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事例922「断熱材の浮き」
この週末、早朝や深夜でも高速道路は車が多かったです。
春休みで人の移動も多いでしょうか。
明日は新幹線での移動です。
■(1)今回の事例______________
「断熱材の浮き」
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◆写真解説
基礎断熱材の浮き。
隙間があると断熱効果の低下、基礎表面での結露の恐れがある。
◆内容説明
断熱材と基礎間に隙間があり、空気が動くようではいけない。
あと貼りの場合、写真のようにすき間が出やすい。
◆対策
型枠に断熱材をセットしコンクリートを流し込むか
上端をウレタン吹き付けする。
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■(2)編集後記
大手ハウスメーカーが瑕疵補修を約束しながら
全く動く気配がない。
3月で新築現場が忙しいからでしょう。
担当者に電話しても、段取りしています。
材料の納期が遅れてますなどと言い訳をしている。
余裕がないと、新たな欠陥現場が出るかもしれません。
事例910 「配置ミス」
書類作成業務がたまっていたため、
ここ数日は、現場予定を多少調整していました。
書類の処理もひと段落。
明日は1日、欠陥検査です。
■(1)今回の事例______________
「配置ミス」
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◆写真解説
境界からの距離を間違えて基礎を施工。
位置出しを間違えたのが原因。
◆内容説明
境界からの離れ、図面で80CM。
現場で測ると1M。20CMのずれ。
配置ミスは、時々検査で見つけます。
10CMくらい間違えている例や、斜めに配置されている例が多い。
また、高さを間違えている例もある。
瑕疵保険の配筋検査は、配置を確認していない。
配筋だけ見ていると、配置ミスを見落とします。
また、もともとの測量がいい加減で
図面が間違っていることもある。
◆対策
あとから気づいても修正は困難。
建物の位置出し時に、高さや配置を複数でチェックをする。
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■(2)編集後記
最近寄せられるトラブル事例で、ある3社に対するものが多い。
3社は、有名な会社。
有名なだけに安心感もあるし、営業の対応も良い。
カタログなどは、かなり誇大表現しているので
この家は良いと思い込み、契約してしまう。
工事が始まるとミスが連発。
苦情を言うと、一応謝罪はあるが、
最終判断を顧問弁護士に委ね、納得いかない返事が来る。
中小工務店の方がトラブルになる確率が多いように思えますが、
有名メーカーでもトラブルは頻発しています。
契約前と全く違う態度に、怒りが収まらない方が多いです。
事例897「スラブのひび」
今日、午後のスケジュールが延期になったため
雑用と書類作成を行いました。
半日でも事務所にいると仕事が片付きます。
■(1)今回の事例______________
「スラブのひび」
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◆写真解説
ベタ基礎のスラブに入った幅の広いひび。
コンクリートが固まる過程で全体的に多くのひびが入った。
押さえのタイミングが早かったことが原因。
◆内容説明
鉄筋がある間隔でひびが入っていれば、コンクリートの沈み込みが原因。
ひび割れの幅が広いと基礎の耐久性に影響が出る。
押さえのタイミングが遅ければ、ひびが固まる前に修正できる。
押さえのタイミングを遅くすると
それだけ遅くまで現場に居ないといけない。
そのような理由で、押さえが適切なタイミングで行われないことが多い。
◆対策
ひび割れが入らないよう
コンクリートを打つ前に押さえの指示をする。
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■(2)編集後記
国土交通省が中古住宅を安心して売買できるよう、
専門家が家屋の傷み具合を調べる住宅診断を促進する方針を決めたようです。
以前からアンケートに答えるなど、
検査について国土交通省へ情報提供をしてきた。
検査をするにあたりマニュアルが各組織でつくられると思う。
マニュアルに沿って検査をすることは重要であるが、
家は画一的ではないため、マニュアルだけを見て作業的に検査
をしていると重大なことを見落とすかもしれない。
検査をする人がいろいろ疑いをもって
マニュアルにないことまで、チェックができると良いと思う。
事例871「耐震スリット施工不備」
今週はメール、電話の数が異常に多かったです。
これらの処理だけで1日数時間取られ
書類作成などの仕事が進みません。
施工業者なども今、かなり忙しいようです。
修理見積もりなどを依頼しても
すぐに対応できない業者が多いです。
■(1)今回の事例______________
「耐震スリット施工不備」
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◆写真解説
マンションの耐震スリット。
目地確保のための木が残されたままでコーキングが未施工。
◆内容説明
最近マンションの欠陥がTVで取り上げられ
スリットが良く出ているので選びました。
内部にスリット本体を設置、表側はシーリング目地確保のため
木を入れてコンクリートを打設。
その後のシーリング工事が未施工。
完成してしまうと、内部まで確認することは不可能。
木の裏側はどうなっているかは、施工写真などで判断。
◆対策
分譲マンションの場合、工事中のチェックはほぼ不可能。
完成時に、確認できる個所でスリットの有無を確認。
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■(2)編集後記
三井住友建設の会見で、孫請けの旭化成建材が悪く
自社は悪くないという話があった。
住宅紛争で、例えば基礎でもめているとして、
工務店の社長がうちは管理しただけ、欠陥の原因は基礎屋。
連絡先を教えるのでそっちを訴えてくれということがある。
また下請け業者に対し、紛争になった時、
責任を負う覚書を交わしている元請業者もいる。
元請けは確実に利益を確保し、損失は下請けに全て負わせる。
そんなことをしているから、下請け業者の隠蔽が無くならない。
事例862「壁量計算ミス」
朝一番の現場で、足場を上り下りしていたら
腰が張ってきた。
1年前にぎっくり腰を患ってから
前兆が分かるようになりました。
今回危なそうなので、早めに仕事を切り上げ
腰を温めたりしたいと思います。
■(1)今回の事例______________
「壁量計算ミス」
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◆写真解説
木造住宅の壁量計算ミス。
風圧力の検討で設計壁量が必要壁量以下(0.98)。
なぜか結果はOKとなっている。
◆内容説明
今時、壁量計算はソフトを使っていると思う。
ソフトならOK,NGの間違いは起きないので、
手計算、手入力によりミスが起きたと思われる。
確認申請書に添付されていた書類です。
検査機関は細かく見ていないので間違いに気づかない。
壁量計算は、地震、風に対し必要壁量を計算する。
風圧力に対し不足があれば、大風で家が揺れやすい。
◆対策
壁量計算、耐震等級計算で、結構、間違いを見つけます。
今回のようにぎりぎりの設計ではなく
余裕をもって設計すれば、計算ミスがあっても
NGになることはない。
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■(2)編集後記
新たに北海度でも見つかった旭化成建材の杭偽装。
旭化成建材に限らずどこの会社でも行われているのでしょう。
今、戸建て住宅で地盤の根固めを誤り
地盤沈下している家が4件ある。
そのうち2件は工事中に業者は気づき、隠蔽工作をしている。
横浜のマンションは建て替えや買取の話が出ているが
この2件は、裁判をやらないと解決しそうにない。
仮に裁判を行っても、傾斜はあるが安全性に問題がないと
判断される恐れもある。
横浜のマンションの業者の対応の良さは、ニュースになったからで、
普通は、業者のミスが明らかで、隠ぺい行為があっても
解決を裁判にゆだねないといけない現状がある。
消費者にとって家を買うことは相当なリスクがある。
事例846「ひび割れから錆汁」
明日からの3連休。
検査予定が変更になれば、1日くらい休めるかもしれません。
休むためには溜まっている書類を
片づけないといけません。
■(1)今回の事例______________
「ひび割れから錆汁」
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◆写真解説
コンクリートのひび割れから出ている錆汁。
一時雨ざらしだったことが原因。
◆内容説明
幅0.2mmほどあれば、ひび割れ内に雨水が入る。
長期間、大量に雨が入れば、中の鉄筋が錆びて錆汁が出る。
それをさらに放置すると、錆で鉄筋が膨張し
コンクリートを割る。
◆対策
雨が当たる個所のひび割れは
幅0.2mmほどでも補修をする。
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■(2)編集後記
今日の昼前、事務所で書類を書いていたら
なぜか集中できない。
その理由は工事の騒音。
目の前で名鉄が線路を造っています。
線路を造る順番、砕石→枕木→レールではなく
レール→枕木をぶら下げ→砕石入れ。
砕石があとなので、隙間に充填するよう
機械を使い締めていきます。
その音がかなり大きい。
昼から出かけ、夕方戻ったことには場所を移動していました。
工事完成までにあと4年くらいです。
ノイズキャンセリングヘッドホンを使う日が多くなりそうです。
事例844「雨漏りによる躯体腐朽」
今日は午後から東京で相談+会議。
今から帰ります。
■(1)今回の事例______________
「雨漏りによる躯体腐朽」
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◆写真解説
2×4住宅。雨漏りによる躯体の腐朽。
気づくのが遅れ、腐朽が進行。
◆内容説明
モルタル塗りの外壁。
下地防水の施工が悪く、躯体の木まで雨が浸入。
新築から数年経過後に雨漏りに気づき
外壁をめくった写真。
◆対策
最近は雨漏りリスクから
通気層を取るモルタル仕上げが増えています。
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■(2)編集後記
娘が前期の単位をいくつか落とし、
学校に呼ばれ先生に言ったことは
「わからない箇所を先生に聞いても教えてくれなかった」
内心は反省しているけど、表向き先生のせいにしている。
住宅紛争も同じ。
業者は悪いと分かっていても、認めてしまうと
お金が出ていくため、責任転嫁をする。
聞いてない。施主が指示した。
承諾してもらったなど。
工事途中、重要な部分は曖昧にせず
きちんと確認し、記録に残すことが大事です。
事例843「竪どい受け金具」
今日も1日事務所。
書類作成や税理士との打ち合わせなどに
1日費やしています。
■(1)今回の事例______________
「竪どい受け金具」
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◆写真解説
竪どいの受け金具。
樋メーカーの指定する間隔は900mm。写真は1250mm。
◆内容説明
先回は軒どいの金具。今回は竪どい。
フラットの仕様書でも竪どいの受け金具の間隔は900mm。
写真は約1.5倍広い。
(製品によってメーカーの指定がある場合あり)
軒どい同様、間隔が広いとたわんだり、ぐらついたりしやすい。
あるハウスメーカーの竪どいの間隔が、昔はかなり広かった。
社内規定でOKだと言い続けていましたが、最近見たら
間隔が狭くなっていました
◆対策
事前に取り付け間隔を確認し
足場がある時に施工を確認する。
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■(2)編集後記
また、裁判の反論が来た。
問題自体は認めるが、その原因はこっちにはないと。
これを覆すには、言葉で言い争っても
平行線をたどりそう。
実験などで決定的な証拠を出すしかないようです。
立証が大変なので、裁判はお金がかかります。
建物の安全保証
基準を守らない、でたらめな工事をしておいて
「この施工で大丈夫、安全だ」と引き下がらない業者と
話し合いをして来てきました。
安全だと言い切る根拠は「経験から」で、それでは納得できない。
基準法の仕様規定を守っていても、構造計算でOKでも
想定外の地震が来れば、建物が壊れるかもしれない。
ただ、そういった場合、基準どおりに設計し、きちんと施工してれば
建築士個人が罪に問われることはないでしょう。
耐震偽装事件で危ないとされたマンションが東日本大震災で被害がなく、
「基準法を守らない、即、危険ではない」という意見が
少し前に話題になっていた。
地震は震源地からの距離や地盤によって揺れ方が違うため、
一回の地震だけで結論付けるのは問題がある。
直下型の地震が来たらどうなるかは分からない。
手抜きは言い逃れが難しいため、適当な言い訳が多い。
今日は話がまとまったため、安心しました。
事例785『コンクリート補修の不備』
この時期になっても結露の相談が多いです。
当然、今現在は結露は起きていません。
今年の冬に起きた結露被害の相談です。
発生しているときに調査した方が分かりやすいですが
夏場でも冬型結露の原因を調べることは可能です。
■(1)今回の事例______________
「コンクリート補修の不備」
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◆写真解説
基礎補修箇所のひび割れ。
使用した材料が悪く、強度などが期待できない。
◆内容説明
基礎に欠損があり、補修したあとの写真。
モルタルで補修した部分がひび割れている。
モルタルの水分が多かったなどが原因として考えられる。
ジャンカや欠損など、構造部のコンクリート補修は、
ポリマーセメントを使うように指示しています。
ポリマーセメントは、普通のモルタルに比べると
接着性、防水性、乾燥収縮性、耐薬品性、耐磨耗性、
耐衝撃性等に優れ、中性化の抑制にも効果があるようです。
強度も規定どおりの練り方をすれば十分強い。
道路や鉄道の高架の補修としても使われているもので、
かぶりが不足した場合の補修材としても告示で認められています。
◆対策
コンクリートの補修をする際は、材料を指定する。
各セメントメーカーから補修材として
たくさんの種類が出ているので入手は簡単です。
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■(2)編集後記
専門誌で施工ミスの紹介と基準の解説をしています。
基準の根拠、出所については、私のほうで先に調べ
原稿のチェック時、編集者さんが国土交通省へ確認を
入れることもあります。
今月書いている記事は、割とレアな基準のため
出所がはっきりしない。
メーカーなどへ問い合わせをしているうちに
原稿の締切が近づいてきました。
手間がかかる作業ですが、新たに知ることも多いです。
有限会社カノム 名古屋市守山区小幡南三丁目20-28 シャトー小幡駅前 303
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