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極寒

ここ数日、異常な寒さが続いております。
私の自宅も例年に比べ暖房の効きが悪いと感じております。
寒さが続くと、壁、屋根などの温度が低いままになるため、余計に寒さを感じます。

断熱の基準で、地域を8つに分けています。
(沖縄、北海道を除けば6区分)

最近の寒さだけを見れば、2ランクくらい寒い地域に該当する寒さではないでしょうか。
(例、東京23区:6区分→奥多摩町:4区分)

毎年、ある現象ではないと思われますが、夏も異常に暑かったりするので、
家を造る際に、現状の省エネ基準で満足せず、少し上のレベルで計画されることをお勧めします。

 

 

 

事例1060「壁断熱材未施工」

次のTV撮影が決まりました。
撮影予定の家は、日産やスバルの無資格検査が小さく思えるくらいの内容です。

関東地区での放送となります。
その後、一部の地方でも放送される予定です。

詳細が決まりましたら告知します。

 

■(1)今回の事例______________

「壁断熱材未施工」
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◆写真解説

換気扇スリーブまわりの隙間から見えるはずの壁断熱材が見えない。
断熱材を入れずに壁をとじた。(工事中に発覚)

 

◆内容説明

壁の断熱材を入れずに内側の壁を施工した。
全てではなく一部。

過去、あるメーカーで同様の事例が相次いだ。
発覚の発端は、エアコン屋さんが壁に穴をあけた際に気づいた。
同じ大工の現場を、赤外線サーモグラフィーカメラを用い、
断熱材の有無を何件か確認しました。

故意の手抜きは、大工施工のグラスウールなどで起きやすい。
大工は、あとから発覚するとは思っていない。

 

◆対策

断熱材の検査を終えるまで、内側のボードを一切張らせない。

 

 

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■(2)編集後記

昨日の放送。相手業者は放送された内容以上に暴言を吐いています。

欠陥をつかまされた上に、暴言を吐かれては、怒りが増すばかり。
おそらくマスコミの介入を知ってしまったため、
今後、発言は慎重になると思います。

分譲住宅で、相手は複数。すでに責任の擦り合いも始まっています。
売主、仲介業者、設計監理者、施工者。
それぞれにマスコミが取材に行く予定。

さらに今後、行政も動く予定です。

 

事例1055 「基礎断熱の欠損」

午前中の雨漏り検査。
早めに原因を特定したため、昼からの現場までに時間の空きが出た。

次の現場近くまで移動し、雰囲気のよい喫茶店を見つけ、
昼ごはんを食べながら、提出が遅れている原稿を書きました。

事務所以外で仕事をすることが増えています。

 

■(1)今回の事例______________

「基礎断熱材の欠損」
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◆写真解説

基礎断熱、配管貫通部の断熱欠損。
配管施工時に断熱材を欠損した場合、補修が必要。

 

◆内容説明

全体または部分的に基礎断熱仕様とする現場が増えています。
配管施工時に断熱材を傷め、補修がされない例が多い。
床下で
見えないからと、職人が手を抜くからです。

断熱材だけでなく、貫通穴を埋めない例も多い。
穴を埋めないと空気が出入りし、気密性も大幅に悪くなる。

図面上は、省エネ基準を満たしていても、施工に不備があれば、
省エネ性能は大幅に落ちる。

 

◆対策

床下から確認する。

 

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■(2)編集後記

年内あと2つ、TV撮影を予定しています。

事件解決のプラスになることを願い、こちらからも企画に意見を出すつもりです。
撮影対象(ターゲット)は、今現在、重大な瑕疵の修理を放置し、
責任を取らずに逃げている会社。

撮影の詳細が決まりましたら、またご報告いたします。

TV局のOKが出る例は稀です。
ちょっとやそっとの欠陥では撮影対象になりません。
今回は複数の会社を撮影対象として承認が出ています。

それだけひどい事件を数多く抱えております。

 

事例1053 「床下断熱材未施工」

日帰りで北陸へ行ってきました。

天気は良かったですが、非常に寒かった。
最近、気温が低い日が多いため、風邪をひかないように気を付けたいです。

 

■(1)今回の事例______________

「床下断熱材未施工」
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◆写真解説

階段下の1階床、断熱材が未施工。
年配の大工さんほど断熱材の正しい施工方法を知らない人が多い。

 

◆内容説明

写真は今年新築された家。
居室下以外は、断熱材が要らないと思っている大工さんが未だに存在する。

断熱材の施工部位は、外気に接する箇所をすっぽり覆う。
押し入れ下なども当然、必要です。

 

◆対策

完成時に床下を確認する。

 

 

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■(2)編集後記

セミナーなどのイベントや長距離移動、欠陥検査や裁判などの予定が集中していたため、
ここ数週間、余裕がない日々を過ごしております。

メールの返事なども遅れ気味で
今日の移動中に処理しようと思いましたが、
福井県や滋賀県の山間部はネットがつながりにくく、
ネット接続をあきらめました。

スケジュールを見ると、来週からようやく平常に戻りそうです。
ただ、書類がかなり溜まっているため、書類作成の時間を作らないといけません。

 

 

事例1051 「床下断熱材が斜め」

本日午前中、1件キャンセルが出たため
先週末から続いたハードスケジュールにようやく空きが出ました。

空いた時間は、書類を作成。午後からは、予定通りの検査でした。

しばらく休みなし、余裕なしのスケジュールが続きます。

 

■(1)今回の事例______________

「床下断熱材が斜め」
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◆写真解説

床下断熱材が斜めに取りついている。受け金物のサイズ違いが原因。
隙間ができ、室内側に外気が回る。(基礎パッキンのクサビもNG)

 

◆内容説明

床下断熱材の種類は、押出法ポリスチレンフォーム。
板状のため、受け金具にて固定されている。

断熱材の厚みより、15mm大きな受け金具を使用。
下地合板に密着せず、垂れている。

施工した大工は、間違いに気づいていたはず。
間違った受け金具がなぜ現場に納入されたかは不明。

垂れさがることで、隙間ができる。
全て固定し直しを要求。

 

◆対策

床下断熱材は、床下から目視確認する。

 

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■(2)編集後記

来週に迫った「建築総合展NAGOYA]でのセミナー。

募集早々、満席になり。追加で20席増やしましたが、それも満席。
事前申し込みでのお断りが多かったことから、
当日席を設けることになりました。

事前連絡のあったキャンセル分と
機材をセットしたあと、空くスペースがあれば、席を設けます。

事前確保は行っていません。当日の受付のみとなります。
ただし、来ていただいても、満席になれば入場を締め切ります。

中に入れなくても、お渡しできるセミナー資料はありません。
セミナーの対象は、設計事務所、建築業者向けです。

建築総合展NAGOYAは入り口で登録が必要です。
業者登録でご入場された方を優先します。

 

 

事例1050 「壁上、熱気侵入」

明日から長距離移動が多くなります。

今週は電車、飛行機での移動がほとんど。
普段、車での移動に慣れているため、慣れない移動手段に疲れそうです。

早朝、夜の移動も多いです。

 

■(1)今回の事例______________

「壁上、熱気侵入」
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◆写真解説

夏場、間仕切り壁の上部に屋根裏の熱気が入り込んでいる。
気流止め未施工が原因。部屋が暑い原因になる。

 

◆内容説明

冬場は、部屋の暖めた空気が、屋根裏へ逃げていき、
床下などから、外の冷気を部屋へ引っ張る原因となる。

気流止めの施工は、ここ数年で一般的になってきた。
(屋根断熱の場合、壁上の気流止めは不要)
未だに、施工の必要性を知らない設計者、監督、大工が多い。

暑い、寒いに関係する重要な施工。
忘れず、確実に施工する必要がある。

気流止めを知らない方へ、断熱材メーカーの解説
http://www.pgm.co.jp/items/product_tome.html

 

◆対策

断熱材施工時、完了時に気流止めの施工を確認する。

 

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■(2)編集後記

我々、自らの作業が報酬となる士業にとって
一番嫌な時間の奪われ方は「長電話(課金のない対応)」。

同じ話を繰り返したり、こちらが聞いても仕方がないことを説明されたり、
3分の2は聞いても仕方がない内容。

ある弁護士は、相談に来る方へ対し、
貴重な相談時間。相談内容を事前にまとめて来てください。
また、要点だけを話してくださいと伝えているようです。

普段からスケジュールに余裕時間を組みません。
長電話の時間分、予定していた仕事が遅れます。

掛けるほうは、悪気はなく掛けてきます。
1回くらいは、何も言いませんが、何度もある場合は、
今後の対応をお断りさせていただくか、5分で話を打ち切りさせていただきます。

メッセンジャー、SMS、LINE,メールなどで
要点だけ簡潔に連絡いただく分には全く問題ありません。

 

 

事例1037 「配管隙間からの気流漏れ」

今年の雨の降り方は、例年にないような感じを受けます。

ニュースを見ると世界的に異常気象の現象があるようです。
地震に加え、洪水、がけ崩れなどの対策が今後重要になりそうです。

 

■(1)今回の事例______________

「配管隙間からの気流漏れ」
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◆写真解説

基礎断熱部を貫通する配管スリーブの隙間埋め未施工。
気密が確保できない。

 

◆内容説明

洗面所とユニットバス間の基礎を貫通する配管スリーブ。
ユニットバス側が基礎断熱で気密化されているにもかかわらず
貫通穴を塞いでいない。

隙間からユニットバス基礎内へ冷たい空気が入り、1階天井裏などへまわる。
暖房の効きが悪くなるなどの影響がある。

 

◆対策

基礎断熱をしても配管貫通部や人通口に隙間があるケースが多い。
これらの隙間をチェックする。

 

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■(2)編集後記

多くのトラブル処理をしてきて思うこと、
「家を買うことで、幸せを感じるより、不幸を感じる確率が高い」

家を買ったという嬉しさはいつまでも続かない。
また、日常生活するうえで、家があることが当たり前になる。

家で好きな商売ができる、趣味ができる、絶景を見れてリラックスできる。
などがないと、家で毎日幸せを感じることはないでしょう。

反対に高い買い物であるがゆえに、何か不具合等あれば気になってしまう。

不幸の要因になりやすい家だからこそ、買うときは慎重になるべきです。

ただ現実は、契約を早期に求められ、慎重に考える時間を作ってもらえない。
このリスクをどう乗り切るかが、家を買う上で一番大事なポイントだと思います。

仲介業者などのプロが適正なアドバイスをしてくれればよいが、買ってもらいたい立場なので
良いことを誇大表現したり、マイナス面を隠したりすることもあるでしょう。

物件をよく吟味し、買い急がないことが一番の防衛策だと思います。

事例1035 「断熱材の隙間」

7月に入り、急に暑くなりました。
このところ1日現場にいることが多く、暑さになれてないためか、
体がだるい日が続いていました。

今朝も体のだるさを感じ出勤。
午前中、床下でしっかり汗をかいたら、体が軽くなりました。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱材の隙間」
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◆写真解説

壁断熱材の隙間。
施工が難しい筋交い部分で隙間があり、外からの熱が室内に伝わっている。

 

◆内容説明

断熱材は文字どおり「熱を断つ」役割を果たす。

木造の壁で施工が難しいのは、筋交い部分。
特にたすき掛けになっている部分は、ウレタン吹き付けでも隙間ができやすい。

壁の温度は室内の快適性に影響する。
これからの季節、夜になって外気温が下がっても室内の温度が高いのは
壁や天井が熱いから。

断熱時を隙間なく施工することが重要です。

 

◆対策

隠れる前に隙間をチェックする。

 

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■(2)編集後記

今日は福岡、大分に大雨特別警報が出ています。
愛知県でも、昨日の大雨でがけが崩れ、通行止めになった道路もありました。

近年、この時期の雨の降り方がひどくなっています。
雨が漏った、床下に水が入ったなどの被害が多いのもこの時期。

水害対策の重要性が今後、増していくと思います。

 

事例1033 「床下点検口移設による断熱材の不備」

ホームページに載せている欠陥写真を消せと、業者が言ってくるケースがある。
見ての通り、写真で会社などは特定できません。

人の目を気にしすぎるのも、余計なストレスかと思います。

「自分が思うほど、人はあなたのことを気にしていない」
私は常にそう思っております。

 

■(1)今回の事例______________

「床下点検口移設による断熱材の不備」
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◆写真解説

床下点検口の位置を変更。
元の開口部に断熱材の施工がない。塞いだ床は木で支えている。

 

◆内容説明

床下点検口の位置を工事中に変更。
一旦開けた開口をふさぎ、フローリングを仕上げた。

床下を確認すると、断熱材は未施工で、断熱欠損となっている。

床は支えの棒を入れているが、
床なりなどが起きなければ、特に是正を強要するものではない。
防蟻処理くらいはしておいたほうが良い。

 

◆対策

使い勝手などを考慮し、あらかじめ位置を確定しておく。

 

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■(2)編集後記

このところ、営業とのトラブルの話がいくつか舞い込んで来ます。

住宅、不動産は、1件あたりの金額が大きい。
また、ノルマが厳しい。契約金額に対し、歩合が付くケースが多く、
契約に対し必死になります。

契約までに、嘘をつかれたり、調子がいいこと言うのは普通だと
思っておいたほうが良いです。

・次の買い手が待っている。
・今週中に契約しないと値段が上がる。などよくあるセリフです。

気密確保は必要か

昨日の夕方、事務所に戻ってから激しい腹痛に襲われ、仕事が全く手つかず。
早出して、仕事しています。
今からは相手業者とその代理人である弁護士との現場立ち合い。
どんな進展になるか予想できません。

この数年、建物の省エネ化から、気密に興味を示す方が増えています。

ハウスメーカーの担当者からは、気密を高めすぎると息が詰まりますと言われるなど
本当はどっちが良いか迷われる方も多いと思います。

東京大学 准教授 前真之先生の著著「エコハウスのうそ」によると
「気密は快適・省エネ暖房の要。気密なしでは機械換気も効果が半減する」
とあります。

全くその通りです。
暖房か効かない、結露がひどい原因のほとんどが気密不足。
(漏気の影響、24H換気が機能しないなど)

今後の家とトレンドとして、省エネ化とともに気密化もしていくでしょう。
時代遅れの家にならないために、気密のことも考えた家造りをしましょう。

 

 

 

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