性に影響します。
床下の分かりにくい箇所なので、プロに検査を依頼すると良いです。
事例1104 「床下断熱材のたれ」
今日1件目は遅めのスタート。
その分、夕方まで現場です。
昨日から、少し涼しくなりました。
夏の終わりを感じ、寂しさもありますが、
現場へ行くのが、気持ち的に楽です。
■(1)今回の事例______________
「床下断熱材のたれ」
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◆写真解説
固定不良のため、グラスウール(床下断熱材)の中央が垂れている。
隙間から室内側に外気が入り、断熱効果を落とす。
◆内容説明
発泡スチロールのようなボード状の断熱材は、垂れやすく、
グラスウールは垂れにくいという認識でした。
床下に使うグラスウールは密度も高く、固い。
大引き間にしっかりはめ込めば、通常は垂れにくい。
写真の現場、大引きとの間に隙間があり、突っ張れていない。
また、厚さも薄めのため、垂れやすい。
誰が施工しても垂れにくくするような商品開発を
メーカーに求めます。
◆対策
施工時又は完成後に垂れをチェックする。
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■(2)編集後記
価格だけを見て業者を選び、欠陥住宅をつかむ。
ぎりぎりの予算で家を建てたため、紛争になっても紛争費用がない。
そんな事例がよくあります。
ローコストメーカーでも、しっかりしたところは数多くあります。
業者選択を間違えないことが重要です。
家を建て、不幸のどん底に落ちている方を何人も見ています。
トラブルがあってから相談するより、建てる前に相談してください。
出来ましたら、業者を選ぶときに相談することをお勧めします。
レベルが低すぎる業者と契約をされた場合、
契約内容が優先し、検査だけではどうすることもできない部分もあります。
もちろん、坪100万円超でも欠陥住宅は数多くあります。
高くても安くても、業者選びが重要です。
事例1103 「壁断熱材、施工忘れ」
今日は、まるはちの日。
名古屋市が制定した記念日です。
なぜ今日なのか。市章が〇に八の字だからです。
今日は1日、名古屋市内の現場。
どこかで関連のイベントがあった訳でもありません。
■(1)今回の事例______________
「壁断熱材、施工忘れ」
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◆写真解説
壁断熱材が一部未施工(写真の黄色の箇所)。
断熱材がないため、屋外の熱が直に室内側の壁に伝わる。
◆内容説明
先回に続き、赤外線サーモグラフィーカメラで
断熱材の抜けを発見した例。
家の形が複雑な場合、施工忘れが起きやすい。
今回の例、壁の裏側は、屋根が交わっている。
大工のうっかりミスが原因。
◆対策
石膏ボードを張る前に断熱材をチェックする。
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■(2)編集後記
今週から、高速道路がかなり混雑しています。
普段の平日にはない、車の量です。
週末、出張がありますが、車の場合、時間が読めないため、新幹線で伺います。
お盆期間中、渋滞がひどい一宮IC,四日市ICを通るルートの現場予定は組んでおりません。
四日市~鈴鹿の渋滞は、現在新名神の延長工事中。
これが完成すれば、渋滞は激減します。
一宮ICは拡張の予定なし。
一宮JCに出口を設けるようですが、渋滞解消になるか疑問です。
事例1102 「天井断熱材、施工忘れ」
猛烈に暑い日が続きます。
昨日は屋根の上に2時間半ほどいましたが、
体が慣れてきたせいもあり、体の調子が悪くなることはありませんでした。
今日からも暑い日が続きます。
外へ出たくありませんが、
来週にかけて、現場予定がたくさん入っています。
■(1)今回の事例______________
「天井断熱材、施工忘れ」
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◆写真解説
天井断熱材の一部施工忘れ(黄色の箇所)。
天井面の温度が高く、部屋が暑い原因となる。
◆内容説明
設計だけ断熱仕様を高めても、施工がいい加減であれば意味がない。
このところ、壁や天井の断熱材抜けを多く発見しています。
完成後であっても、赤外線サーモグラフィーカメラを使えば、
断熱材の抜けは、壁などを壊さなくても確認できます。
今回の写真は、部分的に天井断熱材が未施工。
故意的というよりは、大工のうっかりミスが原因だと思います。
◆対策
石膏ボードを張る前に断熱材をチェックする。
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■(2)編集後記
最近、結露、雨漏りの調査依頼が多いです。
この2つは、室内へ出る症状が似ているため、判断が難しいケースがあります。
結露は、起きる時期が限定されます。
大きく分けると、夏か冬。
細かいことを言えば、春や秋でも条件や場所によっては発生する。
雨漏りは、6月から9月頃が多い。
(昨年は秋に台風が来たため、その時の雨漏りも多かった)
原因を突き止めるには、データ取りをしていくと、分かりやすいです。
事例1092 「屋根通気部材の施工不備」
気温は高めでしたが、過ごしやすい週末でした。
行楽に適した天気でしたが、
現場予定が入っていたため、仕事で2日とも潰れました。
■(1)今回の事例______________
「屋根通気部材の施工不備」
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◆写真解説
屋根通気を確保するための部材(段ボール)、下から押すと浮き上がる。
端部の留め付け不良。ウレタン吹き付けの圧力で通気が塞がれる可能性が高い。
◆内容説明
ウレタン吹き付けのシェアの拡大で、屋根断熱仕様が増えてきた。
そのため、屋根通気の不備による野地板の結露が急増しています。
写真は屋根通気部材の留め付け不良。
母屋との取り合い部が全く固定されていない。
室内側からウレタンを吹きつけるため、押して隙間が出来れば
通気層内へウレタンが入り、通気を塞ぐ。
通気が塞がれば、空気が滞留し、結露が起きる。
上側の通気塞ぎを指摘すると、下の軒天へ空気が抜けるから問題ないと反論を受ける。
通気層内の空気の移動は一方通行。暖かい空気は軽いため上へ移動する。
実際、棟換気に手を当てると、暖かい空気が勢いよく出てくる。
暖房を付けると上の方が温度が高い現象や、煙突を想像していただくと分かりやすい。
◆対策
通気部材を施工する大工に、きちんと指示を出す。
吹き付け前に施工状況を確認する。
(足場が悪く、確認作業が困難)
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■(2)編集後記
屋根の点検をした際、ソーラーパネルの上にたくさんの鳥がいた。
廻りを見渡すと、ガルバ屋根には一羽もいない。
瓦の屋根は、棟だけに数羽。
鳥はソーラーパネルを好むのでしょうか。
この日は天気が良く、ガルバは熱くなっている。
ガルバに一羽もいないのは、素材を嫌うのか、熱を嫌うのかどちらでしょう。
1回だけのデータのため、今後も注意深く見ていきたいと思います。
事例1086 「気密シート切れ」
3連休の最終日、やや道路は混んでいました。
後半の休みは、道路渋滞も激しくなると予想されています。
高速で移動する現場予定は入れておりません。
■(1)今回の事例______________
「気密シート切れ」
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◆写真解説
屋根の気密シートを貫通する電気配線。
気密テープの隙間があり、気密切れの原因となっていた。
◆内容説明
気密工事後に配管施工をして、気密が切れることが多い。
設備屋さんの多くは、気密の事を理解していない。
気密測定をしないと、気密切れは見落としやすい。
高い省エネ性を目指す場合、気密測定は必要です。
最近、気密測定に立ち会う機会も増えています。
注意点などを今度紹介したいと思います。
◆対策
設備貫通部の処理をチェックする。
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■(2)編集後記
最近の外壁塗り替え業者は、非常に親切です。
無料で点検を行い、報告書まで出してくれます。
その報告書に施工当時の不備も記載されます。
不備の大半は、サイディングやタイルの浮きなど、雨漏りに関する部分は少ないため、
修理が自己負担になります。
築10年以内で雨漏りに関することであれば、施工者に修理要求できますが、
大半は10年過ぎてから塗り替えを検討するため、保証切れになっているケースが多い。
短期保証が切れる前(通常1~2年)に、外壁なども点検することをお勧めします。
事例1077 「ユニットバス基礎断熱材未施工」
子どもの大学入試、あと一つ後期日程を残しています。
前期4校・後期2校、複数の学部を受けました。
受験料だけで計40万円くらい。
合格してキープしておく費用は1校で30万円くらい。
(入学しなくてもお金は帰ってこない。)
学費と違い、受験料などは分かりにくいため、
参考になるかと思い、掲載しました。
■(1)今回の事例______________
「ユニットバス基礎断熱材未施工」
_______________________
◆写真解説
図面に記載がある基礎断熱材未施工。省エネ仕様の家、ユニットバス下。
◆内容説明
長期優良住宅等の省エネ仕様では、
ユニットバス床下からの外気の侵入を止める施工が必要。
方法は2つ。
・ユニットバスの床版を断熱仕様として、周囲を気流止めで塞ぐ。床下通気有。
・直下部分を基礎断熱にして、さらに通気も塞ぎ気密化する。
今回、その基礎断熱が未施工。
完成後の瑕疵検査で指摘。検査に入らなければ気づかず
風呂の寒い原因が分からなかった。
◆対策
床下の検査を行う。
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■(2)編集後記
昨年秋、ある分譲業者の瑕疵検査に続けて入った。
ここは、今現在、買ってはいけないNO1の会社。
どの現場も施工がひどく、検査の結果、大規模な補修が必要になった。
素直に直せばよいのに、時間稼ぎをしている。
また、私から逃げている。
今現在、気づいていない人含め、相当な被害者が存在していると思われる。
それでも、営業が続けられるのが、この業界です。
今後、この会社の検査は料金を倍にしようと思います。
指摘が多く手間もかかりますし、買う人も危ないと気づくはずです。
もちろん、品質が改善できた時は、元に戻します。
事例1076 「ユニットバス基礎部の気密切れ」
この週末も現場と打ち合わせで一杯でした。
明日は遠方への移動。いつも以上に早起きしないといけないので
早めに寝る予定です。
■(1)今回の事例______________
「ユニットバス基礎部の気密切れ」
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◆写真解説
基礎断熱で囲われたユニットバスの基礎人通口。
断熱蓋の上に大きな隙間がある。
ここから外気が入り、寒さの原因となる。
◆内容説明
長期優良住宅等の省エネ仕様でない家でも、ユニットバスの基礎から
外気が室内に上がらない対策をする家が増えています。
数年前までは、ほとんど施工されていない仕様で、目的を理解していない職人も多い。
今現在でも、紹介したような不備が目立ちます。
ここを完全に気密化しないと、冷たい空気がユニットバスまわりから
1階天井裏、2階へ上ります。冷気以外に水蒸気が上がることもある。
ユニットバスまわりの壁にあるスイッチから、強い風を感じる場合は、
気密施工不備の疑いがある。
(契約内容によっては、気密化が仕様でない家もある)
◆対策
職人への指示の徹底、及び完成時に検査する。
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■(2)編集後記
先日、契約前の図面をチェックさせていただいた。
2階建ての木造住宅で、耐震等級3を取る予定の家。
木造住宅で耐震等級3を取ることは、それほど難しいことではない。
全棟、取得を目指しても良いと思います。
図面を見て改善したほうが良いと思ったのは、柱と壁の直下率が著しく悪い。
計算までしていないが、20%切るくらい。理想を言えば50~60%以上は確保したい。
これを指摘すれば、設計者は嫌がるでしょう。
せっかくのプランがダメになるかもしれません。
設計者にしてみれば、直下率が低くても違法でないから問題ないと言うでしょう。
耐震等級を取っても、絶対に安全だとは言い切れません。
熊本地震で耐震等級2の家が倒壊しています。
この直下率に関しても、壁量計算、耐震等級計算では検討されません。
2階の耐力壁を梁だけで受けると、壁や柱がある場合に比べ、壁の耐力が下がります。
直下率が悪い場合で、プランを変えられない場合は、梁を大きくするなどの検討が必要です。
どのくらい耐力が下がるか、どのくらい梁を大きくすれば良いかはデータが公表されています。
有限会社カノム 名古屋市守山区小幡南三丁目20-28 シャトー小幡駅前 303
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