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断熱材施工不良

今日は、住宅でない建物の検査が2件。
このあと、弁護士との打ち合わせまでに時間があるため、
ブログの更新を行っています。

2件とも、同じ指摘をしました。
内容は、グラスウールの防湿材がきちんと施工できていない。

住宅でも数年前までは、いい加減な施工が目立った。
そう考えますと、住宅以外の現場は、断熱材の施工が遅れている。

建て主自身が気にしないと、いい加減になりやすい。
レオパレスの問題も、アパートだから発覚が遅れたと思います。

 

事例1130 「断熱材剥離」

今週、イベントでのセミナー、TV取材、書類をいくつか完成させたため
気分的に楽になりました。

現場予定は、もうしばらく過密状態が続きます。
明日も朝早く出発する飛行機に乗って出張です。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱材剥離」
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◆写真解説

基礎断熱材の剥離。接着不良が原因。
本来、隙間ができないように密着させる。

 

◆内容説明

最近は、基礎断熱仕様でなくても、ユニットバス部や玄関土間まわりの
基礎の立ち上がりに断熱材を施工する例が増えている。

あとから接着貼りする施工方法が多く、剥離などは意外と多い。

隙間ができると断熱の効果は減る。
隙間ができないようにしっかり貼りつけることが重要。

 

◆対策

断熱材施工後に隙間や、剥離などをチェックする。

 

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■(2)編集後記

時間短縮の手段をいろいろ試しています。
その一つが、音声入力。
スマホのLINE@などへの投稿は、音声入力を使用しています。
アイフォーンの音声入力は、かなり正確で使えます。

パソコンでのウインドウズの音声入力は、誤変換ばかりで使えません。
そのため、メールなどでの音声入力は諦めています。

原稿書きは、グーグルのドキュメントで音声入力を併用しています。
こちらはウインドウズよりは正確です。

 

 

事例1129 「断熱材未施工」

このところ、受注が好調だという話をよく耳にします。

消費税の関係かどうかは分かりませんが、
家を買う人が多いようです。

受注が好調ですと、メーカーも値上げをしやすいようで、
価格を上げているメーカーも多いようです。

■(1)今回の事例______________

「断熱材未施工」
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◆写真解説

屋根裏の壁の反対側は居室。
赤丸部分の壁に断熱材を入れ忘れた。屋根裏の熱が伝わる。

◆内容説明

ミサワホームの蔵のある家のように、
中2階等がある、スキップフロアーをよく見かける。

この家もスキップフロアー。
最上階部の壁が小屋裏に面する造り、その部分に断熱材を入れ忘れた。

形態が複雑になると、断熱材の入れ忘れが出やすい。

◆対策

このケースで屋根断熱であれば、指摘した箇所に断熱材は不要。
屋根断熱にするか、完成時に小屋裏を確認する。

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■(2)編集後記

新規で電話問い合わせを頂いた場合、
メールを入れてもらうようにお願いしております。

理由は2つあります。
・深い専門的な内容を事務方では説明できない
・問い合わせが多く、外出先で電話対応すると、話を忘れやすい

メールは、あとから検索をすると、記録が出てきます。
継続してやり取りする場合、過去の内容が残っているとお互い安心です。

問い合わせ以外に、いきなりの電話相談もお断りしております。
こちらが十分内容を理解しないと、ずれた回答になる可能性が高く、
迷惑を掛けたり、トラブルになることもあります。

事例1127 「床下断熱材、カットが雑」

明日と明後日は出張のため、今日は現場予定を詰め込みました。

事務所に戻ってからも忙しいので、移動中に書いています。

 

■(1)今回の事例______________

「床下断熱材、カットが雑」
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◆写真解説

床下断熱材、切断面が真っすぐでなく隙間が生じている。
現場でのカットが雑。

 

◆内容説明

床下の断熱材。
工場からジャストサイズにカットされてくるケースが多いですが、
現場で大工がカットするケースもある。

カッターナイフで切断した場合、
断熱材が厚いと写真のように曲がりやすい。

丸のこで切ると、粉が飛び散るため、
カッターナイフで切る現場も多いようですが、
真っすぐ切れないのなら、他の方法を選択すべきです。

隙間があれば、断熱材と床合板の間に外気が入る。

 

◆対策

現場でカットしない。床下を確認する。

 

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■(2)編集後記

大手ハウスメーカーと工務店の現場の違いで、大きいと感じる一つに「足場」があります。
その差はかなりあります。

単価自体、大きく違わないと思いますが、安全性は数倍違います。
職人の作業性も違ってきます。

最近、地元工務店の現場で、危険だと思う足場に何件か遭遇しました。
安全性を考えますと、地元工務店の足場も大手並みに近づいて欲しいと思います。

まだまだ現場で怪我をせずバリバリ動けるように
約1年前から体幹を鍛えております。

お尻も大きくなり、お腹のぜい肉がほとんど無くなりました。

 

 

事例1126 「断熱材、表裏反対」

今月は移動が多かった。
おそらく過去最高の出張回数だったと思います。

2月もやや多めですが、1月の2/3くらい。

今日も、朝早い新幹線で現場へ。
夕方は早めに戻ってきました。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱材、表裏反対」
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◆写真解説

壁断熱材(ロックウール)が、裏表反対に施工されている。
湿気を抜く穴があいている方を外壁側に向ける。

 

◆内容説明

防湿材付きのグラスウールやロックウール。
両面ビニールに覆われているが、室内側は防湿。
外壁側は透湿のための孔があいている。

(壁内に水蒸気が入れないため、室内側は防湿。
壁内に入ってしまった水蒸気を外壁側へ抜けるように裏側は孔があいている)

大工や現場監督なら、知っておくべきこと。
何も気にせず、勉強もせず仕事しているのでしょう。

 

◆対策

断熱材施工時に現場をチェックする。

 

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■(2)編集後記

事務所近くの病院。
最近、駐車場が常に満車。インフルエンザの影響でしょうか。

周囲に結構、インフルエンザにかかった人が多いですが、
私は今のところ大丈夫です。

来週も予定が埋まっているため、風邪をひかないように気を付けたいと思います。

 

事例1125 「断熱材が薄い」

今日は遠方へ新築検査。
行きは朝6時台の新幹線。帰りは15時頃名古屋駅に戻りました。

弁護士との打ち合わせまでに時間があったため、
名古屋市丸の内付近で時間を潰そうとしましたが、
意外と喫茶店がなく、探すのに15分くらい歩き回りました。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱材が薄い」
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◆写真解説

天井断熱材が薄い。図面では100mm、2重敷き。現場は75mm、2重敷き。

 

◆内容説明

設計より薄い断熱材が施工された。
断熱材は普段、目につかないため、ごまかされても気づきにくい。

グラスウールやロックウールの厚さや密度は
表示がないものが多く、見ただけでははっきり分からない。

厚さでは90mmと100mm、
密度では10Kと16Kなどの区別がつきにくい。

裏側のビニールの色で区分してある材料もあるが、
色分けよりも各材料の防湿材などに数字を記載して欲しい。

 

◆対策

材料が現場に入った時点で確認するとともに
施工後、見えなくなる前にチェックをする。

 

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■(2)編集後記

今月は忙しく、スケジュールが一杯の日が続きました。
未だ月末までこの状態が続きますが、来月に入ると、
忙しさもようやく、ひと段落しそうです。

 

 

事例1124 「断熱材の不備」

今年の冬は暖かいです。
富士山や長野や岐阜県でも雪は少なめ。
名古屋でコンクリートの凍結を懸念した日は、1日だけです。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱材の不備」
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◆写真解説

天井断熱材が散乱。よく調べると材料が足らなかったために端材で代用。

材料費やごみ処分費を浮かした。

 

◆内容説明

瑕疵検査で屋根裏に入ると、一部で断熱材が散乱していた。
軒先に近く、体が入りにくい箇所でしたが、
近づいて見てみると、断熱材をカットした際に出た端材だった。

天井断熱材の設計厚さは200mm。
材料が足らなかったため、ゴミ箱行きの端材をかき集め、
投げ捨てたと思われる施工。

すき間だらけのため、断熱効果はかなり軽減される。

見えない箇所でバレないと思ったのでしょう。
悪質な大工です。

 

◆対策

仕事が雑だと感じた時は、各所点検してみる。
見える箇所が雑なら、見えない箇所はもっと雑。

 

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■(2)編集後記

今週は裁判の仕事が集中しています。
明日も5時台に家を出ないといけません。

建築の裁判は、できれば避けるべきです。
相手にもよりますが、裁判中は不快な思いをすることが多く、
いいことはほとんどありません。

最近は早い段階で弁護士を頼む業者が増えています。
話し合いより、金銭や時間が節約できると判断しているからでしょう。

裁判を避けるには、争わない業者に依頼をする。
私が知っているだけでも何社か争わない方針の会社があります。
経営者の考え次第です。
ただし、滅茶苦茶な要求をした場合は対応が違うかもしれません。

最近はインスタで依頼先を決めたという話も伺いますが、
契約までに相手の会社のことを知ることが重要です。

事例1122 「断熱材 未施工」

この3連休。検査を控え、書類作成などに大半の時間をあてました。

ほぼ予定どおり仕事は進みましたが、
まだ年内までに処理する書類がいくつかあります。

大みそかまでダラダラ仕事したくないので
タイムスケジュールを守るように努力しています。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱材 未施工」
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◆写真解説

ユニットバスの床下から上を見上げた写真。
赤丸部は間仕切り壁で、裏側は洗面所。
床下の外気と接するため本来、断熱材が必要。

 

◆内容説明

ユニットバス下を断熱構造とし、床下通気ありのタイプ。
浴槽下は、壁パネルがなく、空間になっている。
そのため、浴槽まわりに接する間仕切り壁は断熱材を入れないと、
床下の外気を遮断できない。

1階にユニットバスがあると、その周囲から床下の空気が室内に入りやすい。
長期優良住宅の普及によって、ユニットバスまわりの寒さ対策が
一般的になったのは、まだ最近。未だに施工不備を多く見かけます。

構造が複雑になると、断熱材の施工忘れが生じやすい。

同様の件は日経ホームビルダー2月号で詳しく解説します。

 

◆対策

完成時に床下をチェックする。
ユニットバス下を床断熱形態にする。

 

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■(2)編集後記

2020年住宅の省エネ義務化が、小規模の住宅に関しては、
実施されないかもしれないというニュースが出てました。

一部の業者の混乱を懸念しての案だと思います。

家を買う方がきちんと省エネ性能を理解して買えば、国が規制しなくても
良いと私は思います。

ただ、家を買う人全てが事前に勉強する訳ではないので、
住んでから、説明より家が寒い、暑いという問題が増えそうです。

最近、耐震性能は大差が無くなってきました。
省エネに関してはメーカーや工務店によって大差があり、省エネ性能が良い家が
売れている印象を受けます。

省エネについて、営業の説明やカタログが大げさなケースが多いため、
消費者自身で知識を得ることが重要です。

 

 

 

事例1121 「断熱材 一部施工忘れ」

今週の月曜日、帰りの飛行機が大幅に遅延。
翌火曜日は夕方から体調不良(胃腸風邪?)。
一晩で治りましたが、水曜日、建築士事務所登録の更新期限が
翌日だと知り、慌てて書類作成。

3日間の予想外の事態に、全く余裕がない週になりました。

たまった書類は今週末に処理します。

 

■(1)今回の事例______________

「断熱材 一部施工忘れ」
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◆写真解説

小屋裏から見た屋根断熱材。グラスウール2枚敷の仕様。
1枚足らない箇所がある。施工忘れ。

 

◆内容説明

2枚重ねは、施工しているうちに、1枚目か2枚目か
分からなくなることがあると思われる。
そのため、反対に1枚余分に施工されている箇所もあった。

屋根の断熱不足は、夏場に大きく影響する。

検査した当日、すぐに建て主さんが現場監督へ報告をすると
この施工が標準だと言ったようです。

その場しのぎの言い訳だと思いますが、
その一言で信用はなくなります。

 

◆対策

同じ断熱材を重ねない。種類をかえればミスは起こりにくい。
(天井の2枚重ね、メーカーは上の断熱材は防湿フィルム付でないものを推奨している)

 

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■(2)編集後記

TV放送後は、いきなり事務所へ相談に来られたり、
電話をかけてきたりする方が見えます。

予約のない訪問やいきなりの電話は対応いたしません。
また、無料相談は一切行っておりません。

住まいダイヤルやスーモカウンターは無料で相談できます。
費用はお客さんからではなく、他からの収入源があるから成り立ちます。

弊社のような会社は、スポンサーがいないため、
お客さんから費用を頂くしかありません。

無料だけでなく、利用するとお金がもらえたりするものもあります。
新規カード発行類がそうですね。

メリットが無ければ、無料にしたり、お金をくれたりしません。

スーモカウンターの相談がなぜ無料なのか、
PayPayがなぜ20%も還元したのか、
利用する前に理由を考えてみるのも面白いです。

 

 

 

 

 

プレハブメーカーの断熱性能

本日、ある大手鉄骨メーカーの完成検査に行ってきました。
気密施工は抜けているし、断熱材の施工も雑。
(高気密でないことは図面に表示されているので図面どおりの施工)
1階の天井点検口や巾木下からは風が出てきて、暖房を付けないと寒い家。

このメーカーだけでなく、鉄骨系プレハブメーカーの省エネ化が遅れている。

設計仕様上では、最低限の基準を満たしているが、
省エネに特化している工務店や、大手でも木造系のメーカーに比べれば低い。

大手でも木造系は、省エネ化が進んでいることを見ると、
工業化住宅+鉄骨というのが弱みになっていると思われる。

商品をモデルチェンジし、大臣認定を取り直すのに
高額な費用がかかる。そのためモデルチェンジできないのかもしれない。

未だに30年くらい前の型を使い続けているメーカーもある。
住宅だけで儲かっているメーカーは少なく、
商品開発にお金を掛けられないのが実情でしょう。

そんな中、1社だけ大幅なモデルチェンジしているメーカーがある。
断熱仕様は他社に差をつけ、気密性能も何件か気密測定を実施したところ悪くない。

今後、省エネ性能はさらに進化していくと予想しています。
大幅なモデルチェンジを行わないと、鉄骨系メーカーは取り残されていくでしょう。

 

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